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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0241A01: てはなし。前後をあはせて書きたるものなり。和漢の
Z08_0241A02: 書に此例おほし。○身の行末を。おもひもうけたりや
Z08_0241A03: といふより。冥途の事を引て示すなり。此四句の內。第
Z08_0241A04: 二の句は。入興の雜言の句なり。餘の三句は。喜
Z08_0241A05: 歌の句なり。初の句は平生の事。二の句は死後の
Z08_0241A06: 事。三四の句は冥途の事なり。●(三九三)此句は世路
Z08_0241A07: をいとなむ有さまなり。蕩逸とは。散亂放逸の義なり。
Z08_0241A08: 昏迷とは。くらくまよふなり。營口腹とは。食を求
Z08_0241A09: るはかり事をなすなり。●(三九四)昔の人も死にさり。
Z08_0241A10: 今の人も死にさり。燒ば灰となり。捨ば塵となるなり。
Z08_0241A11: ●(三九五)上の句の。死去々々をうけてかくいふな
Z08_0241A12: り。或時は人天にむまれ。微樂にほこりてわらひ。或
Z08_0241A13: 時は惡道におち。重苦にか〻りて(ナク)なり。●(三九六)
Z08_0241A14: 是は畜生道の事なり。東に逐れてはうたれ。西へ逐れ
Z08_0241A15: てはうたる〻なり。是すなはち。愚癡放逸の報なる
Z08_0241A16: を。摠是由といふなり。又此昇沈すなはち生死の習と
Z08_0241A17: いふ心も有にや。●(三九七)我身にあて〻はづる心
Z08_0241A18: なり。●(三九八)弘法大師の誡は。父の子うつ杖のご
Z08_0241A19: とし。●(三九九)いたき。杖。うち。皆ことばの緣なり。
Z08_0241A20: 此杖におどろかぬ人は。後の生に東にうたれ。西にう
Z08_0241B01: たるべしとなり。●(四〇〇)うつらぬ下愚の心也。●
Z08_0241B02: (四〇一)咲又哭といふ詞を躡で云ひ給へり。後生の氣
Z08_0241B03: 遣もせずうちわらふとも。●(四〇二)是は畜生など
Z08_0241B04: になりて。物にをはれ。東にをはれて打る〻事也。萬葉
Z08_0241B05: に。曲々の字を書きて。とさまと訓ぜり。又は東行西行
Z08_0241B06: とも云ふなり。須磨にも。此詞あり。●(四〇三)此生よ
Z08_0241B07: り未來をさす。●(四〇四)△上は畜生の事也。是より
Z08_0241B08: 下には地獄の事也。按ずるに。上より。身と心を。憂苦
Z08_0241B09: の根元なりといひ〻ろめて爰にいたりて此釋を引
Z08_0241B10: て。身心の過なる事の證據とす。胸は心也。眼は身に
Z08_0241B11: して。又根のはじめなり。是は善導大師の般舟讚の文
Z08_0241B12: なり。●(四〇五)羅刹とは獄卒也。叉とは罪人をせむ
Z08_0241B13: る具なり。心とは罪人の胸なり。眼とは睛なり。刺と
Z08_0241B14: はさしとをす事なり。○羅刹。梵語なり。此には可畏と
Z08_0241B15: いふ。普門品。羅刹ナリ。爰にいふは
Z08_0241B16: 獄卒の羅刹也。その形をいは▲。般若論。獄卒
Z08_0241B17: 。頭ナルヿ。眼ヨリ焰出。著赭色。身皮
Z08_0241B18: 堅硬ニM(シテ)。走ルヿM(シテ)。手足長大ナリ。口惡聲。執
Z08_0241B19: 三股。守-護獄門。或頭如ニM(シテ)定也。
Z08_0241B20: 智論圖之。又五句章句經。獄卒阿傍。牛頭人手ニM(シテ)

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