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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0254A01: 少不定をおしゆ。●(五五)智論。一切時中。皆有
Z08_0254A02: 死不。●(五六)摩訶止觀。無常殺鬼。不
Z08_0254A03: 豪賢無常を惡鬼にたとへてもいふなり。又人の精
Z08_0254A04: をむばふ鬼なり。野山大師。奪精猛鬼。不
Z08_0254A05: ヲモと云云。是也。●(五七)夫木抄。從三位行家。いつと
Z08_0254A06: たにしられぬ世こそかなしけれ。命の水のなかれひ
Z08_0254A07: るまを。●(五八)月日の光の陰なり。●(五九)命のつ
Z08_0254A08: ▲まるは覺なし。月日のたつをしるしにして見る也。
Z08_0254A09: いりあひのかねをきくに付けても。きのふの命はす
Z08_0254A10: でにすぎぬ。あまりいくかぞとおもは▲。名聞利養に
Z08_0254A11: も心をと▲めんや。●(六〇)人の命は〓俄につ▲まら
Z08_0254A12: ず。いつもなく。やう〱につ▲まりもてゆくなり。是
Z08_0254A13: を書くうち。よむ間にも。少しづ〻つ▲まる也。頓死
Z08_0254A14: の人も。俄につ▲まるにあらざるべし。●(六一)露は
Z08_0254A15: 消えやすきものなれば。命のもろきにたとへたり。𣵀
Z08_0254A16: 槃經。觀スルニ壽命。如。李陵。人生
Z08_0254A17: 朝露。何マン。●(六二)一日一夜の中に。
Z08_0254A18: 一萬三千五百の息あり。命もそれほどつ▲まるべし。
Z08_0254A19: ●(六三)けふ一日すぐれば。命もそれに應じてつ▲ま
Z08_0254A20: る也。爰は經文をうつしたまふものなり。出曜經
Z08_0254B01: 此月已キヌ。命卽減少。如小水。斯有
Z08_0254B02: 寂然法師。此文の心をよめる歌あり。新古今を見るべ
Z08_0254B03: し。●(六四)六七十迄の命なりとも。のこる處は。いま
Z08_0254B04: すこしなり。扨ものこりすくなき命かな。刹那覺えず
Z08_0254B05: といへ共。これをはこびてやまざれば。命を終る期。忽
Z08_0254B06: にいたる。されば。道人は。遠く月日を惜むべからず。唯
Z08_0254B07: 今の一念。むなしく過る事を惜むべし。陳后山除夜
Z08_0254B08: 。七十已强半。所幾何。懸暮景
Z08_0254B09: ルヲ。更覺後生キヿヲ。●(六五)いづる息。いる息を待
Z08_0254B10: ぬ世なり。是も𣵀槃經。人ルヿ。過タリ於山
Z08_0254B11: ヨリモ。今日雖スト。明ナンマデ亦難。新古今。西行。待れ
Z08_0254B12: つる入逢のかねのをとすなり。あすもやあらはきかん
Z08_0254B13: とすらん。●(六六)われながら。いつ死ぬる事をゑし
Z08_0254B14: らず。あすまでの命もしらず。○(六七)よしや。いま
Z08_0254B15: すこしいきのびたりとも。始あれば終もあるぞと也。
Z08_0254B16: なにとまれとは。なにともあれといふ事也。法華譬喩
Z08_0254B17: 。今世若過世。是を今世にまれ。若は過世にま
Z08_0254B18: れとよむ也。かげろふに。人にまれ。鬼にまれと有も
Z08_0254B19: おなじ事なり。●(六八)けふあす。ことし明年とつ▲
Z08_0254B20: まりもてゆかば。七十までいくべき人なりとも。つゐ

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