浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0237A01: | 非人乞食とて。いやしきものをいふ。昔非人法師と |
Z08_0237A02: | て。世すて人の事を。いやしきものにいへり。金剛寶 |
Z08_0237A03: | 戒章にも此問答あり。近來遁世の人を。非人と號する。 |
Z08_0237A04: | 努おそれ忌べき名なりとぞ。明眼論ノ鈔ニ云ク。國俗最 |
Z08_0237A05: | 劣。廝下不ルヲ二爲ニレ人ノ齒セ一。名テ曰二非人ト一。又莊子に。木人 |
Z08_0237A06: | を非人といふ事あり。●(三一九)前に對していやしむ |
Z08_0237A07: | る心なり。●(三二〇)あたら身をひとつ捨たり。おし |
Z08_0237A08: | き事ぞと。もどかしがるなり。●(三二一)此おかしき |
Z08_0237A09: | は。あざけりわらふ詞なり。ゑいざまとは。煩惱の酒に |
Z08_0237A10: | 醉ひたる有さまなり。後の世をねがはぬ人こそ。あた |
Z08_0237A11: | ら事なる佛の道にいる人を。いたづら事とおもふは。 |
Z08_0237A12: | あまりなる醉狂なり。資持記ニ云ク。醉トハ謂二昏迷ヲ一。祕鍵ニ |
Z08_0237A13: | 云ク。哀ナル哉哀ナル哉。長眠ノ子。苦ヒ哉苦ヒ哉。狂醉ノ人。痛 |
Z08_0237A14: | 狂ハ咲ヒレ不ルヲレ醉ハ。酷睡ハ嘲ル二覺者ヲ一。●(三二二)不知の字 |
Z08_0237A15: | をいざと訓ず。何と有か心得ぬとなり。●(三二三)もど |
Z08_0237A16: | く人こそ非人なれ。非人とは。四惡趣などの事なり。名 |
Z08_0237A17: | 利に溺れたる人。地獄。餓鬼。畜生の心あり。●(三二四) |
Z08_0237A18: | 名利につながれて。世にあるは恥なり。●(三二五)世 |
Z08_0237A19: | 間にか〻る事なり。常夏に。此詞あり。河海に。ふれば |
Z08_0237A20: | ひは觸也。はひは詞の助なり。●(三二六、三二七、三二八)あ |
Z08_0237B01: | なといふ詞なり。○後生の營なく。一生を過すはいた |
Z08_0237B02: | づらなり。○あつぱれの心。あわれむ心。●(三二九)小 |
Z08_0237B03: | 利なり。●(三三〇)大損なり。古詩ニ云フ。人生レテ不レ滿レ |
Z08_0237B04: | 百ニ。常ニ懷ク二千歲ノ憂ヲ一。●(三三一、三三二、三三三)はやく |
Z08_0237B05: | 世を捨たる心なり。頓切日本紀點。○すてよとおもふな |
Z08_0237B06: | り。○さうしてこそ。●(三三四)世にのぞみなければ。 |
Z08_0237B07: | 歡もなく。憂もなし。是人間の樂なるべし。つれ〲に |
Z08_0237B08: | 云。人と生れたらんしるしには。いかにもして世をの |
Z08_0237B09: | がれん事こそあらまほしけれ。ひとへにむさぼる事 |
Z08_0237B10: | をつとめて。菩提に趣むかざらんは。萬の畜類にかは |
Z08_0237B11: | るところ有まじくや。●(三三五)源氏に。人のもどき |
Z08_0237B12: | をおはんとすると有。世上のそしりの事也。●(三三六) |
Z08_0237B13: | 狹衣に。なじかはくるしと思ひさふらはんと有。愚人 |
Z08_0237B14: | の笑を聞て。なにしに少しも心にかけめや。●(三三七) |
Z08_0237B15: | 我も人も。つゐには野山にすつる身也。そしらる〻と |
Z08_0237B16: | も。しやれかうべのいたむ事もなき也。ほめらる〻と |
Z08_0237B17: | ても。白骨のうるほふ事もあるまじ。樂天云。莫下笑テ二賤 |
Z08_0237B18: | 貧ヲ一誇ルヿ中富貴ニ上。共ニ成二枯骨ト一兩ラ如何。列子ニ云ク。矜テ二 |
Z08_0237B19: | 一時之毁譽ニ一。以焦二-苦シ其ノ神形ヲ一。要ス二死後數百年中ノ |
Z08_0237B20: | 餘名ヲ一。豈足レ潤スニ二枯骨ヲ一。●(三三八、三三九)此身の事 |