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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0258A01: くにわきて心と▲めん。玉葉。公任。世の中は水にや
Z08_0258A02: とれる月なれや。すみはつへくもをもほへぬかな。●
Z08_0258A03: (一一六)世に死ぬる人多けれども。わが聞知はまれ也。
Z08_0258A04: ●(一一七)是はわが里の無常をみておどろく事也。摠
Z08_0258A05: じて無常をおどろくにいろ〱有。阿含經に四馬の
Z08_0258A06: 譬を說き給へり。上の馬は。策のかげを見ておどろく。
Z08_0258A07: 是は他の里の無常を聞て。心をおこすにたとう。中の
Z08_0258A08: 馬は。鞭の毛端に觸る〻におどろく。是は我里の無常
Z08_0258A09: を見て。心をおこすにたとふ。下の馬は。肉にとをるほ
Z08_0258A10: どうたれておどろく。是はわが親類の死するを見て。
Z08_0258A11: おもひしる人にたとふ。下々の馬は。骨のいたむほど
Z08_0258A12: 打ざればおどろかず。是はわが身に病を引うけて。は
Z08_0258A13: じめて死ぬぶき事をおもふ人にたとへたり。此無常
Z08_0258A14: も。前後引合せて見るべし。此心ある也。●(一一八)此
Z08_0258A15: 二字を神代卷に。いたむと訓ず。死別のなげき也。○
Z08_0258A16: (一一九)阮嗣宗スル。俛仰M(シテ)哀傷歌に。
Z08_0258A17: 哀傷の題有。●(一一九)たくらぶることば也。目の前
Z08_0258A18: だにおほしましてと云心。●(一二〇)死せる人。かず
Z08_0258A19: おほくして。指もおりつくされぬなり。西行云。ひそ
Z08_0258A20: かに指を折りて。古人をかぞうれば。賢もさり。愚なる
Z08_0258B01: もと▲まらず。た▲むなしき名のみのこる事のあは
Z08_0258B02: れさよ。寒山詩。昨徐五。今劉三
Z08_0258B03: 。日々不。爲心愉々タリ。樂天云。請看
Z08_0258B04: 原下村。村人死シテ歇。一村四十家。哭葬無虛月。解
Z08_0258B05: 胞上人。南隣北里。送之洞未盡。續
Z08_0258B06: 千載。覺圓。きくそふる世のはかなさにおどろかで。さ
Z08_0258B07: ていつまでの身とおもふらん。●(一二一)是は他の鄕
Z08_0258B08: の無常の事。●(一二二)つれ〲。都の中におほき
Z08_0258B09: 人。しなざる日はあるべからず。一日に一人二人のみ
Z08_0258B10: ならんや。鳥邊野。船岡。さらぬ野山にもをくる。かず
Z08_0258B11: おほかる日はあれど。をくらぬ日はなし。佛惠北邙
Z08_0258B12: 。前山後山高クM(シテ)峩々タリ。喪車轔々トM(シテ)月日。哀
Z08_0258B13: 歌齒怨滿岩谷。聞者潛薤露歌。●(一二三)夜ご
Z08_0258B14: とにたつ無常のけぶりの事也。つねにもゆふ人のけ
Z08_0258B15: ぶりといふ也。新拾遺。玄圓僧正。きのふといひけふ
Z08_0258B16: もさきたつゆふけふり。きしのこる身のあはれいつ
Z08_0258B17: まで。おもひをいたましむるとは。見る人の心をいた
Z08_0258B18: ましむる也。行宮色といふがごとし。
Z08_0258B19: ●(一二四)おなじ日のおなじ時に。三人五人ならべて
Z08_0258B20: 見ゆる事あり。●(一二五)ひとりふたりは。けぶりのた

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