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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0252A01: しばしともいはれぬなり。是は慈圓和尙の歌のことば
Z08_0252A02: なり。新古今に。極樂へまたわか心ゆきつかす。ひつし
Z08_0252A03: のあゆみしはしと〻まれ。○是より下。次に引く詩の
Z08_0252A04: 心をのぶる也。●(二二)くれやすき月日の陰なり。●
Z08_0252A05: (二三)わらべなりし時の俤なり。次の詩に童顏とあり。
Z08_0252A06: ●(二四)古德。花容偸マル。樂天。老色
Z08_0252A07: 。●(二五)せんかたなき也。又仙術の力もな
Z08_0252A08: き也。●(二六)古德。日往月來颯然トM(シテ)白首。●
Z08_0252A09: (二七)世の中に。おいをいとはぬ人なけれども。月日
Z08_0252A10: のはからひにて。我ま〻にならず。●(二八)心にはい
Z08_0252A11: とへども。きたるさへ心ならずといふ。又わが心にう
Z08_0252A12: らわすれてすぐる事也。●(二九)わらわがたちは。う
Z08_0252A13: とくなりて。おいのすがた。はしたしくなる也。●(三〇)
Z08_0252A14: か▲みにむかひて。わが顏のとしよりたるをみて。わ
Z08_0252A15: が顏とはおもはれず。よその老人かとおどろく事也。
Z08_0252A16: 躬恆が旋頭歌に。ますか〻みそこなるかけにむかひ
Z08_0252A17: ゐて。見る時にこそ。しらぬおきなにあふこ〻ろすれ。
Z08_0252A18: 古人の看。朝來笑鏡中。白髮蒼
Z08_0252A19: 顏汝。●(三一)弘法大師の事也。此詞は性靈
Z08_0252A20: 集に有。中壽感興序也。老のほどなき證據に引
Z08_0252B01: たまへり。●(三二)日の西にかたぶく事。矢をいるが
Z08_0252B02: ごとくにして。ほどなく月日をかさねたれば。わらべ
Z08_0252B03: のかほは。いつしかむばひとられし也。日天は日天
Z08_0252B04: 子なり。何とは。たえがたくかなしき心なり。●
Z08_0252B05: (三三)月のめぐることすみやかにして。おいもほど
Z08_0252B06: なきとの心地。不分の二字を丸祕抄に。ねたひかなと
Z08_0252B07: 訓ず。にくむ心也。杜詩註に。不分素性惡也と
Z08_0252B08: 有。月殿とは。月天子の宮殿なり。變異とは。わかき形
Z08_0252B09: のおとろふる也。●(三四)前に引合ていへり。●(三五)
Z08_0252B10: 右の月日のはやくめぐる事也。●(三六)右の古人の
Z08_0252B11: 心などはかしこし。●(三七)此ことば。歌におほし。今
Z08_0252B12: は世話にいふにかよふなり。外に見て心にいらぬ事
Z08_0252B13: 也。●(三八)何心もなく。そらをながめて。夜晝をみる
Z08_0252B14: 迄也。續後撰に。經家。なにとなくあけぬくれぬとさす
Z08_0252B15: らへて。さもいたつらにゆく月日也。●(三九)わがと
Z08_0252B16: しのよる事には心もつかぬ也。拾遺集に。かねもり。か
Z08_0252B17: そふれはわか身につもるとし月を。をくりむかふと
Z08_0252B18: 何いそくらん。此歌をふみて書き給へり。をくるとは。
Z08_0252B19: 今年をおくる事。むかふとは。春をまつ事也。拾遺愚草
Z08_0252B20: に。いくかへり春をはよそにむかへつ〻。をくるとし

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