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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0257A01: (九六)右の詩の心をやはらげてのべ給ふ。餘情かぎ
Z08_0257A02: りなし。夕顏に。す▲ろになみだがちなりとあり。●
Z08_0257A03: (九七)是はじめの句の心也。おとづれ來りし友也。●
Z08_0257A04: (九八)十人の內に六七人も先立ちたり。●(九九)是は
Z08_0257A05: 次の句の心なり。去者は日にうとし。昔の友の俤をお
Z08_0257A06: もふに。かすかにして夢のやうに覺ふる也。古人の語
Z08_0257A07: に。一日無常到レハ。方夢裏と有。新古今。中
Z08_0257A08: 納言資實の歌に。こしかたをさなから夢になしつれ
Z08_0257A09: は。さむるうつ〻のなきそかなしき。●(一〇〇)是よ
Z08_0257A10: り後の句の心地。わが身と。かげぼうしと立ならぶな
Z08_0257A11: り。●(一〇一)此かげぼうし。●(一〇二)かげは身にそ
Z08_0257A12: ふもの也。●(一〇三)新古今に大江嘉言。けふまては
Z08_0257A13: 人をなけきてくれにけり。いつ身の上にならんとす
Z08_0257A14: らん。●(一〇四)ふかくなげく心也。萬葉に。あはれみ
Z08_0257A15: てとよめり。𣵀槃經。哀-慟天地。哀は釋名
Z08_0257A16: 愛也。愛シテ乃思-念スル也。慟レル也。先進
Z08_0257A17: 。顏淵死。子哭シテ之慟。●(一〇五)後拾遺に。和泉
Z08_0257A18: 式部。たちのほるけふりにつけておもふ哉。いつ又わ
Z08_0257A19: れを人のかくみん。●(一〇六)いたみなげく也。おも
Z08_0257A20: ひあまりて大息をつく事也。傷は爾雅。憂也。
Z08_0257B01: 歎也。釋名。嗟佐也。言以盡一レ
Z08_0257B02: シテ此聲也。●(一〇七)かの字。に
Z08_0257B03: ごりてもよけれども。なをすみたるがよし。●(一〇八)
Z08_0257B04: 摠じて無常のことはり。老少親疎のがれがたきを述
Z08_0257B05: る也。●(一〇九)いとけなき身は。行末をたのむかた
Z08_0257B06: も有ぬべし。頭に雪をいた▲け〓人の。などか消えな
Z08_0257B07: ん事をしらざる。新古今。大僧正覺辨。さら〱の月
Z08_0257B08: 日はいと〻はやせ川。かへらぬ波にぬる〻袖かな。●
Z08_0257B09: (一一〇)七十のよはひは古來まれなり。あるひは壯の
Z08_0257B10: 歲にして身まかり。童子の時に死す。むつきの上にて
Z08_0257B11: 氣と▲まり。胎衣の內にして命をうしなふも有。正法
Z08_0257B12: 念經。有胎藏スル。有スル時命終。有
Z08_0257B13: 便亡スル。有スル。●(一一一)浮世いひ
Z08_0257B14: て定なき義也。是は老少不定をうけたり。●(一一二)
Z08_0257B15: 黃泉の下なり。文集。泉下故人多し。●(一一三)
Z08_0257B16: 泉の字にかけてながれといへり。法句經。如
Z08_0257B17: 駛流ルカ一レ。人是。これは生者必滅とい
Z08_0257B18: ふをうけていへり。●(一一四)わかきには老少不定の
Z08_0257B19: 事あり。老なるには生者必滅の理あり。●(一一五)續
Z08_0257B20: 千載。兼季。ありはてぬうき世の中のかりの宿。いづ

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