浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0233A01: | の苦をかさねて也。●(二二六)衣食の苦の。のがれがた |
Z08_0233A02: | き事をいひて。先づ一段を結ぶ也。●(二二七)雲を身に |
Z08_0233A03: | 著ること也。仙人のごどく雲を著物とせば。衣の苦も |
Z08_0233A04: | あるまじきと也。文選ニ云ク。雲裝信ニ解レ黻ヲ註ニ云ク。雲 |
Z08_0233A05: | 裝ハ。仙人以二雲霓ヲ一爲レ裳ト也。又熊孺登カ詩ニ云ク。來ル時 |
Z08_0233A06: | 玉女裁二春服ヲ一。剪二-破湘山幾片雲ヲ一。●(二二八)風をのむ |
Z08_0233A07: | 事也。仙人のごとく風を飮て命をつながば。食をもと |
Z08_0233A08: | むる累はあらじと也。すきてとは。食の字也。のみいる |
Z08_0233A09: | こと也。あげまきに。松の葉をすきてと有。莊子ニ云ク。藐 |
Z08_0233A10: | 姑射之山ニ有リ二神人一。不レ食二五穀ヲ一。吸ヒレ風ヲ飮ムレ露ヲ。列子 |
Z08_0233A11: | にも此事有。●(二二九)衣食につかはれて。しづかなる |
Z08_0233A12: | いとまなく。一生を雜事の小節にくるしむこそおろ |
Z08_0233A13: | かなれ。たうれふすとはたをれふすなり。●(二三〇)是 |
Z08_0233A14: | は心からの苦のをもる事を云ふ。●(二三一)衣食の二 |
Z08_0233A15: | なり。●(二三二)字は子思。魯國に生て。孔子の門人な |
Z08_0233A16: | り。淸貧にしてつ▲りを著たること。樂天の句に見ゆ。 |
Z08_0233A17: | ●(二三三)百結と書て。も〻つ▲りとよむなり。いくつ |
Z08_0233A18: | もつぎあつめたる衣裳の事なり。逸士傳ニ云ク。晉ノ董 |
Z08_0233A19: | 京在テ二洛陽ニ一。隱二-居ス白社ニ一。以テ二殘絮縷帛ヲ一爲レ衣ト。號二百 |
Z08_0233A20: | 結衣ト一。杜甫が詩に。妻子ハ衣百結と有もこれなり。● |
Z08_0233B01: | (二三四)孔子の弟子顏淵なり。亞聖といはれて心かし |
Z08_0233B02: | こく。才すぐれたりしかども。身まづしき事類なかり |
Z08_0233B03: | けり。●(二三五)一瓢と書くなり。瓢はなりひさごなり。 |
Z08_0233B04: | 用て水をくむ物なり。顏回まづしくして。食物はMに |
Z08_0233B05: | ひとつ。飮物は瓢にひとつのみ有けり。孔子此人をほ |
Z08_0233B06: | めて。一瓢の飮。一簞の食には過ずして。陋巷にあれど |
Z08_0233B07: | もその樂を改ずと。の給ひし事論語にあり。○右の原 |
Z08_0233B08: | 憲より下は。樂天の句を用ひ給へり。文集第五ニ云ク。原 |
Z08_0233B09: | 生ハ衣百結。顏子ハ食一簞ト。すべて如此に本文をふくみ |
Z08_0233B10: | たる處おほし。猶かんがへ見るべし。●(二三六)それに |
Z08_0233B11: | て不足なきなり。兼好云。紙の衾。あさの衣。一鉢のま |
Z08_0233B12: | うけ。あかざのあつもの。いくばくか人の費をなさん。 |
Z08_0233B13: | 求むるもやすく。其心はやくたりぬべし。●(二三七) |
Z08_0233B14: | をのが身の分に過てこのむなり。●(二三八)以テレ一ヲ |
Z08_0233B15: | 管スルヲレ衆ヲ爲レ要ト。孝經註疏道をもて處るときは。その衣を |
Z08_0233B16: | 草にし。その食を木にしても晏然として自得すべし。 |
Z08_0233B17: | 道なきゆへに足ることをしらぬなり。●(二三九)おも |
Z08_0233B18: | ふやうになき事なり。足ることをしらぬ人は。何をし |
Z08_0233B19: | ても。おもふやうになきものなり。定家卿の歌に。秋 |
Z08_0233B20: | とたにわすれんとおもふ月かけを。さもあやにくに |