浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0228A01: | 物なり。此字しろきものとも和訓す。和名抄。字彙ニ云ク。古 |
Z08_0228A02: | 傅ニレ面ニ亦用二米粉ヲ一。又染テレ之ヲ爲二紅粉ト一。已上又べにをも |
Z08_0228A03: | 云ふ。●(一三七)死人の顏に仙人の粉をつくる事なり。 |
Z08_0228A04: | 施の字なり。都良香カ詩ニ云ク。凝ハ如二漢女ノ顏ニ施カ一レ粉ヲ。已上 |
Z08_0228A05: | ●(一三八)しにかばねのいろの事なり。靑瘀の二字を |
Z08_0228A06: | あをみつしむとよむなり。法華經には。黧の字をつじ |
Z08_0228A07: | みと訓ず。斑にして黑色なり。智論等には。瘀の字を訓 |
Z08_0228A08: | ず。うるみたるいろあひなり。●(一三九)妓爐とは。妓 |
Z08_0228A09: | 女のたきものする香爐なり。屍のくさき事は。そのけ |
Z08_0228A10: | ぶりにてもまぎれがたかるべしとなり。妓とは。弘法 |
Z08_0228A11: | に。妓ハ女藝也と有。白拍子のたぐひなり。○萬物類 |
Z08_0228A12: | 纂ニ云ク。妓字ハ十奴也。言心ハ其貌雖レ美ナリト。不レ迂下可二-及十 |
Z08_0228A13: | 奴一之價ニ上。●(一四〇)性靈集ノ靑瘀ノ詩ニ云ク。九孔ヨリ所ノレ |
Z08_0228A14: | 流ル汁。一界甚タ臭ク穢シ。古德ノ云ク。臭ク穢キハ則薰シレ地ニ |
Z08_0228A15: | 薰スレ天ニ。まがふは。萬葉に。紛の字をよませたり。● |
Z08_0228A16: | (一四一)無常ノ賦ニ云ク。妻子モ塞テレ鼻ヲ以厭ヒ退キ。親疎覆テレ |
Z08_0228A17: | 面ヲ以逃ケ旋ル。嗟呼痛哉。●(一四二)是を前へ付ても結 |
Z08_0228A18: | 句となるなり。しかれども。よく〱みれば後へ付た |
Z08_0228A19: | るがよきなり。○是より下のけりといふまでは。つく |
Z08_0228A20: | り事なり。かの屍。をきあがりて。とりつかばおそろ |
Z08_0228B01: | しかるべしと也。是はその死人のいふべきことばな |
Z08_0228B02: | り。うたては。薄情の字。なさけのうすきなり。いつしか |
Z08_0228B03: | は。いつともなくなり。●(一四三)後拾遺。哀傷。一條院 |
Z08_0228B04: | 皇后宮。よもすがらちきりしことをわすれすは。こひ |
Z08_0228B05: | んなみたのいろそゆかしき。此歌の詞なり。●(一四四) |
Z08_0228B06: | 新拾遺に藤原隆信。あつまちの野はらしのはらわけ |
Z08_0228B07: | ゆかは。こひん涙をおもひをこせよ。慈鎭和尙の歌に。 |
Z08_0228B08: | かくはかりはかなき世とはしりなから。野はらの露 |
Z08_0228B09: | をよそにわくらん。●(一四五)野原。露。か〻らぬなど。み |
Z08_0228B10: | な緣語のつ▲きなり。●(一四六)萬葉に屍の字なり。● |
Z08_0228B11: | (一四七)止觀ニ云ク。昔ノ所レ愛スル。今何ソ可キレ見ル。●(一四八) |
Z08_0228B12: | いかほどか。●(一四九)身毛竪とかくなり。●(一五〇) |
Z08_0228B13: | 古德云。肨脹不レ堪レ視ニ。醜惡眞ニ可シレ怕。●(一五一)九相 |
Z08_0228B14: | 詩の作者をさす。相傳て東坡が作なりといふ。今の詞 |
Z08_0228B15: | は。かの序の句なり。●(一五二)面につくる物なり。● |
Z08_0228B16: | (一五三)上に有し。靑黛と同じ事なり。●(一五四)いける |
Z08_0228B17: | 內は。人ことにか〻る物としらず。死して後こそ。先賢 |
Z08_0228B18: | のいひしにたがはぬ事もしらるなれ。○(一五五)是は |
Z08_0228B19: | 上をうけて。下に書きつ▲けたる筆法なり。●(一五六) |
Z08_0228B20: | 不審の詞なり。なにとしてか。●(一五七)命ある時の身。 |