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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0255A01: に一度は最後臨終の時ある也。つゐにゆく道とは。た
Z08_0255A02: れもしれと。けふあすとは。をもひもよらず。おろかな
Z08_0255A03: るかな。新後拾。託阿上人。つゐにゆく道も今はの時な
Z08_0255A04: れや。羊のあゆみ身にそちかつく。●(六九)かなしき
Z08_0255A05: 心。又あつぱれと。をそれたる心も有。あはれいづれの
Z08_0255A06: 日まで。なげかんともよめり。●(七〇)春や死なん。秋
Z08_0255A07: やしなん。朝の露と消えずば。夕の煙とならん。●(七一)
Z08_0255A08: 先世の報。はかりがたければ。いかなる大病をうけ。い
Z08_0255A09: かなる苦をかうけん。いさ〻かのわづらひだに。時に
Z08_0255A10: あたりては堪えがたきぞかし。まして命をたつほどの
Z08_0255A11: 病ならば。苦痛のつど。ことばにも述べられんや。おそ
Z08_0255A12: るべし〱。永觀律師云。倩思フニナルヲカ。招ンヤ
Z08_0255A13: ナルヲカ哉。重病惡死。一哉。雪山不死
Z08_0255A14: 。耆婆醫主術盡。●(七二)いかなるありさ
Z08_0255A15: ま。いかなるところ。何方の字を。萬葉にいかさまと
Z08_0255A16: 訓ず。●(七三)死ぬる緣にさま〲あり。因果のほど。
Z08_0255A17: はかりがたければ。いかなるところにて。いかなるあ
Z08_0255A18: りさまにてや死なん。あぢきなきことなり。●(七四)
Z08_0255A19: いつの時といふさだめなし。●(七五)是をうつしなが
Z08_0255A20: ら。死ぬべきもしらず。此事よみて。けふの中に。死ぬる
Z08_0255B01: 人も。ありかぬる事にあらず。●(七六)年ごとにおほ
Z08_0255B02: くの人の死にさりし中に。わが身ちかき人も有。同じ
Z08_0255B03: 家にも死人ありて。そのあはた▲しき中に。かくさだ
Z08_0255B04: めなき命なれば。日ごとにあやうく。心もとなき身な
Z08_0255B05: り。西行。とし月をいかて我身にをくりけん。きのふの
Z08_0255B06: 人もけふはなきよに。●(七七)いま迄。每日〱無事
Z08_0255B07: に過ぎぬ。●(七八)さもとは。さても。文選註。危トハ
Z08_0255B08: キナリ落。永明。以。以。此身
Z08_0255B09: まことにやはらかなり。出入息斷えやすし。經には
Z08_0255B10: 呼吸の間と有。釋には一息不レハ。卽屬スト後世
Z08_0255B11: の給へり。一日一夜に。出入息二萬七千なり。しかれば一
Z08_0255B12: 日一夜の中に。死なんとする事。二萬七千度なり。是ほ
Z08_0255B13: どあやうきものとは。しる人なき也。●(七九)老少不
Z08_0255B14: 定とは知りながら。先はわかきをたのむ也。●(八〇)わ
Z08_0255B15: かき人あつまりて。としよれる人をわらひ。あなどる
Z08_0255B16: なり。●(八一)わかき中は。しばらくの間也。右は老の
Z08_0255B17: 程なき事を示す。●(八二)是も例の顛倒也。老ひたる
Z08_0255B18: をみては。わが身もほどなくか〻るべしとおもへ。●
Z08_0255B19: (八三)わが身に無常のか〻る事也。是は死のすみや
Z08_0255B20: かなる事をおしへたり。むかし。よく物をわする〻人

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