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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0240A01: ば。惡心もとよりもさかりになりて。いと▲人を殺害
Z08_0240A02: せりと。付法藏傳に出たり。屠邊とは。屠の字は。ほふ
Z08_0240A03: ると訓ず。牛馬をころし。肉をさく處を屠肆といふ。
Z08_0240A04: そのあたりを屠邊といへり。きさやとは。廐の字なり。
Z08_0240A05: 馬をつなぐ時は。馬やとよめども。𧰼をつなぐゆへ。き
Z08_0240A06: さやといふ也。𧰼の字を。順和名に。きさといへり。●
Z08_0240A07: (三七三)よもぎはゆがめるものなれども。すぐなる麻
Z08_0240A08: の中に生ずれば。やう〱直になる也。その如く。善緣
Z08_0240A09: にあへばよくなる也。智論。譬曲草。生レハ
Z08_0240A10: 麻中。不M(シテ)扶自。潘岳。曲蓬何(ツケテ)
Z08_0240A11: 藂麻。此心を家隆の歌に。しかりとてなをき心も
Z08_0240A12: 世にた〻す。ましるよもきのあさましの身や。●
Z08_0240A13: (三七四)要集。若不ンハスルコト。猶
Z08_0240A14: 。麻中蓬。屠邊廐。好惡由ニカ乎。
Z08_0240A15: ●(三七五、三七六)ほむる詞也。○ふかき山。かすかな
Z08_0240A16: る谷。人里とをき處也。●(三七七、三七八)處がらにて。
Z08_0240A17: ○無常又は心のなぐさみの事。●(三七九)增心也。源
Z08_0240A18: 氏に。ほめたてられて。あはれす〻みぬればとあり。●
Z08_0240A19: (三八〇)緣なり。●(三八一)顛倒をいさむる處ゆへ。此
Z08_0240A20: 事もしめすなり。●(三八二)名利にたちかへり。都に
Z08_0240B01: かへる也。若菜に。そむきにし世にたちかへりてと
Z08_0240B02: 有。作者の歌に。かへらしものよ墨ぞめの袖云云。●
Z08_0240B03: (三八三)名利をいとなむ有さまなり。日夕とは。あけ
Z08_0240B04: くれの事也。江文通雜體。日夕靑閣。註
Z08_0240B05: 。日夕朝夕也。書言故事。日夕
Z08_0240B06: 。●(三八四)韻瑞。營々往來貌。呂廷濟文選
Z08_0240B07: 。營々馳逐貌。名利を求てはしりまはる體な
Z08_0240B08: り。●(三八五)衣食の二にか〻りて。その身自由なら
Z08_0240B09: ぬを。籠にたとへていへり。●(三八六)名利を逐て東
Z08_0240B10: 西にはしるなり。とをき他國。ちかき朝市にいづるな
Z08_0240B11: り。●(三八七)名利におち入ぬれば。出がたき事。ふか
Z08_0240B12: き坑のごとし。墮はおつるなり。本に墜の字なり。○右
Z08_0240B13: は弘法大師の語を用ひ給へり。祕藏寶鑰。營々トM(シテ)
Z08_0240B14: 日夕繫衣食之獄。趂-逐ツテ遠近名利之坑。●
Z08_0240B15: (三八八)はじめより心なき人。●(三八九)みづから省
Z08_0240B16: みるはよし。何の氣もつかぬ人は。●(三九〇)未來の生
Z08_0240B17: れ處なり。古德云。前路茫々トM(シテ)ナルコトヲ。●
Z08_0240B18: (三九一)此身はいまに墓原にすつべし。神の落付どこ
Z08_0240B19: ろは支度し置たりや。●(三九二)是も弘法大師をさ
Z08_0240B20: して古德と申なり。此語は性靈集にあり。如此つ▲き

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