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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0226A01: 桃花面といへりし事。紀原にみゆ。●(九五)白氏文集。
Z08_0226A02: 時世粧。姸蚩黑白失本態。●(九六)(イロトリ)(ナス)なり。
Z08_0226A03: いろ〱彩色して。(ムマレ)(ツキ)の顏ぶりはなきなり。●(九七)
Z08_0226A04: これは我顏かとおもふ事也。假粧よくしたて〻。我身
Z08_0226A05: ながらおどろくなり。源氏に。われかのけしきにてふ
Z08_0226A06: したればと有。われか人かを。おもひわかぬ心なり。●
Z08_0226A07: (九八)自慢の事なりは。つねに我はとおもひあがれ
Z08_0226A08: ると有。瑜伽論。慢ヲM(シテ)。●(九九)鏡をと
Z08_0226A09: りをく時の事なり。かほよきものは。鏡を愛する。つね
Z08_0226A10: の事なり。西要鈔に。鏡の心はづかしきまで。しみふ
Z08_0226A11: かきわざは。こよなくおのこ▲よりもまさり侍るべ
Z08_0226A12: しとあり。●(一〇〇)われながら。かくおもへば。人の
Z08_0226A13: 目には。なを〱よく見ゆるなり。●(一〇一)よそは
Z08_0226A14: 外の字なり。樂天も。一朝一夕といへり。
Z08_0226A15: ひたすらこれにまよふなり。△上は內身の不淨をあ
Z08_0226A16: かし。下は身外の不淨をしめす。●(一〇二)色欲の事
Z08_0226A17: なり。●(一〇三)止觀。色害尤𪜈。令ヲM(シテ)狂醉
Z08_0226A18: 生死根本。良也。樂天句に。女スハ
Z08_0226A19: 害却とあり。●(一〇四)樂天の句に。日
Z08_0226A20: M(シテ)と有を用ゐたり。色害のふかき事。淵
Z08_0226B01: の如し。何とぞしてしづまぬやうにせばやとなり。●
Z08_0226B02: (一〇五)爰は白氏文集にて書きたるものなり。女人を
Z08_0226B03: 狐にたとへていへり。古塚の狐の。人をまどはす事。
Z08_0226B04: 文集にあるゆへ如此いふなり。塚にすまぬばかりに
Z08_0226B05: てこそあれ。人をばかすかたは狐のごとし。●(一〇六)
Z08_0226B06: 人とはまづ女人の事なり。女人のためには。男もきつ
Z08_0226B07: ねなるべし。媚とは。うるはしきいろをなして。人に
Z08_0226B08: みゆる事なり。類書纂要の狐媚の註に。老狐能變化M(シテ)
Z08_0226B09: -惑于人と有。玄弉三藏。天竺の女王に吿給ひし
Z08_0226B10: 偈にも。野狐妖媚不ムニ。と有。○白氏文集に。古
Z08_0226B11: 塚の狐によせて艶色を戒めたり。其內の句に。古塚
Z08_0226B12: 狐妖且タリ。化M(シテ)婦人顏色好。狐
Z08_0226B13: 猶淺。一朝一夕。女スハ害却
Z08_0226B14: 。日M(シテ)前後句略之。●(一〇七)死す
Z08_0226B15: れば野に送るものなり。その時の屍にまよふ人なし。
Z08_0226B16: 命ある內は。同じ形なれども。人をまよはすとなり。
Z08_0226B17: 野外はた▲野原なり。程は時なり。●(一〇八)かばね
Z08_0226B18: はいける身の事なり。とらかすは。婬泆の字なり。心
Z08_0226B19: をまよはすやうなる事なり。●(一〇九)何としてまよ
Z08_0226B20: ふぞとのいさめなり。●(一一〇)かりとは。つくり物

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