浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0238A01: | 也。○あなどる也。●(三四〇)我身にきずをつけし世 |
Z08_0238A02: | に。そしられぬやうにとおもふ心は。やがて名聞な |
Z08_0238A03: | り。●(三四一)勸心往生論に。有しやうに閻魔の呵責。 |
Z08_0238A04: | 獄卒の杖をうけん時。賢聖冥衆のみるところ。大なる |
Z08_0238A05: | 恥にあらずや。●(三四二)此世をすつるといへば。損 |
Z08_0238A06: | をするに似たれども。未來の樂をおもへば。大なる得 |
Z08_0238A07: | なり。さればすつるといふもすてぬゆへなり。此世を |
Z08_0238A08: | すてぬは。未來をすつる也。解脫上人云ク。實ニ欲ハレ念ント二 |
Z08_0238A09: | 此身ヲ一。勿レレ念ヿフ二此身ヲ一。早ク捨テ二此ノ身ヲ一。以助ヨ二此身ヲ一。詞 |
Z08_0238A10: | 花集。よみ人しらず。身をすつる人はまことにすつる |
Z08_0238A11: | かは。すてぬ人こそすつるなりけれ。玉葉集ニ。西行。お |
Z08_0238A12: | しむとておしまれぬへき此世かは。身をすて〻こそ |
Z08_0238A13: | 身をもたすけめ。●(三四三)此身をすてぬは。此世ば |
Z08_0238A14: | かりのたのしみ也。世をすつる人は。此世もひまにて |
Z08_0238A15: | 心やすく。後の世にまた大なるたのしみあり。はたと |
Z08_0238A16: | は又也。○此處は源氏を用ひ給へり。柳の卷に。此世も |
Z08_0238A17: | つれ〲ならず。後の世はた。たのもしげなりと有。● |
Z08_0238A18: | (三四四)これは空也上人の一言也。千觀內供。ある時四 |
Z08_0238A19: | 條河原にて。空也上人にあひ給ひて。いかにしてか後 |
Z08_0238A20: | 世たすかる事は。仕るべきと〻ひ給ひけるに。いかに |
Z08_0238B01: | も身を捨てこそ。とばかりいひて行き過ぎ給ひにけ |
Z08_0238B02: | り。くはしく蓮胤の發心集に有。ひろくまなびても。つ |
Z08_0238B03: | ▲まやかにしる事なれば要なし。古德。一言芳談をあ |
Z08_0238B04: | つめられしも。心あるしはざなるべし。法句經ニ云ク。雖二 |
Z08_0238B05: | 多ク誦スト一レ經ヲ。不ンハレ解セ何ノ益ソ。解ス𪜈二一ノ法句ヲ一。行セハ可レ |
Z08_0238B06: | 得レ道ヲ。●(三四五)右の空也上人の詞をいへり。摠じて |
Z08_0238B07: | 世を捨といふがよき事ぞとなり。●(三四六)まことの |
Z08_0238B08: | 道は菩提也。のりとは道の緣語也。●(三四七)たれも。 |
Z08_0238B09: | 空也千觀の跡はまなびがたし。●(三四八)新古今。荒 |
Z08_0238B10: | 木田長延。つくつくとをもへはやすき世の中を。心 |
Z08_0238B11: | となけく我身なりけり。向師の歌に。をなし世を心ひ |
Z08_0238B12: | とつにすみかへて。すつれはやすきわか身なりけり。 |
Z08_0238B13: | ●(三四九、三五〇)すてじとするゆへ也。○右段々の所詮 |
Z08_0238B14: | 也。●(三五一)心を根として名利のわづらひおこる也。 |
Z08_0238B15: | 經ニ云ク。心ヲ爲二悅ノ端ト一。又云。心ハ爲二人毒ノ本一。●(三五二) |
Z08_0238B16: | 愚人の境をすてんとするは。犬の塊を逐ふに似たり。 |
Z08_0238B17: | 智者の心をすつるは。獅子の人を逐ふがごとし。續古 |
Z08_0238B18: | 今。隆衡。奧山に身をはのかれぬあはれ又。心をすつる |
Z08_0238B19: | 道をしらはや。●(三五三)心の師となりて。惡念を取立 |
Z08_0238B20: | てぬ事なり。寶雲經ニ云ク。心相ハ是レ大患之本ナリ。不レレ令三 |