浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0257A01: | (九六)右の詩の心をやはらげてのべ給ふ。餘情かぎ |
Z08_0257A02: | りなし。夕顏に。す▲ろになみだがちなりとあり。● |
Z08_0257A03: | (九七)是はじめの句の心也。おとづれ來りし友也。● |
Z08_0257A04: | (九八)十人の內に六七人も先立ちたり。●(九九)是は |
Z08_0257A05: | 次の句の心なり。去ル者は日にうとし。昔の友の俤をお |
Z08_0257A06: | もふに。かすかにして夢のやうに覺ふる也。古人の語 |
Z08_0257A07: | に。一日無常到レハ。方ニ知ル二夢裏ノ人ヲ一と有。新古今。中 |
Z08_0257A08: | 納言資實の歌に。こしかたをさなから夢になしつれ |
Z08_0257A09: | は。さむるうつ〻のなきそかなしき。●(一〇〇)是よ |
Z08_0257A10: | り後の句の心地。わが身と。かげぼうしと立ならぶな |
Z08_0257A11: | り。●(一〇一)此かげぼうし。●(一〇二)かげは身にそ |
Z08_0257A12: | ふもの也。●(一〇三)新古今に大江嘉言。けふまては |
Z08_0257A13: | 人をなけきてくれにけり。いつ身の上にならんとす |
Z08_0257A14: | らん。●(一〇四)ふかくなげく心也。萬葉に。あはれみ |
Z08_0257A15: | てとよめり。𣵀槃經ニ云ク。哀二-慟ス天地ニ一。哀は釋名ニ云ク。 |
Z08_0257A16: | 哀ハ愛也。愛シテ乃思二-念スル之ヲ一也。慟ハ哀ノ極レル也。先進ニ |
Z08_0257A17: | 云ク。顏淵死ス。子哭シテ之慟ス。●(一〇五)後拾遺に。和泉 |
Z08_0257A18: | 式部。たちのほるけふりにつけておもふ哉。いつ又わ |
Z08_0257A19: | れを人のかくみん。●(一〇六)いたみなげく也。おも |
Z08_0257A20: | ひあまりて大息をつく事也。傷は爾雅ニ云ク。憂ヘ思フ也。 |
Z08_0257B01: | 嗟ハ歎也。釋名ニ云ク。嗟ハ佐也。言テレ之ヲ不レ足ラ二以盡ニ一レ心ヲ。 |
Z08_0257B02: | 故ニ發シテ二此聲ヲ一以テ自ラ佐ク也。●(一〇七)かの字。に |
Z08_0257B03: | ごりてもよけれども。なをすみたるがよし。●(一〇八) |
Z08_0257B04: | 摠じて無常のことはり。老少親疎のがれがたきを述 |
Z08_0257B05: | る也。●(一〇九)いとけなき身は。行末をたのむかた |
Z08_0257B06: | も有ぬべし。頭に雪をいた▲け〓人の。などか消えな |
Z08_0257B07: | ん事をしらざる。新古今。大僧正覺辨。さら〱の月 |
Z08_0257B08: | 日はいと〻はやせ川。かへらぬ波にぬる〻袖かな。● |
Z08_0257B09: | (一一〇)七十のよはひは古來まれなり。あるひは壯の |
Z08_0257B10: | 歲にして身まかり。童子の時に死す。むつきの上にて |
Z08_0257B11: | 氣と▲まり。胎衣の內にして命をうしなふも有。正法 |
Z08_0257B12: | 念經ニ云ク。有下於テ二胎藏ニ一死スル上。有二生スル時命終ル一。有二讒ニ |
Z08_0257B13: | 行テ便亡スル一。有二能ク謀テ忽ニ卒スル一。●(一一一)浮世いひ |
Z08_0257B14: | て定なき義也。是は老少不定をうけたり。●(一一二) |
Z08_0257B15: | 黃泉の下なり。文集ニ云ク。泉下故人多し。●(一一三) |
Z08_0257B16: | 泉の字にかけてながれといへり。法句經ニ云ク。如ク二河ノ |
Z08_0257B17: | 駛流ノ往テ不ルカ一レ返ラ。人ノ命モ如レ是。これは生者必滅とい |
Z08_0257B18: | ふをうけていへり。●(一一四)わかきには老少不定の |
Z08_0257B19: | 事あり。老なるには生者必滅の理あり。●(一一五)續 |
Z08_0257B20: | 千載。兼季。ありはてぬうき世の中のかりの宿。いづ |