ウィンドウを閉じる

Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0192A01: 答云。邊地は極樂のうち。()(ボン)のほか(外)のかたほと
Z08_0192A02: り(傍邊)なり。(五九)かしこ(彼)にうまる〻心もちは。
Z08_0192A03: か〻る罪業ふかき身は。をのづからつみ(罪)にてき
Z08_0192A04: (敵)たふほど。功德をもおほくつとめたらんはさら
Z08_0192A05: (尤)なり。わづかなる一念十念にて往生せん事。いかに
Z08_0192A06: 本願いみじくとも。よく(能)かた(難)かるべしと。佛力
Z08_0192A07: をかろしめ。うたがへるもの。この邊地にうまれて。五
Z08_0192A08: 百歲。はなのなかにはらまれて。見佛聞法せずとみえ
Z08_0192A09: たり。(六〇)おほよそ。(大凡)事のいはれは。佛智不思
Z08_0192A10: 議にして。ちいさき功德をも大になし。をもき惡業を
Z08_0192A11: も。かろくなす功あれば。重罪を一念に滅して。往生
Z08_0192A12: を九品にとげん事。あやしむべきにあらず。(六一)さ
Z08_0192A13: れば。古人のまよへる者。うたがひを。そのあひだにを
Z08_0192A14: く。まづ佛よくしたまはざらんやと。いへるもこのゆ
Z08_0192A15: へなり。(六二)さるを〻ろかなる心にて。佛力をかろ
Z08_0192A16: しめたてまつるとが。つねにすぎたり。むくひ。さだめ
Z08_0192A17: て惡道にこそあるべきに。大悲世にこえ(超)て。なを
Z08_0192A18: 邊地までもゆるさるらん。佛恩まめやか(正首)(眞)にあり
Z08_0192A19: がたし。(六三)まして。ひたすら(一向)本願を信じた
Z08_0192A20: らん身の。なにごとに。もらされたてまつりなんと。い
Z08_0192B01: と▲たのもしくおぼえてと。いはるれば。(六四)
Z08_0192B02: 又問云。懈慢とかやいふなるは。いづこに侍る所ぞ。いか
Z08_0192B03: なるもの〻かしこ(彼)へはうまる〻にかあらん。(六五)
Z08_0192B04: 答云。懈慢は安養のほか。娑婆にちかき國なり。(六六)
Z08_0192B05: これは往生をせばやなどはいひながら。心ちもよは
Z08_0192B06: よはとう(浮)きて。佛につきても。行につきても。ひし
Z08_0192B07: (必至)と。ひとかた(方)に思ひかため(牢固)たるけ(氣)
Z08_0192B08: もな(無)きものが。まづこ〻まで。うまれきてのち。そ
Z08_0192B09: のいのちをはれば。かならず極樂へつた(傳)ふ所な
Z08_0192B10: り。(六七)これ程なをざり(等閑)なる心ざしだにも。な
Z08_0192B11: を(猶)かく。(是)ちか〲とゆきよりぬるぞかし。さ
Z08_0192B12: すが。かまへてと。とりたてねがひもとめん人の。なじ
Z08_0192B13: かは。と▲こほるみち侍らんと思へば。いとどす〻ま
Z08_0192B14: し(進)くてとあれば。(六八)
Z08_0192B15: 又問て云。いさ〻か極樂に心をかけ。念佛をくち(口)
Z08_0192B16: にふ(歷)る〻よしなるもの〻。安心もかけ。(闕)起行も
Z08_0192B17: とげずして。なを邊地懈慢にもをよばざらんは。つゐ
Z08_0192B18: にさて。なにとなり侍らんずるぞや。(六九)
Z08_0192B19: 答云。さるものは。その係念をはたしとげ(果遂)させ
Z08_0192B20: んと。ちかはれたる本願があれば。たとひつぎの生に

ウィンドウを閉じる