浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0226A01: | 桃花面といへりし事。紀原にみゆ。●(九五)白氏文集。 |
Z08_0226A02: | 時世粧ノ詩ニ云ク。姸蚩黑白失二本態ヲ一。●(九六)彩成なり。 |
Z08_0226A03: | いろ〱彩色して。生付の顏ぶりはなきなり。●(九七) |
Z08_0226A04: | これは我顏かとおもふ事也。假粧よくしたて〻。我身 |
Z08_0226A05: | ながらおどろくなり。源氏に。われかのけしきにてふ |
Z08_0226A06: | したればと有。われか人かを。おもひわかぬ心なり。● |
Z08_0226A07: | (九八)自慢の事なりは。つねに我はとおもひあがれ |
Z08_0226A08: | ると有。瑜伽論ニ云ク。慢ハ令二心ヲM(シテ)擧ラ一。●(九九)鏡をと |
Z08_0226A09: | りをく時の事なり。かほよきものは。鏡を愛する。つね |
Z08_0226A10: | の事なり。西要鈔に。鏡の心はづかしきまで。しみふ |
Z08_0226A11: | かきわざは。こよなくおのこ▲よりもまさり侍るべ |
Z08_0226A12: | しとあり。●(一〇〇)われながら。かくおもへば。人の |
Z08_0226A13: | 目には。なを〱よく見ゆるなり。●(一〇一)よそは |
Z08_0226A14: | 外の字なり。樂天も。一朝一夕ニ迷ス二人ノ眼ヲ一といへり。 |
Z08_0226A15: | ひたすらこれにまよふなり。△上は內身の不淨をあ |
Z08_0226A16: | かし。下は身外の不淨をしめす。●(一〇二)色欲の事 |
Z08_0226A17: | なり。●(一〇三)止觀ニ云ク。色ノ害尤𪜈深シ。令二入ヲM(シテ)狂醉セ一。 |
Z08_0226A18: | 生死ノ根本。良ニ由ルレ此ニ也。樂天ノ句に。女ノ爲スハ二狐ノ媚ヲ一。 |
Z08_0226A19: | 害却テ深シとあり。●(一〇四)樂天の句に。日ニ增シ夜ニ |
Z08_0226A20: | 長M(シテ)溺ス二人ノ心ヲ一と有を用ゐたり。色害のふかき事。淵 |
Z08_0226B01: | の如し。何とぞしてしづまぬやうにせばやとなり。● |
Z08_0226B02: | (一〇五)爰は白氏文集にて書きたるものなり。女人を |
Z08_0226B03: | 狐にたとへていへり。古塚の狐の。人をまどはす事。 |
Z08_0226B04: | 文集にあるゆへ如レ此いふなり。塚にすまぬばかりに |
Z08_0226B05: | てこそあれ。人をばかすかたは狐のごとし。●(一〇六) |
Z08_0226B06: | 人とはまづ女人の事なり。女人のためには。男もきつ |
Z08_0226B07: | ねなるべし。媚とは。うるはしきいろをなして。人に |
Z08_0226B08: | みゆる事なり。類書纂要の狐媚の註に。老狐能ク變化M(シテ) |
Z08_0226B09: | 媚二-惑ス于人ヲ一と有。玄弉三藏。天竺の女王に吿給ひし |
Z08_0226B10: | 偈にも。野狐ノ妖媚不レ堪レ親ムニ。と有。○白氏文集に。古 |
Z08_0226B11: | 塚の狐によせて艶色を戒めたり。其內の句に。古塚ノ |
Z08_0226B12: | 狐妖且ツ老タリ。化M(シテ)爲テ二婦人ト一顏色好シ。狐ノ假ハ二女ノ妖ヲ一害 |
Z08_0226B13: | 猶淺シ。一朝一夕ニ迷ス二人ノ眼ヲ一。女ノ爲スハ二狐ノ媚ヲ一害却テ |
Z08_0226B14: | 深シ。日ニ增シ月ニ長M(シテ)溺ス二人ノ心ヲ一。前後ノ句略レ之。●(一〇七)死す |
Z08_0226B15: | れば野に送るものなり。その時の屍にまよふ人なし。 |
Z08_0226B16: | 命ある內は。同じ形なれども。人をまよはすとなり。 |
Z08_0226B17: | 野外はた▲野原なり。程は時なり。●(一〇八)かばね |
Z08_0226B18: | はいける身の事なり。とらかすは。婬泆の字なり。心 |
Z08_0226B19: | をまよはすやうなる事なり。●(一〇九)何としてまよ |
Z08_0226B20: | ふぞとのいさめなり。●(一一〇)かりとは。つくり物 |