浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0263A01: | いふをたのむべからず。●(一六五)なまものしりなり。 |
Z08_0263A02: | 心の熟さぬ事也。●(一六六)わかなの卷に。なをしど |
Z08_0263A03: | ころもなくと有。新續古今。心海上人。世の中を夢そ |
Z08_0263A04: | とまては知なから。おとろきかたき身こそつらけれ。 |
Z08_0263A05: | ●(一六七)せんかたもなく。もてあつかふ也。あはれ |
Z08_0263A06: | つたなきわ〓らかな。しらずばさてもやみぬべし。す |
Z08_0263A07: | でに無常をしりながら。後の世をなげかぬ事のはか |
Z08_0263A08: | なさよ。○右のごとく。をろかなる人は。直に死人を見 |
Z08_0263A09: | て。無常をおもひしれとのいひかけにて。下へつ▲け |
Z08_0263A10: | たり。●(一六八)むかしも此ためし有。ことを引てす |
Z08_0263A11: | すむる也。是は求證人經と。法句經とに有ることなり。 |
Z08_0263A12: | 法苑。弘決に引れ。榻鴫曉筆にも。か〻れたりと。その |
Z08_0263A13: | 心をとりて見やすきやうにしるし侍らん。むかし釋 |
Z08_0263A14: | 尊。舍衛國にましませし時。ひとりの比丘。山田の細道. |
Z08_0263A15: | かきわけて。塚の間にいたる。朝にゆき夕にかよふ事。 |
Z08_0263A16: | 日數つもりければ。小田の主いかりをなし。制してい |
Z08_0263A17: | はく。いかなる比丘ぞ。道業をば修せずして。常に家田 |
Z08_0263A18: | にあそぶと。比丘云。われ人とあらそふ事有。證人をも |
Z08_0263A19: | とめんがために來れり。田主云。證人は誰人ぞ。比丘す |
Z08_0263A20: | なはち田主を得て。屍の狼藉して。鳥けだもの〻。つか |
Z08_0263B01: | みはめるを見せて。此もろ〱の鳥けだもの。これわ |
Z08_0263B02: | が證人なりと。田主そのゆへをとふ。比丘のいはく。わ |
Z08_0263B03: | れ案ずるに。萬の煩惱は心よりおこる。心は身の怨な |
Z08_0263B04: | り。さればつねに心の師となりて。心とあらそへども。 |
Z08_0263B05: | 心われに從ひがたし。かれがひがみにあらそひかね |
Z08_0263B06: | て。爰に來りて證人をもとむといひければ。田主き〻 |
Z08_0263B07: | て信を〻こし。涙にむせびぬ云云。今爰に略して記し |
Z08_0263B08: | たまへり。●(一六九)せんかたなさの事也。●(一七〇) |
Z08_0263B09: | かくのごとくにしてなりとも。無常をおもひしるべ |
Z08_0263B10: | き事也。十二頭陀の中に。塚間坐といふ事あり。それも |
Z08_0263B11: | 無常をしらんためなり。●(一七一)尤と同心したる |
Z08_0263B12: | 詞なり。●(一七二)死をおどろかぬ心なり。●(一七三) |
Z08_0263B13: | 心の師となりてをしへたきもの也。●(一七四)是は |
Z08_0263B14: | 無常をしりて德ある事をいふ也。●(一七四)世にす |
Z08_0263B15: | めば。いかる事あり。うらむこと有。ねがひ有。なげき |
Z08_0263B16: | あり。心に物のかなはぬゆへ。むねもわづらはしき也。 |
Z08_0263B17: | 無常を切におもへば。望たゆるゆへに。大なるなぐさ |
Z08_0263B18: | みなり。新續古今。武子內親王。是もまたありてなき |
Z08_0263B19: | 世とおもふをそ。うき折ふしのなくさめにする。● |
Z08_0263B20: | (一七六)おもひはらふことばなり。●(一七七)いつ |