浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0239A01: | 是心ヲシテ得中自在ヲ上。●(三五四、三五五)いろ〱望のおこ |
Z08_0239A02: | る心也。○菩提心論ニ云ク。妄心若シ起ラハ。知テ而莫レレ隨フヿ。 |
Z08_0239A03: | ●(三五六、三五七)何の用にた〻ぬ事におもふ也。○此樣 |
Z08_0239A04: | にして。●(三五八)いづくへ。いかやうに行めぐると |
Z08_0239A05: | も。●(三五九)流浪する事也。日本紀。流離の字を訓 |
Z08_0239A06: | す。江匡房の歌に。さすらふか身はさためたる方もな |
Z08_0239A07: | し。うきたか舟の波にまかせて。●(三六〇)心の根ざ |
Z08_0239A08: | したえぬれば。末のわづらひはあるべくもなし。是よ |
Z08_0239A09: | り下には。一旦名利を捨たりとも。心は緣に引れてう |
Z08_0239A10: | つるものなれば。なを〱。とをく世をたちさりて。よ |
Z08_0239A11: | き事をしめす也。●(三六一)是は聖人などの上の事な |
Z08_0239A12: | り。凡夫は是を學びがたし。ひとへに世をもてはなれ |
Z08_0239A13: | ず。俗に混じて塵にけがれず。●(三六二)浮雲の風に |
Z08_0239A14: | なびくがごとく。無著にしてふるまふなり。●(三六三) |
Z08_0239A15: | 水の器に隨て。方圓なるがごとく。無心にして物に應 |
Z08_0239A16: | ずる也。○此は樂天の語を用ひ給へり。然に初の句は。 |
Z08_0239A17: | 其身を雲にすと有べき事也。按ずるに。對句の爲なる |
Z08_0239A18: | べし。前に世の字ふたつ有ゆへ。心の字を二にして對 |
Z08_0239A19: | し給へるならん。文集六十九碑銘序ニ云ク。若有ンレ人。 |
Z08_0239A20: | 與モニレ群ト動テ處シ二一代ノ間ニ一。彼ハ爲シレ彼ヲ。我ハ爲スレ我ラ。不二 |
Z08_0239B01: | 自ラ潔トセ一。不二自汙レ一。不二巢許ニモ一。不二伊呂ニモ一。水ニシ二其心ヲ一。 |
Z08_0239B02: | 雲ニス二其身ヲ一。浮沈消息。無キハ三往クトM(シテ)而不二自得セ一者。非二達 |
Z08_0239B03: | 人ニ一乎。この文を引て。後光明峰寺攝政。身をは雲こ〻 |
Z08_0239B04: | ろは水になしつれは。世をも人をもうらみさりけり。 |
Z08_0239B05: | ●(三六四)王康琚カ詩ニ云ク。小隱ハ隱レ二陵藪ニ一。大隱ハ隱ル二 |
Z08_0239B06: | 朝市ニ一。伯夷竄シ二首陽ニ一。老聃伏ス二柱史ニ一。續給遺。圓經の歌 |
Z08_0239B07: | に。世をいとふ心はさてもすきぬへし。かならす山の |
Z08_0239B08: | 奧ならすとも。●(三六五、三六六)評の詞也。○心にさ |
Z08_0239B09: | とりある人也。●(三六七、三六八、三六九)おこなふ事也。 |
Z08_0239B10: | 行迹の字也。○日本紀に行の字也。○鈍の字なり。か |
Z08_0239B11: | しこからぬなり。●(三七〇、三七一)朝市にありて名利 |
Z08_0239B12: | の塵緣にあふなり。○いかさま凡夫なれば。●(三七二) |
Z08_0239B13: | 是は往生要集を引き給へり。心は緣に引れて。善惡に |
Z08_0239B14: | うつるといふ現證也。むかし。華氏國の王に。しろき𧰼 |
Z08_0239B15: | あり。罪をおかす者あれば。此𧰼をかくるに。害せず |
Z08_0239B16: | といふ事なし。ある時。火事ありて𧰼をつなぐ處やけ |
Z08_0239B17: | ぬ。かの𧰼をうつして寺の邊にをくに。僧の經をよむ |
Z08_0239B18: | を聞しほどに。𧰼の心いつしか柔になりて。罪人にか |
Z08_0239B19: | くれども。舌をもて舐て。つや〱ころす心なし。そ |
Z08_0239B20: | の後また。牛馬などを切り割くあたりへうつしたれ |