浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0252A01: | しばしともいはれぬなり。是は慈圓和尙の歌のことば |
Z08_0252A02: | なり。新古今に。極樂へまたわか心ゆきつかす。ひつし |
Z08_0252A03: | のあゆみしはしと〻まれ。○是より下。次に引く詩の |
Z08_0252A04: | 心をのぶる也。●(二二)くれやすき月日の陰なり。● |
Z08_0252A05: | (二三)わらべなりし時の俤なり。次の詩に童顏とあり。 |
Z08_0252A06: | ●(二四)古德ノ云ク。花ノ容偸マル二年ノ賊ニ一。樂天ノ云ク。老色 |
Z08_0252A07: | 月ニ上ルレ面ニ。●(二五)せんかたなき也。又仙術の力もな |
Z08_0252A08: | き也。●(二六)古德ノ云ク。日往キ月來テ颯然トM(シテ)白首也。● |
Z08_0252A09: | (二七)世の中に。おいをいとはぬ人なけれども。月日 |
Z08_0252A10: | のはからひにて。我ま〻にならず。●(二八)心にはい |
Z08_0252A11: | とへども。きたるさへ心ならずといふ。又わが心にう |
Z08_0252A12: | らわすれてすぐる事也。●(二九)わらわがたちは。う |
Z08_0252A13: | とくなりて。おいのすがた。はしたしくなる也。●(三〇) |
Z08_0252A14: | か▲みにむかひて。わが顏のとしよりたるをみて。わ |
Z08_0252A15: | が顏とはおもはれず。よその老人かとおどろく事也。 |
Z08_0252A16: | 躬恆が旋頭歌に。ますか〻みそこなるかけにむかひ |
Z08_0252A17: | ゐて。見る時にこそ。しらぬおきなにあふこ〻ろすれ。 |
Z08_0252A18: | 古人の看ルレ鏡ヲ詩ニ云ク。朝來笑テ向テ二鏡中ニ一問フ。白髮蒼 |
Z08_0252A19: | 顏汝ハ是レ誰ソ。●(三一)弘法大師の事也。此詞は性靈 |
Z08_0252A20: | 集に有。中壽感興ノ詩ノ序也。老のほどなき證據に引 |
Z08_0252B01: | たまへり。●(三二)日の西にかたぶく事。矢をいるが |
Z08_0252B02: | ごとくにして。ほどなく月日をかさねたれば。わらべ |
Z08_0252B03: | のかほは。いつしかむばひとられし也。日天は日天 |
Z08_0252B04: | 子なり。何ソ忍ンとは。たえがたくかなしき心なり。● |
Z08_0252B05: | (三三)月のめぐることすみやかにして。おいもほど |
Z08_0252B06: | なきとの心地。不分の二字を丸祕抄に。ねたひかなと |
Z08_0252B07: | 訓ず。にくむ心也。杜詩ノ註に。不分ハ素性ノ所レ惡也と |
Z08_0252B08: | 有。月殿とは。月天子の宮殿なり。變異とは。わかき形 |
Z08_0252B09: | のおとろふる也。●(三四)前に引合ていへり。●(三五) |
Z08_0252B10: | 右の月日のはやくめぐる事也。●(三六)右の古人の |
Z08_0252B11: | 心などはかしこし。●(三七)此ことば。歌におほし。今 |
Z08_0252B12: | は世話にいふにかよふなり。外に見て心にいらぬ事 |
Z08_0252B13: | 也。●(三八)何心もなく。そらをながめて。夜晝をみる |
Z08_0252B14: | 迄也。續後撰に。經家。なにとなくあけぬくれぬとさす |
Z08_0252B15: | らへて。さもいたつらにゆく月日也。●(三九)わがと |
Z08_0252B16: | しのよる事には心もつかぬ也。拾遺集に。かねもり。か |
Z08_0252B17: | そふれはわか身につもるとし月を。をくりむかふと |
Z08_0252B18: | 何いそくらん。此歌をふみて書き給へり。をくるとは。 |
Z08_0252B19: | 今年をおくる事。むかふとは。春をまつ事也。拾遺愚草 |
Z08_0252B20: | に。いくかへり春をはよそにむかへつ〻。をくるとし |