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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0247A01: しさこそ。(二八五)いかにすべしともおぼえず。かなし
Z08_0247A02: けれ。(二八六)生盲にして(二八七)業にまかせてはし
Z08_0247A03: る。(二八八)業にしたがひて(二八九)(ジン)(キヤウ)に墮せんと。
Z08_0247A04: (二九〇)傷嘆せし(二九一)古賢の(二九二)案におちて。
Z08_0247A05: (二七三)重苦に(二九四)むすぼられなんのちは。(二九五)
Z08_0247A06: 智識のよくお(を)しへける物をと。(二九六)くゆと
Z08_0247A07: も(二九七)さらにかひあるべからず。(二九八)自業自
Z08_0247A08: 得のちからなければ。(二九九)主君たのもしとてもた
Z08_0247A09: す(資)くまじ。(三〇〇)妻子いとおしとてもかはるま
Z08_0247A10: じ。(三〇一)た▲人は人。われはわれなる。(三〇二)獨生
Z08_0247A11: 獨死。(三〇三)獨去獨來の(三〇四)みちこそ。(三〇五)お
Z08_0247A12: もひやるも心ぼそかるべけれ。(三〇六)後世とても。他
Z08_0247A13: 人なるまじければ。なにともならばなれとは。えおも
Z08_0247A14: ひはな(放)つまじかめり。(三〇七)されども。(三〇八)
Z08_0247A15: 世人薄俗ニM(シテ)不急と〻きて。(三〇九)今生の
Z08_0247A16: いとなみの。(三一〇)いのちあらばと。ゆるかるべきを
Z08_0247A17: ば。(三一一)あしをそらにして急にし。(三一二)後生の
Z08_0247A18: いでたちの。いまもしなばと急なるべきをば。(三一三)
Z08_0247A19: てをたんだ(拱)きてゆる(緩)くする。(三一四)これ(三
Z08_0247A20: 一五)かしこしとやせん。をろかなりとやせむ。(三一六)
Z08_0247B01: さしも(三一七)うけがたくして。(三一八)うしなひや
Z08_0247B02: すき人身を。(三一九)いたづらはしく。(三二〇)なにと
Z08_0247B03: もなき。(三二一)ゆめのうちの事にのみ(三二二)くる
Z08_0247B04: しめて。(三二三)つゐに(一生)げにげにしきながき世
Z08_0247B05: の。おもひいで。(三二四)ひとつもなくてやみなん(三二
Z08_0247B06: 五)あさましさよ。(三二六)この世こそ。かく思ふやう
Z08_0247B07: ならざらめ。(三二七)のちの世をさへ。むなしう(三二八)
Z08_0247B08: 二世不得の身となして。(三二九)ながく(三三〇)(トウ)(セン)
Z08_0247B09: 火湯に(三三一)た▲よひゐたらんは(三三二)いふにす
Z08_0247B10: ぎたり。(三三三)なのめ(斜)に毛をき。(被)角をいた▲
Z08_0247B11: きたるたぐひとなりても。(三三四)たやすく。そのすが
Z08_0247B12: たをあらためむ事かたかるべし。(三三五)たとへば又
Z08_0247B13: (三三六)おのづから。(三三七)ふた〻び人身をう(得)る
Z08_0247B14: 時はあるべくとも。(三三八)淨土の法門。(三三九)彌陀
Z08_0247B15: の本願を(三四〇)き〻えん事は。さらに(三四一)難中
Z08_0247B16: 之難。無過此難と〻けり。(三四二)しかるにいま。(三四
Z08_0247B17: 三)たま〱頓敎菩提の門ひらけて。(三四四)超絕易往
Z08_0247B18: のみち(三四五)通ずる時にあへり。(三四六)父子あい
Z08_0247B19: むかへて(三四七)本家にかへらん日。(三四八)けふに
Z08_0247B20: あらずばいつとか期せん。(三四九)はやすでに。(三五〇)

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