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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0232A01: にたて。たのむかげなくなりはて〻は。とく。しなざり
Z08_0232A02: し事をうらむ。小侍從が歌に。をもひやれ八十の歲の
Z08_0232A03: 暮なれは。いかはかりかは物はかなしき。●(二一〇)な
Z08_0232A04: げきつ〻ことしもくれぬ露の命。いけるはかりをお
Z08_0232A05: もひてにしてとよめり。○前には生老病死と標し。爰
Z08_0232A06: には生死病ぞと列ねたり。病老は人みな知ることな
Z08_0232A07: ればなり。●(二一一)是も顛倒也。南山律師。凡夫
Z08_0232A08: 大苦。これ前の四苦をむすぶ言葉なり。
Z08_0232A09: ●(二一二)生苦は覺へず。老苦は忘れがち也。病死の
Z08_0232A10: 二苦は。人皆おそる〻也。○按ずるに。上は四苦をあか
Z08_0232A11: す。下は求不得苦をしるす。上は內苦。下は外苦也。智
Z08_0232A12: 。內苦生老病等。外苦刀杖寒熱飢渴
Z08_0232A13: 。●(二一三)衣は身にきるもの。風は口にくう物な
Z08_0232A14: り。こ▲えても死し。飢ても死するなり。いのちをさ〻
Z08_0232A15: ゆるとは。命をつなぐ事也。支の字なり。無常偈にも。衣
Z08_0232A16: 身命と有。●(二一四)澄憲。爲衣食
Z08_0232A17: 百種功勞。造十惡重罪。●(二一五)夏冬の事也。夏
Z08_0232A18: は涼しからん事をおもひ。冬は暖かならん事をねが
Z08_0232A19: ふ也。涼字書。輕寒。燠爾雅。於
Z08_0232A20: 六切。煖也。唐裴度。燠舘涼臺と有も。冬夏の居處
Z08_0232B01: 也。古詩。涼燠二回鄕外夢。●(二一六)春秋を送て
Z08_0232B02: は。夏冬を迎る也。●(二一七)按ずるに。此句と下の口
Z08_0232B03: の中の食といふは。樂天の句を用ひたまふ也。文集
Z08_0232B04: 。身衣。口食。●(二一八)四季に隨て衣を
Z08_0232B05: 更るなり。●(二一九)野山大師。營朝夕。勞
Z08_0232B06: 夏冬。●(二二〇)是は身の衣より起る。●(二二一)綿
Z08_0232B07: をつむぎ。麻をうむ事也。●(二二二)艱はなやむ也。たへ
Z08_0232B08: がたき事也。辛もなやみくるしむ也。からきめをみる
Z08_0232B09: と。つねにもいふなり。南山。種植涉艱辛。△下
Z08_0232B10: は口の食より起る。●(二二三)此二字をうへおさむる
Z08_0232B11: と訓ず。うゆるを稼といひ。穂をかりおさむるを穡と
Z08_0232B12: いふ。書。先知稼穡之艱難。毛萇詩傳。種
Z08_0232B13: 之曰。斂之曰。●(二二四)詩經。劬-勞
Z08_0232B14: 。二字ともにつかる〻事也。春のなわしろより。秋
Z08_0232B15: のかりほまで。いくばくか男女の汗をしぼり。牛馬の
Z08_0232B16: 涙をながす事也。○此詞つ▲き。貞觀政要を用ひ給
Z08_0232B17: へり。敎戒大子諸王。貞觀十年。太宗謂房玄
Z08_0232B18: 。朕每一食スル。便稼穡之艱難。每
Z08_0232B19: スル則思紡績之辛苦。諸弟何。され
Z08_0232B20: ば。此心を歌にもよめり。●(二二五)四苦の上に。衣食

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