浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0255A01: | に一度は最後臨終の時ある也。つゐにゆく道とは。た |
Z08_0255A02: | れもしれと。けふあすとは。をもひもよらず。おろかな |
Z08_0255A03: | るかな。新後拾。託阿上人。つゐにゆく道も今はの時な |
Z08_0255A04: | れや。羊のあゆみ身にそちかつく。●(六九)かなしき |
Z08_0255A05: | 心。又あつぱれと。をそれたる心も有。あはれいづれの |
Z08_0255A06: | 日まで。なげかんともよめり。●(七〇)春や死なん。秋 |
Z08_0255A07: | やしなん。朝の露と消えずば。夕の煙とならん。●(七一) |
Z08_0255A08: | 先世の報。はかりがたければ。いかなる大病をうけ。い |
Z08_0255A09: | かなる苦をかうけん。いさ〻かのわづらひだに。時に |
Z08_0255A10: | あたりては堪えがたきぞかし。まして命をたつほどの |
Z08_0255A11: | 病ならば。苦痛のつど。ことばにも述べられんや。おそ |
Z08_0255A12: | るべし〱。永觀律師云ク。倩思フニ受ケ二何ナル病ヲカ一。招ンヤ二 |
Z08_0255A13: | 何ナル死ヲカ一哉。重病ト惡死ト。一ニ何ソ痛〓哉。雪山不死ノ藥モ |
Z08_0255A14: | 失ヒレ驗ヲ。耆婆醫主ノ方モ術盡ヌ。●(七二)いかなるありさ |
Z08_0255A15: | ま。いかなるところ。何方の字を。萬葉にいかさまと |
Z08_0255A16: | 訓ず。●(七三)死ぬる緣にさま〲あり。因果のほど。 |
Z08_0255A17: | はかりがたければ。いかなるところにて。いかなるあ |
Z08_0255A18: | りさまにてや死なん。あぢきなきことなり。●(七四) |
Z08_0255A19: | いつの時といふさだめなし。●(七五)是をうつしなが |
Z08_0255A20: | ら。死ぬべきもしらず。此事よみて。けふの中に。死ぬる |
Z08_0255B01: | 人も。ありかぬる事にあらず。●(七六)年ごとにおほ |
Z08_0255B02: | くの人の死にさりし中に。わが身ちかき人も有。同じ |
Z08_0255B03: | 家にも死人ありて。そのあはた▲しき中に。かくさだ |
Z08_0255B04: | めなき命なれば。日ごとにあやうく。心もとなき身な |
Z08_0255B05: | り。西行。とし月をいかて我身にをくりけん。きのふの |
Z08_0255B06: | 人もけふはなきよに。●(七七)いま迄。每日〱無事 |
Z08_0255B07: | に過ぎぬ。●(七八)さもとは。さても。文選註ニ云ク。危トハ |
Z08_0255B08: | 易キナリレ落。永明ノ云ク。以レ肉ヲ爲シレ身ト。以レ氣ヲ爲スレ命ト。此身 |
Z08_0255B09: | まことにやはらかなり。出入ノ息斷えやすし。經には |
Z08_0255B10: | 命ハ呼吸の間と有。釋には一息不レハレ來ラ。卽屬スト二後世ニ一 |
Z08_0255B11: | の給へり。一日一夜に。出入息二萬七千なり。しかれば一 |
Z08_0255B12: | 日一夜の中に。死なんとする事。二萬七千度なり。是ほ |
Z08_0255B13: | どあやうきものとは。しる人なき也。●(七九)老少不 |
Z08_0255B14: | 定とは知りながら。先はわかきをたのむ也。●(八〇)わ |
Z08_0255B15: | かき人あつまりて。としよれる人をわらひ。あなどる |
Z08_0255B16: | なり。●(八一)わかき中は。しばらくの間也。右は老の |
Z08_0255B17: | 程なき事を示す。●(八二)是も例の顛倒也。老ひたる |
Z08_0255B18: | をみては。わが身もほどなくか〻るべしとおもへ。● |
Z08_0255B19: | (八三)わが身に無常のか〻る事也。是は死のすみや |
Z08_0255B20: | かなる事をおしへたり。むかし。よく物をわする〻人 |