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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0245A01: (一五一)くちぬれば。(一五二)古墓何。不
Z08_0245A02: 一レ名と。(一五三)ゆき〻の人のくちずさみに。(一五四)
Z08_0245A03: なりゆく身のはて(盡)こそはかなく。(一五五)あぢき
Z08_0245A04: なき〻わ(は)まりなれ。(一五六)これを(一五七)よ
Z08_0245A05: そにきくおり(時)。(一五八)さすが(一五九)あはれとい
Z08_0245A06: はぬはなけれども。(一六〇)をのが身のうへになして
Z08_0245A07: は。(一六一)さらにおもひもよらぬげ(氣)なり。(一六二)
Z08_0245A08: かくなん。(一六三)しりがほにして。しらぬ心の。(一六四)
Z08_0245A09: なまざかし(生賢)きこそ。(一六五)をしへどころもな
Z08_0245A10: く。(一六六)しあつかひたれ。(一六七)いにしへ。(一六八)
Z08_0245A11: 佛弟子の。死人をくりすてたる野のなかに。まぎれあ
Z08_0245A12: りきけるを。何事し給ふにかと〻へば。こ〻ろのひが
Z08_0245A13: (僻)みにあらそひかねて。證人もとめ侍るとなむいひ
Z08_0245A14: けるは。せめても(一六九)思ひかねたるしわざなるべ
Z08_0245A15: し。かくしても(一七〇)げに。(一七一)つれなきこ〻ろ
Z08_0245A16: をば。(一七二)いさむべきにや。(一七三)さて(一七四)す
Z08_0245A17: こしも無常思ひしりなむは。はかりなき世のなぐさ
Z08_0245A18: みかな。(一七五)よし(可)や。(一七六)いつまでの身ぞ
Z08_0245A19: とおもはましかば。(一七七)なじかは。さのみの(一七八)
Z08_0245A20: 人わろさ空蟬ニ云タドリヨランモ人ワロカルベシもあらむ。(一七九)又
Z08_0245B01: (一八〇)ゆ〻しき(一八一)なげき。それへのやるか
Z08_0245B02: た(遣方)ぞかし。(一八二)あはれ。(一八三)佛の御は
Z08_0245B03: からひにても。(一八四)一期こ〻ろに無常わすれず。
Z08_0245B04: (一八五)くちに念佛(一八六)をやまぬ(一八七)身にし
Z08_0245B05: あらば。(一八八)いかばかり。(一八九)世のありさま
Z08_0245B06: (一九〇)もどかしう。(一九一)す(澄)みたる心のう
Z08_0245B07: ちならん。(一九二)これなむ。(一九三)又なく(一九四)あ
Z08_0245B08: らまほしき心なり。(一九五)ねがはくは。(一九六)かま
Z08_0245B09: へて(一九七)佛もわれをそ〻のか(唆)し給へ。(一九八)
Z08_0245B10: たとひ。(一九九)いかに智解(二〇〇)むねにみちたれ
Z08_0245B11: ども。(二〇一)無常をしらざるをば。(二〇二)なを道心
Z08_0245B12: なき人とこそいふめれば。(二〇三)いつ〻の媚なしと。
Z08_0245B13: (二〇四)はづかしめられんも。(二〇五)心うきかたわ
Z08_0245B14: にあらずや。(二〇六)よくおもひわきて。(二〇七)くや
Z08_0245B15: しからず(二〇八)はからふべし。(二〇九)かぞふれば。
Z08_0245B16: (二一〇)むげに程なき一期を。(二一一)あぢきなく。(二
Z08_0245B17: 一二)かなはぬ世に(二一三)か〻づら(抱)ひゐて。(二一
Z08_0245B18: 四)そこら(多)(若干)のとしを。(二一五)いたづらにな
Z08_0245B19: しぬるこそ。(二一六)あた(惜)らしけれ。(二一七)いま
Z08_0245B20: は。(二一八)のこりの月日をば。(二一九)いかにもして。

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