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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0250A01: らん。(四七七)ほとけのおほきなる願力。いお(を)の
Z08_0250A02: わづかなる念力にをとらめや。(四七八)母をおもはざ
Z08_0250A03: るいお(を)の子。(四七九)なを水なきさはにくちず。
Z08_0250A04: (四八〇)父を念ずる一子。(四八一)いかでか。(四八二)愛
Z08_0250A05: 河のながれにしづまん。(四八三)われすでに佛を稱念
Z08_0250A06: す。(四八四)ほとけ又われを還念したまふべし。(四八五)
Z08_0250A07: かたちかれんとき。(四八六)父子相迎せば。(四八七)い
Z08_0250A08: のちをはらんのち。(四八八)本家にかへらざらんや。た
Z08_0250A09: だ(四八九)身のつたなきにつけても。(四九〇)いと▲
Z08_0250A10: (四九一)こ〻ろをかたぶけて。(四九二)願をあふぐ。(四
Z08_0250A11: 九二)南無阿彌陀佛かならずたすけ給へ。(四九一)
Z08_0250A12: 諺註
Z08_0250A13: ●(一)是一章の摠標なり。無常に二あり。一には相續
Z08_0250A14: 法壞の無常。二には念々生滅の無常なり。今は二樣に
Z08_0250A15: 通ず。●(二)心地觀經。三界之頂。非々想天。八萬
Z08_0250A16: 劫盡レハ。還下地。をよそ三界の內。廿五有の形。
Z08_0250A17: いづれも生あれば死あり。●(三)生れたるもの。かな
Z08_0250B01: らず死ぬる事也。𣵀槃經。一切世間。生アル
Z08_0250B02: 皆歸。後江相公願文。生スル必滅。釋尊
Z08_0250B03: レタマハ旃檀之烟。●(四)摠じては三界みな無常
Z08_0250B04: をなげく。その中にも。此處は。別して不定の命なり。●
Z08_0250B05: (五)閻浮の事。本願抄に註す。須彌山の南の方なる海
Z08_0250B06: のうへにあり。天竺。大唐。日本。みなその內なり。●
Z08_0250B07: (六)俱舍。北洲千年。西東半々。此
Z08_0250B08: 不定ナリ。後十初量云云。三界の命。いづれも
Z08_0250B09: 定あり。天人の命より。地獄の命にいたるまで。みな經
Z08_0250B10: の中に說き給へり。しばらく人界をいは▲。まづ須彌
Z08_0250B11: 山の北の。鬱單越といふ所に。人の命さだまりて千歲
Z08_0250B12: なり。須彌山の西の方を瞿耶尼といふ。命五百歲なり。
Z08_0250B13: 須彌山の東を弗婆提といふ。命二百五十なり。南の方
Z08_0250B14: を閻浮提といふ。人の命定なし。たま〱は百歲の人
Z08_0250B15: もあり。多分は若くして死ぬる也。彼三洲の定ある命
Z08_0250B16: にても。終に死ぬるは歎なるに。此處は老ひたるも。若
Z08_0250B17: きも定なければ。歎の上に歎をかさね。無常の上に不
Z08_0250B18: 定をそへたり。●(七)葵に。おぼつかなさのなげきを
Z08_0250B19: かさねたまふとあり。●(八)處と身とを分ていへり。
Z08_0250B20: 處は不定也。身は無常也。●(九)處がらにておぼつかな

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