浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0191A01: | 事は。た▲釋尊ひとりの御ことばにあらず。十方恆沙 |
Z08_0191A02: | の諸佛も。ことごとく證人にたちて。いま念佛すれば。 |
Z08_0191A03: | 往生すといふことはまことなり。うたがふべからず |
Z08_0191A04: | と。同時にした(舌)をの(舒)べて。同音に證誠〓給ひ |
Z08_0191A05: | き。(四五)さしも。いつはりおほき人のことばだにも。 |
Z08_0191A06: | あまたになれば。たのまる〻事にてこそあれ。(四六) |
Z08_0191A07: | まして佛語虛妄ならねば。たとひ。釋迦一佛の說なら |
Z08_0191A08: | んすら。(尙)かろしむべきにあらざるを。諸佛さへ(副) |
Z08_0191A09: | 又。一同にまことのことば(誠實言)をの(演)べ給ひけん。 |
Z08_0191A10: | その會傍會座ナリの儀式み(見)る心ちして。身のけ(毛)も |
Z08_0191A11: | よだ(竪)ちたうとくこそおぼゆれ。(四七)これをき〻 |
Z08_0191A12: | ながら。いか▲さは。いさ〻かの不審をものこし侍る |
Z08_0191A13: | べき。はやく。三千の長舌に。往生のうたがひをすて |
Z08_0191A14: | て。六字の口稱に。決定の信をおこし給へ。(四八)そ |
Z08_0191A15: | のうへ。かやうに諸佛こぞ(悉)傍萬葉ノ點りて。一大事と。し |
Z08_0191A16: | 給ふ稱名なれば。往生に他力をくはへらる〻事。又ひ |
Z08_0191A17: | とつにあらず。(四九)いはゆる。彌陀の本願のちから。 |
Z08_0191A18: | かしこ(彼)よりよば(喚)ひてむか(迎)へ。釋迦の勸讚の |
Z08_0191A19: | ちから。こ〻(此)よりいだしたて〻つかは(發遣)し。諸 |
Z08_0191A20: | 佛の證誠のちから。方々よりまほ(護)りてをく(送)る。 |
Z08_0191B01: | この三のちからをあはせて。念佛のひとつ傍異本ニ人トアルハ非 |
Z08_0191B02: | 也をたすくるゆへに。極樂にうまる〻事。もともや |
Z08_0191B03: | す(最易)し。(五〇)されば孤山の釋に。如下度二大海一。旣得二巨 |
Z08_0191B04: | 航一。仍テ有二良導一。加以二便風一。必能速到中彼岸上也といへり。 |
Z08_0191B05: | (五一)たとへば。(五二)彌陀本願をたて〻。しづめ |
Z08_0191B06: | るをすくふは。傍苦界ニ沈メル衆生ラふねのごとし。(五一)釋迦 |
Z08_0191B07: | 慈悲をも(以)て。まよ(迷)へるをみちびきやるは。わ |
Z08_0191B08: | たしもり(渡子)傍日本紀ノ點におなじ。(五四)諸佛護念して。淨 |
Z08_0191B09: | 土へをくりとづくるは。風のたよりをえたるにに |
Z08_0191B10: | たり。(五五)いまは南無阿彌陀佛のこゑをほ(帆)にあ |
Z08_0191B11: | (擧)げて。生死のうみをわたらんこと。さらに逗留ある |
Z08_0191B12: | べからず。(五六)かくのごとく。諸佛。はからひあはせ |
Z08_0191B13: | て。よろづの事。そなはりたる緣にあひながら。なをあ |
Z08_0191B14: | やぶみて穢土にと▲まらんは。傍前ノ逗留ノ字ニカヽル首尾ナリげにた |
Z08_0191B15: | れがとがぞ。さらにうらみどころこそ侍るまじけれ。 |
Z08_0191B16: | (五七)せめても。つみ(罪)のくる(狂)をしにぞ。しゐ |
Z08_0191B17: | (强)てもうたがはしかるらん。いとおし(最惜)くこそ |
Z08_0191B18: | と。かなし(悲)みくど(口說)き給ふ。(五八) |
Z08_0191B19: | 又おとこのこゑして問て云。疑心あるは邊地にうま |
Z08_0191B20: | るとかや。うけたまはる。〓いかなる事にて侍るぞや。 |