浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0208A01: | 佛ノ所ニ一。恭敬供養スルヿヲ上。略抄元曉ノ云ク。生二邊地ニ一者ハ。別ニ |
Z08_0208A02: | 是レ一類ニM(シテ)。非二九品ノ攝ニ一。以上曇鸞菩薩ノ略論ニ云ク。邊地ト |
Z08_0208A03: | 者。言心ハ其ノ五百歲ノ中。不ルレ見二-聞セ三寶ヲ一義。同シ二邊地之 |
Z08_0208A04: | 難ニ一。或ハ亦於二安樂國土ニ一。最モ在リ二其ノ邊ニ一。以上●(六十) |
Z08_0208A05: | まづ九品は。信者の生る〻處。これは又疑心あるもの |
Z08_0208A06: | のむまる〻處なり。そのうたがひの相を。略論に釋し |
Z08_0208A07: | たまふに。四の意あり。今こ〻にしるしたまへるは。そ |
Z08_0208A08: | の第一の心なり。所詮。邪思惟をおこして。佛に度生 |
Z08_0208A09: | の神力ある事を信せず。種々のうたがひをなして。稱 |
Z08_0208A10: | 名に德なしといふもの也。○五百歲といふは。人間の |
Z08_0208A11: | 五百年なり。佛のちからをかろしめたるむくひにて。 |
Z08_0208A12: | かの蓮の中につ〻みこめられて。その花ひらきがた |
Z08_0208A13: | し。佛をもみず。法をもきかず。○略論ニ云ク。經中但云テ二 |
Z08_0208A14: | 疑惑不信ト一。不レ出二所以ヲ一。疑フ意ハ。尋テ不ルカレ了二五句ヲ一故ニ。 |
Z08_0208A15: | 以二對治一言レ之。乃至疑ニ有二四意一。一ニ者疑下但憶二-念M(シテ)阿 |
Z08_0208A16: | 彌陀佛ヲ一。不ト中必シモ得レ往〓生安樂ニ上。何ヲ以ノ故ニ。經ニ言二業 |
Z08_0208A17: | 道ハ如レ秤。重キ者先ツ牽クト一。云何ソ一生。或ハ百年。或ハ十 |
Z08_0208A18: | 年。或ハ一月ニM(シテ)。無キカ二惡トM(シテ)不ト云ヿ一レ造ラ。但以二十念相續一。 |
Z08_0208A19: | 便得二往生一。卽入二正定聚一。畢竟M(シテ)不レ退。與二三途諸苦一。未タレ |
Z08_0208A20: | 隔ンヤ耶。若爾ハ。先牽之義。何ヲ以カ取ンレ信ヲ。又曠劫已 |
Z08_0208B01: | 來。備ニ造テ二諸行有漏之法ヲ一。繫二-屬ス三界ニ一。云何ソ不レ斷二 |
Z08_0208B02: | 三界ノ結ヲ一。或ハ直ニ。以三少時念スルヲ二阿彌陀佛ヲ一。便出ンヤ二三 |
Z08_0208B03: | 界ヲ一耶。繫屬之義。復欲スル二云何セント一。對二-治スルカ此疑ヲ一故ニ。 |
Z08_0208B04: | 言二不思議智ト一者。謂ク佛ノ智力。能ク以テレ少作レ多ト。以レ多ヲ |
Z08_0208B05: | 作レ少ト。以レ近ヲ爲レ遠ト以レ遠ヲ爲レ近ト。以レ輕ヲ爲レ重ト。以レ重ヲ |
Z08_0208B06: | 爲レ輕ト。以レ長ヲ爲レ短ト。以レ短ヲ爲レ長ト。如キレ是等ヲ。佛智無 |
Z08_0208B07: | 量無邊ニM(シテ)。不レ可二思議ス一。已上●(六十一)これ略論のこと |
Z08_0208B08: | なり。佛智とは。かの佛の智慧なり。大經に。五智を說 |
Z08_0208B09: | き給へり。佛智は摠なり。四智は別なり。不思議とは。 |
Z08_0208B10: | 不思議智なり。往生淨土用心ニ云ク。病をいやす草木。 |
Z08_0208B11: | 鐵をとる磁石。不思議の用力なり。又麝香はかうばし |
Z08_0208B12: | き用あり。犀の角に水をよせぬ力あり。これみな心な |
Z08_0208B13: | き草木。ちかひをおこさぬ獸なれども。もとより不思 |
Z08_0208B14: | 議の用力は。かくのみこそあれ。まして念佛は。一聲に |
Z08_0208B15: | 八十億劫の罪を滅する用あり。彌陀は惡業深重の者 |
Z08_0208B16: | を。來迎し給ふ力まします云云。●(六十二)愚迷の凡夫。 |
Z08_0208B17: | その心あさきがゆへに。罪人の往生をうたがひ。念佛 |
Z08_0208B18: | の功德を信ぜぬ也。佛すでに不思議の智慧。自在神力 |
Z08_0208B19: | を成就しまします。何事をかなし給はざらんや。一遍 |
Z08_0208B20: | 上人の歌に。をしふるにしられぬかたは法の道。ほと |