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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0190A01: ごろのちぎりをおぼしわするまじければ。もとのち
Z08_0190A02: かひあやまらず。さだめて來迎し給ふべし。(三四)來
Z08_0190A03: 迎ちかづかば。お(を)のづからくるしみもかろみ。心
Z08_0190A04: もた▲しくなりて。十念のぞみのごとく。往生さうゐ
Z08_0190A05: い)あるべからず。(三五)されば。佛願あやまりな
Z08_0190A06: からんに。なじか。をは(終)りをあやぶまん。これぞ
Z08_0190A07: げに。つかのうへ(塚上)にもかけぬべきと。心やすげに
Z08_0190A08: の給ひしらす。(三六)
Z08_0190A09: 又男のこゑして。わが身は。性かたくな(頑)に。心を
Z08_0190A10: ろかにして。物のいはれなど。こまやかにき〻わく
Z08_0190A11: (辨分)までも侍らねば。本願いしいしの事も。なをたち
Z08_0190A12: いりたるやうにて。中々是非にまよひぬべく侍り。い
Z08_0190A13: かでやす〱と心えられて。往生のたのもしかりぬ
Z08_0190A14: べき事。ひとはし。(端)うけ給はりと▲めて。涯分の安
Z08_0190A15: 心にし侍らんといへば。(三七)
Z08_0190A16: 答云。その事に侍り。(三八)さやうの人の御ためは。た
Z08_0190A17: だ念佛申せば往生すとは。まさしく佛の。の給(宣)ひ
Z08_0190A18: たる御ことばなれば。つゆも。そらごと(虛言)あるま
Z08_0190A19: じき事ぞといふいはれが。心えやすくて。しかも。思ひ
Z08_0190A20: え(得)つべきことはりにては侍るなり。このひとはし
Z08_0190B01: (端)をだにも。ひし(必至)と信じ給ひたらば。よろづの
Z08_0190B02: うたがひもはれて。往生の安心。さらにふそく(不足)侍
Z08_0190B03: らじといはるれば。(三九)又云。まことにこれは。わ
Z08_0190B04: れらがぶんにかなひたる心もちにて侍り。た▲し。も
Z08_0190B05: とより佛の妄語し給ふべしとは存ぜねども。なを往
Z08_0190B06: 生は一定ともおぼえ侍らぬといへば。(四〇)
Z08_0190B07: 答云。などや。さは。おもひ給ふ。佛語が。まことなる
Z08_0190B08: べからんには。往生の不定なるべきいひ(謂)はなき物
Z08_0190B09: を。(四一)盲者は(メイ)(ガン)のみちびくにしたがふがごとく。
Z08_0190B10: (四二)凡夫は。まよひふかくして。因果のことはりに
Z08_0190B11: くらければ。た▲。さとれる佛の御をしへによりてこ
Z08_0190B12: そ。つみつく(罪造)れば。地獄にお(隨)つな異本るどい
Z08_0190B13: ふ。ことはりをも信じあひたるに。思ヒサダメタル心也いかな
Z08_0190B14: れば念佛申て往生すと。と(說)かれたるのみが。とり
Z08_0190B15: わき。さしもうたがはしき事にては侍るらん。(四三)
Z08_0190B16: されば揚傑禪於石霜圓禪師がことばに。夫造惡業
Z08_0190B17: 。念M(シテ)彌陀極樂。二者皆佛言也。世人憂ヿヲ
Z08_0190B18: 地獄。而疑往生者。不亦惑哉といへり。げに。この
Z08_0190B19: いはれをも(以)て。かまへて決定とおもひふ(思伏)せ
Z08_0190B20: 給へ。(四四)いはんや。彌陀の本願をと(說)きあらはす

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