浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0230A01: | たるなり。それにまふは。物にくるふなり。●(一七五)地 |
Z08_0230A02: | 獄餓鬼畜生を三途といふなり。みづから罪をつくり |
Z08_0230A03: | しゆへ。いなとあらそひがたし。●(一七六)女の事也。● |
Z08_0230A04: | (一七七)のがれえぬ事也。日本紀に。敢不去の字を訓ず。 |
Z08_0230A05: | 夢の浮橋に。えさらぬ事も數そひてとあり。●(一七八) |
Z08_0230A06: | ほだしとは。かけと▲めらる〻心也。八雲御抄に。物の |
Z08_0230A07: | はなれがたき事をいふなりと有。色をこのみては。そ |
Z08_0230A08: | の愛のはなれがたき事。ほだしをさ〻れたるがごと |
Z08_0230A09: | し。順ノ和名に。鋜の字をかなほだしと訓ず。鏁スレ足ヲ具 |
Z08_0230A10: | なり。絆の字をも。ほだしと訓ず。古今に。世のうきめ見 |
Z08_0230A11: | えぬ山ぢへいらんには。おもふ人こそほだし也けれ。 |
Z08_0230A12: | ●(一七九)一生の微樂にふけりて。永劫の大苦をうく |
Z08_0230A13: | べし。●(一八〇)是一章の摠結。●(一八一)はやく不淨を |
Z08_0230A14: | 淨とまよひし事を翻せとなり。●(一八二)八苦の內に。 |
Z08_0230A15: | 生老病死の苦と。求不得等をあそばしたり。●(一八三) |
Z08_0230A16: | 是も一章の摠標なり●(一四八)是は法華經の文に。欲 |
Z08_0230A17: | 界色界無色界の內は。いづくに生れても。苦のなき處 |
Z08_0230A18: | なし。諸の苦にせめらる。たとへば火の付たる宅の內 |
Z08_0230A19: | にあれば。奧も端もあつきがごとし。六道の形。いづれ |
Z08_0230A20: | も苦なり。○三界をいとひて。淨土をねがへとの勸な |
Z08_0230B01: | れば。先づ摠じて三界の事をいふなり。●(一八五)いづ |
Z08_0230B02: | く也。廿五有の間をさす。萬葉に。何處の字也。●(一八六) |
Z08_0230B03: | 氣をゆるめて。●(一八七)河海に。緩の字にてのどかな |
Z08_0230B04: | る心なりと有。ゆる〱としたるなり。●(一八八)下卷 |
Z08_0230B05: | に云。地獄は。劇苦ひまなくしてひさし。鬼畜は。苦報を |
Z08_0230B06: | もくしていやし。人間には八苦のけぶりたらず。天上 |
Z08_0230B07: | には五衰の露かはかず。三界みな苦にして。いづくも |
Z08_0230B08: | やすき事なかりき。●(一八九)六道は事おほきゆへ。ち |
Z08_0230B09: | かく人間をいへり。○心の內。のどかならぬ事也。歌に。 |
Z08_0230B10: | いまさらに春をわする〻花もあらし。おもひのとめ |
Z08_0230B11: | てけふもくらさん。忠岑の歌に。心のとけき人はあら |
Z08_0230B12: | しな。●(一九〇)心に有を憂といひ。身に有を苦といふ。 |
Z08_0230B13: | ●(一九一)心と身とは木の根のごとく。憂と苦とは枝 |
Z08_0230B14: | 葉のごとし。●(一九二)憂苦の枝葉。微細多端にして筆 |
Z08_0230B15: | も及びがたし。爰は心地觀經に依り給へり。其文ニ云ク。 |
Z08_0230B16: | 是ノ身ヲ爲二苦ノ本ト一。餘苦ヲ爲二枝葉ト一。已上●(一九三)憂苦はな |
Z08_0230B17: | にゆへぞといふて見れば也。螢に。いひもてゆけば。ひ |
Z08_0230B18: | とつむねにありてと有。●(一九四)是より末まで。身と |
Z08_0230B19: | 心をわけて書きのべたる也。身を根として。四苦を莖 |
Z08_0230B20: | とし。衣食等の枝葉しげし。心を根とし。四惑を莖とし。 |