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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0235A01: たのしみとす。一年の內に心よくたのしむ事は。わず
Z08_0235A02: かの間也。實に小利大損なり。●(二七〇、二七一、二七二)
Z08_0235A03: 愚癡の思案。○可笑なり。○まして。●(二七三)流布の
Z08_0235A04: 本に。はの字なし。當寺の藏本にあり。下の句に。有が
Z08_0235A05: まことのたのしみ。といふに對してよし。●(二七四)名
Z08_0235A06: 利を求むるほど憂有。なければ憂はかろくなるなり。
Z08_0235A07: ●(二七五)例の顛倒なり。かの癰を洗て樂とし。疥を煮
Z08_0235A08: て。悅ぶに似たり。定善義。雖。然是大
Z08_0235A09: ナリ。畢竟無一念眞實。●(二七六)なにの益もな
Z08_0235A10: き苦勞なり。前には小利といひ。爰には無利といふ。與
Z08_0235A11: 奪也。無性。無利勤苦尙能タリ。●(二七七)酒
Z08_0235A12: にゑひて物にくるふがごとし。是顛倒にたとへたり。
Z08_0235A13: 苦を樂とおもふは狂なり。五欲にふけるは。酒に醉ふ
Z08_0235A14: がごとし。大莊嚴論に。名利の二醉を說きたまへり。寶
Z08_0235A15: 。凡夫狂醉M(シテ)。不吾非。●(二七八)顛倒の甚
Z08_0235A16: をいとふべし。●(二七九)是は上をうけて大苦の中の
Z08_0235A17: 小苦をたのしむにたとへたり。坐禪三昧經。以
Z08_0235A18: 。新苦。如ユルカ一レ。●(二八
Z08_0235A19: 〇)はじめは小欲にして憂かろし。又無欲なれば憂な
Z08_0235A20: がくなし。●(二八一)名利すなはち重擔也。文殊問經
Z08_0235B01: 。在家者有重擔。出家者捨重擔。篇海。背
Z08_0235B02: 。荷。●(二八二)名利をむさぼるゆへを問
Z08_0235B03: 答する也。●(二八三、二八四、二八五)そのやうに。○是ほ
Z08_0235B04: ど苦をして。○堪忍して。●(二八六、二八七)新後拾遺
Z08_0235B05: に。はかなくもさていくほとのおもひてに。かへてい
Z08_0235B06: とはぬうき世なるらん。○是は答也。●(二八八)楞嚴
Z08_0235B07: 。是人心狂。更。若有所因。云何ンカ
Z08_0235B08: 云云。●(二八九)まきばしらに。ひたおもむきにす
Z08_0235B09: すみまへると有。かたむきにといふ心也。●(二九〇)
Z08_0235B10: 以下は名を求る事をいさめたり。○天竺。大唐にくら
Z08_0235B11: ぶるに。こ〻は小國なり。天竺を中國とすれば。こ〻
Z08_0235B12: は邊土なり。●(二九一)止觀。振旦邊地。小國末
Z08_0235B13: 。言邊地者。望レハ五天。此也云云。●
Z08_0235B14: (二九二)按ずるに。是より下は。密嚴上人の語を用ゐ
Z08_0235B15: たり。其。設自帝タランニ。況ヘテ
Z08_0235B16: センヤ。天仙彈シメ。聖賢割シム已上類藏。河海。
Z08_0235B17: 妻鏡等にも是を引たり。●(二九三)許由が俗たりし。
Z08_0235B18: なを耳を洗て寶位をいとひぬ。●(二九四)是は大經の
Z08_0235B19: 文による。轉輪王と申は。此世の始に出給ふ聖の王な
Z08_0235B20: り。命ながく。心かしこし。三十二相ありて。七の寶を

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