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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0237A01: 非人乞食とて。いやしきものをいふ。昔非人法師と
Z08_0237A02: て。世すて人の事を。いやしきものにいへり。金剛寶
Z08_0237A03: 戒章にも此問答あり。近來遁世の人を。非人と號する。
Z08_0237A04: (ユメユメ)おそれ忌べき名なりとぞ。明眼論。國俗最
Z08_0237A05: 劣。廝下不ルヲ。名非人。又莊子に。木人
Z08_0237A06: を非人といふ事あり。●(三一九)前に對していやしむ
Z08_0237A07: る心なり。●(三二〇)あたら身をひとつ捨たり。おし
Z08_0237A08: き事ぞと。もどかしがるなり。●(三二一)此おかしき
Z08_0237A09: は。あざけりわらふ詞なり。ゑいざまとは。煩惱の酒に
Z08_0237A10: 醉ひたる有さまなり。後の世をねがはぬ人こそ。あた
Z08_0237A11: ら事なる佛の道にいる人を。いたづら事とおもふは。
Z08_0237A12: あまりなる醉狂なり。資持記。醉トハ昏迷。祕鍵
Z08_0237A13: 。哀ナル哉哀ナル哉。長眠子。苦哉苦哉。狂醉人。痛
Z08_0237A14: ルヲ。酷睡覺者。●(三二二)不知の字
Z08_0237A15: をいざと訓ず。何と有か心得ぬとなり。●(三二三)もど
Z08_0237A16: く人こそ非人なれ。非人とは。四惡趣などの事なり。名
Z08_0237A17: 利に溺れたる人。地獄。餓鬼。畜生の心あり。●(三二四)
Z08_0237A18: 名利につながれて。世にあるは恥なり。●(三二五)世
Z08_0237A19: 間にか〻る事なり。常夏に。此詞あり。河海に。ふれば
Z08_0237A20: ひは觸也。はひは詞の助なり。●(三二六、三二七、三二八)あ
Z08_0237B01: なといふ詞なり。○後生の營なく。一生を過すはいた
Z08_0237B02: づらなり。○あつぱれの心。あわれむ心。●(三二九)小
Z08_0237B03: 利なり。●(三三〇)大損なり。古詩。人生レテ滿
Z08_0237B04: 。常千歲。●(三三一、三三二、三三三)はやく
Z08_0237B05: 世を捨たる心なり。頓切日本紀點。○すてよとおもふな
Z08_0237B06: り。○さうしてこそ。●(三三四)世にのぞみなければ。
Z08_0237B07: 歡もなく。憂もなし。是人間の樂なるべし。つれ〲に
Z08_0237B08: 云。人と生れたらんしるしには。いかにもして世をの
Z08_0237B09: がれん事こそあらまほしけれ。ひとへにむさぼる事
Z08_0237B10: をつとめて。菩提に趣むかざらんは。萬の畜類にかは
Z08_0237B11: るところ有まじくや。●(三三五)源氏に。人のもどき
Z08_0237B12: をおはんとすると有。世上のそしりの事也。●(三三六)
Z08_0237B13: 狹衣に。なじかはくるしと思ひさふらはんと有。愚人
Z08_0237B14: の笑を聞て。なにしに少しも心にかけめや。●(三三七)
Z08_0237B15: 我も人も。つゐには野山にすつる身也。そしらる〻と
Z08_0237B16: も。しやれかうべのいたむ事もなき也。ほめらる〻と
Z08_0237B17: ても。白骨のうるほふ事もあるまじ。樂天云。莫
Z08_0237B18: ルヿ富貴。共枯骨如何。列子。矜
Z08_0237B19: 一時之毁譽。以焦-苦神形。要死後數百年中
Z08_0237B20: 餘名。豈足スニ枯骨。●(三三八、三三九)此身の事

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