浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0234A01: | うつ衣哉。是も心にかなはぬ事なり。○以上に身のく |
Z08_0234A02: | るしみをいひて。此句にて結べり。以下は心の憂を述 |
Z08_0234A03: | るなり。上の句に要なき心といひて。次の心の憂につ |
Z08_0234A04: | づけて云ひ給へり。●(二四〇)右の足ることをしらず。 |
Z08_0234A05: | 身をくるしむる事は。心よりおこるなり。●(二四一)向 |
Z08_0234A06: | に此四惑を擧たり。今爰に標し記す。●(二四二)我心に |
Z08_0234A07: | したがふものを愛する。是貪なり。●(二四三)我氣にち |
Z08_0234A08: | がへば。いかる是瞋なり。●(二四四、二四五、二四六)標也。 |
Z08_0234A09: | ○是は癡也。○是は慢たり。●(二四七)右の四の心よ |
Z08_0234A10: | り。色々の煩惱をおこす也。智論ニ云ク。能ク令二心ヲM(シテ)煩シ |
Z08_0234A11: | 作一レ惱ヲ。故ニ名テ二煩惱ト一。●(二四八)堪忍しかねて也。● |
Z08_0234A12: | (二四九)續古今に。平ノ泰時。世を海のあまの小舟のつ |
Z08_0234A13: | かね繩。こ〻ろの引に身をなまかせそ。●(二五〇)爰 |
Z08_0234A14: | に名利といひ出して。次にいひひろむる也。そのこと |
Z08_0234A15: | は園觀とて。心にこのみ出る處也。●(二五一、二五二)す |
Z08_0234A16: | でにと云心。經ニ云ク。心ヲ爲二惱ノ端ト一。文選ニ云ク。彌起ス二 |
Z08_0234A17: | 長キ恨ノ端ヲ一。字書ニ云ク。端ハ始也。●(二五三)名利の望。む |
Z08_0234A18: | ねをこがしてやむ事なし。普門品ニ云ク。滅ス二諸ノ煩惱ノ |
Z08_0234A19: | 焰ヲ一。此文の詞なり。●(二五四)朝は朝廷なり。周禮ノ註ニ |
Z08_0234A20: | 云ク。朝ハ猶レ朝ノ也。欲二其來ルコト之早ヲ一也。名を求むるも |
Z08_0234B01: | のは。內裏につかへて官位を爭ふなり。○張儀カ云ク。 |
Z08_0234B02: | 爭レ名者ハ於テシレ朝ニ。爭レ利ヲ者ハ於スレ市ニ。●(二五五)大經ニ |
Z08_0234B03: | 云ク。爲ニレ心ノ走使便セラレテ。無レ有ルコト二安キ時一。●(二五六)廣弘 |
Z08_0234B04: | 明集ニ云ク。不M(シテ)レ思二形神之疲勞ヲ一。而重ス二口腹之快利ヲ一。寒 |
Z08_0234B05: | 山ノ詩ニ云ク。心神用ヒ盡M(シテ)爲ニシ二名利ノ一。百種ニ貪婪M(シテ)進ム二 |
Z08_0234B06: | 己カ軀ヲ一。●(二五七、二五八、二五九、二六〇、二六一、二六二)是 |
Z08_0234B07: | より後の。○記敢の字なり。か〻れぬとなり。○摠じ |
Z08_0234B08: | てなり。○さても也。○萬の事なり。○轉の字の心也。 |
Z08_0234B09: | ●(二六三)槇柱に。さも心にかなはぬ世とうちずして |
Z08_0234B10: | と有。古歌に。芹つみしむかしの人もわかことや。心 |
Z08_0234B11: | に物のかなはさりけん。奧義抄に詳なり。●(二六四)大 |
Z08_0234B12: | 經ニ云ク。適有レハレ一復少キレ一ヲ。有レハレ是少クレ是ヲ。思レ有ンヿヲ二 |
Z08_0234B13: | 齊等一。適欲レハ二具ニ有ント一。便復糜散ス。又云。有レハ田憂ヘレ |
Z08_0234B14: | 田ヲ。有レハレ宅憂フレ宅ヲ。●(二六五)歸元直指ニ云ク。富貴ノ |
Z08_0234B15: | 者ハ。恐レテレ所ヲレ失フ而憂フ。貧窮ノ者ハ。欲M(シテ)レ所ヲレ得ル而憂フ。 |
Z08_0234B16: | ●(二六六、二六七、二六八)寶をわが物にせんとおもひ求 |
Z08_0234B17: | むるなり。○わが物にしをほせての後也。○もとめが |
Z08_0234B18: | たく。うしなひやすければ也。●(二六九)氷をしのぎ。 |
Z08_0234B19: | 汗をのごひて。心をつかひ。身をくるしめ。此世をいと |
Z08_0234B20: | なみいだして妻子をやしなひ。飮食をむさぼり。是を |