浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0235A01: | たのしみとす。一年の內に心よくたのしむ事は。わず |
Z08_0235A02: | かの間也。實に小利大損なり。●(二七〇、二七一、二七二) |
Z08_0235A03: | 愚癡の思案。○可笑なり。○まして。●(二七三)流布の |
Z08_0235A04: | 本に。はの字なし。當寺の藏本にあり。下の句に。有が |
Z08_0235A05: | まことのたのしみ。といふに對してよし。●(二七四)名 |
Z08_0235A06: | 利を求むるほど憂有。なければ憂はかろくなるなり。 |
Z08_0235A07: | ●(二七五)例の顛倒なり。かの癰を洗て樂とし。疥を煮 |
Z08_0235A08: | て。悅ぶに似たり。定善義ニ云ク。雖レ言ト二是ヲ樂ト一。然是大 |
Z08_0235A09: | 苦ナリ。畢竟無レ有二一念眞實ノ樂一。●(二七六)なにの益もな |
Z08_0235A10: | き苦勞なり。前には小利といひ。爰には無利といふ。與 |
Z08_0235A11: | 奪也。無性ノ頌ニ云ク。無利ノ勤苦尙能ク超タリ。●(二七七)酒 |
Z08_0235A12: | にゑひて物にくるふがごとし。是顛倒にたとへたり。 |
Z08_0235A13: | 苦を樂とおもふは狂なり。五欲にふけるは。酒に醉ふ |
Z08_0235A14: | がごとし。大莊嚴論に。名利の二醉を說きたまへり。寶 |
Z08_0235A15: | 鑰ニ云ク。凡夫ハ狂醉M(シテ)。不レ悟ラ二吾非ヲ一。●(二七八)顛倒の甚 |
Z08_0235A16: | をいとふべし。●(二七九)是は上をうけて大苦の中の |
Z08_0235A17: | 小苦をたのしむにたとへたり。坐禪三昧經ニ云ク。以二故 |
Z08_0235A18: | 苦ヲ一爲レ苦ト。新苦ヲ爲レ樂ト。如二擔テレ重ヲ易ユルカ一レ肩ヲ。●(二八 |
Z08_0235A19: | 〇)はじめは小欲にして憂かろし。又無欲なれば憂な |
Z08_0235A20: | がくなし。●(二八一)名利すなはち重擔也。文殊問經ニ |
Z08_0235B01: | 云ク。在家ハ者有シ二重擔一。出家ハ者捨ツ二重擔ヲ一。篇海ニ云ク。背ヲ |
Z08_0235B02: | 曰レ負ト。荷ヲ曰レ擔ト。●(二八二)名利をむさぼるゆへを問 |
Z08_0235B03: | 答する也。●(二八三、二八四、二八五)そのやうに。○是ほ |
Z08_0235B04: | ど苦をして。○堪忍して。●(二八六、二八七)新後拾遺 |
Z08_0235B05: | に。はかなくもさていくほとのおもひてに。かへてい |
Z08_0235B06: | とはぬうき世なるらん。○是は答也。●(二八八)楞嚴ニ |
Z08_0235B07: | 云ク。是ノ人心狂ス。更ニ無シ二他ノ故一。若有二所因一。云何ンカ名〓レ |
Z08_0235B08: | 妄ト云云。●(二八九)まきばしらに。ひたおもむきにす |
Z08_0235B09: | すみまへると有。かたむきにといふ心也。●(二九〇) |
Z08_0235B10: | 以下は名を求る事をいさめたり。○天竺。大唐にくら |
Z08_0235B11: | ぶるに。こ〻は小國なり。天竺を中國とすれば。こ〻 |
Z08_0235B12: | は邊土なり。●(二九一)止觀ニ云ク。振旦邊地。小國末ニ |
Z08_0235B13: | 云ク。言二邊地ト一者。望レハ二彼ノ五天ニ一。此ハ居スレ邊ニ也云云。● |
Z08_0235B14: | (二九二)按ずるに。是より下は。密嚴上人の語を用ゐ |
Z08_0235B15: | たり。其ノ語ニ云ク。設ヒ自帝タランニ何ノ益ソ。況ヤ仕ヘテレ彼ニ慢 |
Z08_0235B16: | 擧センヤ。天仙彈テレ指ヲ耻シメ。聖賢割テレ心ヲ悲シム。已上類藏。河海。 |
Z08_0235B17: | 妻鏡等にも是を引たり。●(二九三)許由が俗たりし。 |
Z08_0235B18: | なを耳を洗て寶位をいとひぬ。●(二九四)是は大經の |
Z08_0235B19: | 文による。轉輪王と申は。此世の始に出給ふ聖の王な |
Z08_0235B20: | り。命ながく。心かしこし。三十二相ありて。七の寶を |