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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0229A01: ●(一五八)人の死したるを。かれたるといふ。是も般舟
Z08_0229A02: 讚に。形枯命終と有に依て書き給へり。記。枯
Z08_0229A03: 死也。又草木のかる〻に。死の字を用ひて。かる〻と
Z08_0229A04: よむ例あり。●(一五九)薪をとるものなり。孝周翰
Z08_0229A05: 樵夫採樵之賤者也。●(一六〇)しやれかうべなり。●
Z08_0229A06: (一六一)わが家也。●(一六二)わが妻也。●(一六三)けふの
Z08_0229A07: しやれかうべと。此つまのかしらのかたちと。ちがふ
Z08_0229A08: 事なきなり。●(一六四)ひとりごとにいひし也。まつり
Z08_0229A09: ごと。はかりごとをも。まつりごち。はかりごたれなど
Z08_0229A10: いふ也。榮花物語に。櫻のいみじう面白きを。見めぐら
Z08_0229A11: せ給ひて。ひとりごたせたまひけると有。賢木にも。ひ
Z08_0229A12: とりごちおはすといへり。●(一六五)日本紀に。都の字
Z08_0229A13: を訓ず。俗にすきと思ひきるといふ詞也。●(一六六)此
Z08_0229A14: 事は。閑居友に見へたり。その略にいはく。中比山城國
Z08_0229A15: に男ありけり。おもひたりける女なん侍りける。なに
Z08_0229A16: とか侍りけん。うと〱しきさまにのみなりける。女
Z08_0229A17: 打くどきければ。男おどろきて。えさらずおもふ事。む
Z08_0229A18: かしに。つゆたがはず。た▲し。一の事ありて。うと〱
Z08_0229A19: しきやうに。おぼゆる事ぞある。すぎにしころ。ものへ
Z08_0229A20: ゆくとて。野原に。死たる人のかしらの骨の有しを。つ
Z08_0229B01: くづくとみしほどに。世の中あぢきなく。かなしくて。
Z08_0229B02: たれも。しなん後は。かやうに侍るべきぞかし。今より。
Z08_0229B03: わがめのかほのやうをさぐりて。此さまに同じきか
Z08_0229B04: と見んよとおもひて。かへりて。さぐりあはするに。さ
Z08_0229B05: らなり。それよりなにとなく。心もそらにおぼえて。か
Z08_0229B06: くおぼしとがむるまでになりにけるぞといひけり。
Z08_0229B07: かくて月ごろすぎて。女にいふやうは。出家の功德に
Z08_0229B08: よりて。佛の國にむまれば。かならずかへりきて。とも
Z08_0229B09: をいざなはんとき。心ざしのほどは。みえまうさんず
Z08_0229B10: るぞとて。かきけつやうにうせぬとなん。○た▲し樵
Z08_0229B11: 夫とあり。餘の故事あるか。●(一六七)あつぱれそのや
Z08_0229B12: うになりたき也。などは。なにとてなられぬぞと也。●
Z08_0229B13: (一六八)右の樵夫がやうなる心を。うらやむ詞なり。●
Z08_0229B14: (一六九)智論十七に出たり。菩薩の弟子をいさめたま
Z08_0229B15: ふ偈の詞なり。●(一七〇)不淨なれども。わが身はすて
Z08_0229B16: がたし。●(一七一)葵に。かたはらさびしくて。ならはぬ
Z08_0229B17: 御ひとりねに。あかしかね給へなどあり。●(一七二)う
Z08_0229B18: たてきは。轉の字にていよ〱の心也。●(一七三)法事
Z08_0229B19: 讚の文なり。●(一七四)野原にある。馬の骨をみるに。人
Z08_0229B20: の身の骨にかはる事なし。人の皮に馬の骨をつ〻み

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