浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0253A01: | のみ身につもるらん。●(四〇)是は次に引たる古語の |
Z08_0253A02: | 心をふくみて書き給へり。●(四一)とめるも。まづし |
Z08_0253A03: | きも。たかきも。いやしきも。世のいとなみ。人のまじは |
Z08_0253A04: | り。その事しげければ。月日のたつもまぎれてわする |
Z08_0253A05: | るなり。●(四二)無常偈ニ云ク。人間怱々トシテ營テ二衆務ヲ一。 |
Z08_0253A06: | 不レ覺二年分ノ日夜ニ去ルコトヲ一。大和物語に。物思ふとすくる |
Z08_0253A07: | 月日もしらぬまに。ことしもけふにくれぬとかきく。 |
Z08_0253A08: | △次に引く詞は。唐の羅隱が詩句なり。頭註漁穩叢話後集第十八云。許彥周 |
Z08_0253A09: | 詩話云。羅隱詩云。只知事逐二眼前一過。不レ覺老從二頭上一來。此殊有レ味云云。文字すこし相違す。是は |
Z08_0253A10: | 古風なり。四條大納言公任の和漢朗詠に。古章の句を。 |
Z08_0253A11: | 一二字づ〻改て入る例もあり。郢曲などにも。本字を |
Z08_0253A12: | 改むることありとかや。源氏にも古詩の字を改て引 |
Z08_0253A13: | り。故實なりとぞ。○さて是は水邊偶題の律詩なり。瀛 |
Z08_0253A14: | 奎律髓の第三にあり。野水無M(シテ)レ情去テ不レ回。水邊華好シ |
Z08_0253A15: | 爲ニカレ誰カ開ク。唯知ル事ノ逐テ二眼前ヲ一去コトヲ。不レ覺老ノ從二頭 |
Z08_0253A16: | 上一來コトヲ。窮似テ二丘軻一休二嘆息一。達如モ二周召ノ一亦塵埃。思二- |
Z08_0253A17: | 量シテ此ノ理ヲ一何人カ會ス。家邑ノ先生最有リレ才。●(四三) |
Z08_0253A18: | 目の前に萬の事のうつりかはるをのみ見るなり。● |
Z08_0253A19: | (四四)身の上に年のつもる事をしらぬなり。枕上の |
Z08_0253A20: | 二字。本には頭上とあり。頭の上より老の來るとは。白 |
Z08_0253B01: | 髮の見ゆる事也。夜のまに。われしらず年のよる心也。 |
Z08_0253B02: | 看枕の二字に心をつくべし。●(四五)いひをしゆる義 |
Z08_0253B03: | なり。この詞を聞て。その理をしれとなり。悅目抄ニ云ク。 |
Z08_0253B04: | き〻しれと云は。こ〻をいはんとて。よそを云ふ事な |
Z08_0253B05: | り。●(四六)げにとは。右の詩をうけていふ。●かくと |
Z08_0253B06: | は。目のまへにかくのごとくなり。萬葉には是の字な |
Z08_0253B07: | り。●(四七)四季の轉變。目にふれて我をす〻む。はな |
Z08_0253B08: | やかなりしあたりは。人すまぬのらとなり。かはらぬ |
Z08_0253B09: | すみかは。人あらたまりぬ。こしかたをおもひつ▲く |
Z08_0253B10: | るに。處もかはり。人もかはり。よろこびしも。なげき |
Z08_0253B11: | しも。いまは。ほのかにして夢となりぬ。●(四八)潦倒 |
Z08_0253B12: | の字をおちぶる〻と訓ず。文集ニ云ク。今ハ作ル二江湖ニ潦 |
Z08_0253B13: | 倒翁ト一。●(四九。五〇)なにとしてか。●我身もこれなり |
Z08_0253B14: | とおもふ事。新古今に。けふすきぬ命もしかとおとろ |
Z08_0253B15: | かす。いりあひのかねのこゑそかなしき。●(五一)思 |
Z08_0253B16: | 准の字なり。おもひくらぶるなり。●(五二。五三)何と |
Z08_0253B17: | しても。●七叟の歌に。さかさまにとしもゆかなんと |
Z08_0253B18: | りもあへす。すくるよはひやともにかへると。●(五四) |
Z08_0253B19: | 是より上には。老のほどなき事を述て。生者必滅をあ |
Z08_0253B20: | かし。是より下には。死のすみやかなる事をいひて。老 |