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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0189A01: 向にほれ(惘)たるもあり。(二〇)あるひは苦痛にせ
Z08_0189A02: められて。萬事をわすれたるもあり。(二一)か〻るあ
Z08_0189A03: りさまどもを見れば。す▲ろ(無端)に身の上もおそろ
Z08_0189A04: しくて。もし最後の十念もかなはでばし。をはらば
Z08_0189A05: いか▲せん。聖衆の來迎もあらましばかりにてや。や
Z08_0189A06: (止)みなんと。きも(肝)つぶらはしく侍るといへば。
Z08_0189A07: (二二)
Z08_0189A08: 答云。この御不審は。臨終の早晩によりて。引接の有
Z08_0189A09: 無はさだまらんずる事と思ひ給へるよな。いまだ來
Z08_0189A10: 迎の本願をたてられし。お(を)もむきをこそ心え給
Z08_0189A11: はざりけれ。(二三)おほかた臨終正念を。をの(已)が
Z08_0189A12: ちからにて。はげみえんずること〻おもへらんは。さ
Z08_0189A13: だめて相違し侍りなん。(二四)なべて人の最後には。
Z08_0189A14: 病苦のかなしきのみならず。死苦さへ(副)くは〻(加)
Z08_0189A15: りて。た(堪)へがたきうへに。(二五)つくりをきたる
Z08_0189A16: 罪業は。めん〱にきをほ)(競)ひおこりて。まづわが
Z08_0189A17: 報をむくへとせ(責)め。われまづ惡道へひかんとあら
Z08_0189A18: そふ。(二六)四魔。又ちからをおこして。かまへて三
Z08_0189A19: 途におとさんとさまたぐれば。(二七)一かたならぬさ
Z08_0189A20: はり(障)に。病者。五念をうしなひて。いよ〱顛倒を
Z08_0189B01: ます。この時にあたりては。いかにすとも。つや〱
Z08_0189B02: (一切)をのが心もをよぶまじく。人のちからも。かなふ
Z08_0189B03: まじき事なり。(二八)しかあれども。阿彌陀ほとけ。
Z08_0189B04: か〻るおりふしを御覽じたすけんとて。かならず聖
Z08_0189B05: 衆ととも(俱)に來迎せんと。ちかはれて(助字)しゆへ
Z08_0189B06: に。(二九)臨終。期いたれば。かひ〲しく誓約。時を
Z08_0189B07: たがへず。そのまへに現じ。慈悲をも(以)てくは(加)へ
Z08_0189B08: たす(祐)け給へば。心さら(更)にみだる〻ことなく。佛
Z08_0189B09: の威力つよければ。罪業のちからにも。あらそひかち
Z08_0189B10: て。四魔。さかひをへだて。三途。とぼそをとづる物な
Z08_0189B11: り。(三〇)されば臨終正念は。ひとへに聖衆の來迎の
Z08_0189B12: ちからにより。聖衆來迎は。又平生の念佛の功にあら
Z08_0189B13: んずる事と心をえて。いか程も。た▲いまの念佛をく
Z08_0189B14: り返し。かならずむかへ給へと。佛にきこえをき給
Z08_0189B15: へ。(三一)さしも。おほな〱たてられたる本願なれ
Z08_0189B16: ば。あひなたのみなる事はよも侍らじ。(三二)この世
Z08_0189B17: の事も一大事とおもふは。さこそあれ。まこと(信)し
Z08_0189B18: き人に。かねてよくやくそくしをきぬれば。おもひま
Z08_0189B19: うけて。その期は中々心やすきやうに。(三三)病者
Z08_0189B20: は。いかに苦痛もあり。狂亂もせよ。佛はたしかに。日

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