浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0241A01: | てはなし。前後をあはせて書きたるものなり。和漢の |
Z08_0241A02: | 書に此例おほし。○身の行末を。おもひもうけたりや |
Z08_0241A03: | といふより。冥途の事を引て示すなり。此四句の內。第 |
Z08_0241A04: | 二の句は。入ルレ山ニ興の雜言の句なり。餘の三句は。喜フレ |
Z08_0241A05: | 雨ヲ歌の句なり。初の句は平生の事。二の句は死後の |
Z08_0241A06: | 事。三四の句は冥途の事なり。●(三九三)此句は世路 |
Z08_0241A07: | をいとなむ有さまなり。蕩逸とは。散亂放逸の義なり。 |
Z08_0241A08: | 昏迷とは。くらくまよふなり。營ム二口腹ヲ一とは。食を求 |
Z08_0241A09: | るはかり事をなすなり。●(三九四)昔の人も死にさり。 |
Z08_0241A10: | 今の人も死にさり。燒ば灰となり。捨ば塵となるなり。 |
Z08_0241A11: | ●(三九五)上の句の。死去々々をうけてかくいふな |
Z08_0241A12: | り。或時は人天にむまれ。微樂にほこりてわらひ。或 |
Z08_0241A13: | 時は惡道におち。重苦にか〻りて哭なり。●(三九六) |
Z08_0241A14: | 是は畜生道の事なり。東に逐れてはうたれ。西へ逐れ |
Z08_0241A15: | てはうたる〻なり。是すなはち。愚癡放逸の報なる |
Z08_0241A16: | を。摠是由といふなり。又此昇沈すなはち生死の習と |
Z08_0241A17: | いふ心も有にや。●(三九七)我身にあて〻はづる心 |
Z08_0241A18: | なり。●(三九八)弘法大師の誡は。父の子うつ杖のご |
Z08_0241A19: | とし。●(三九九)いたき。杖。うち。皆ことばの緣なり。 |
Z08_0241A20: | 此杖におどろかぬ人は。後の生に東にうたれ。西にう |
Z08_0241B01: | たるべしとなり。●(四〇〇)うつらぬ下愚の心也。● |
Z08_0241B02: | (四〇一)咲テ又哭といふ詞を躡で云ひ給へり。後生の氣 |
Z08_0241B03: | 遣もせずうちわらふとも。●(四〇二)是は畜生など |
Z08_0241B04: | になりて。物にをはれ。東にをはれて打る〻事也。萬葉 |
Z08_0241B05: | に。曲々の字を書きて。とさまと訓ぜり。又は東行西行 |
Z08_0241B06: | とも云ふなり。須磨にも。此詞あり。●(四〇三)此生よ |
Z08_0241B07: | り未來をさす。●(四〇四)△上は畜生の事也。是より |
Z08_0241B08: | 下には地獄の事也。按ずるに。上より。身と心を。憂苦 |
Z08_0241B09: | の根元なりといひ〻ろめて爰にいたりて此釋を引 |
Z08_0241B10: | て。身心の過なる事の證據とす。胸は心也。眼は身に |
Z08_0241B11: | して。又根のはじめなり。是は善導大師の般舟讚の文 |
Z08_0241B12: | なり。●(四〇五)羅刹とは獄卒也。叉とは罪人をせむ |
Z08_0241B13: | る具なり。心とは罪人の胸なり。眼とは睛なり。刺と |
Z08_0241B14: | はさしとをす事なり。○羅刹。梵語なり。此には可畏と |
Z08_0241B15: | いふ。普門品ノ疏ニ云ク。羅刹ハ是レ食レ人ヲ鬼ナリ。爰にいふは |
Z08_0241B16: | 獄卒の羅刹也。その形をいは▲。般若論ニ云ク。獄卒ノ羅 |
Z08_0241B17: | 刹ハ。頭ノ黃ナルヿ如レ金ノ。眼ノ中ヨリ焰出ヅ。著シ二赭色ノ衣ヲ一。身皮 |
Z08_0241B18: | 堅硬ニM(シテ)。走ルヿ疾M(シテ)如シレ風ノ。手足長大ナリ。口ニ出二惡聲ヲ一。執テ二 |
Z08_0241B19: | 三股ノ刄ヲ一。守二-護ス獄門ヲ一。或ハ頭如レ牛ノ如ニM(シテ)レ馬ノ不レ定也。 |
Z08_0241B20: | 智論圖之。又五句章句經ニ云ク。獄卒ヲ名ク二阿傍ト一。牛頭人手ニM(シテ)。 |