浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0188A01: | より臨終まで。心ぐるしからぬみちづたひなり。(八) |
Z08_0188A02: | さればかまへて。つねに光明のなかにある心ちをし |
Z08_0188A03: | て。ま心に念佛し給ひあへ。(九) |
Z08_0188A04: | 又云。物はいか程も。こまやかにこそきくべかりけれ。 |
Z08_0188A05: | さしもあやうげなりつる。二河のたとへのおもひや |
Z08_0188A06: | りも。この不捨の光のたのもしさには。いまひときは。 |
Z08_0188A07: | 人にてをひかれたらんやうにて。みちのほそさも。い |
Z08_0188A08: | と▲心ぐるしからず思ひわたりぬ。(一〇)さればこ |
Z08_0188A09: | の光明の。かくまでたうとき事にて侍りけるよ。なを |
Z08_0188A10: | 又。いかなる利益かと。おくゆかしくおぼゆるは。三垢 |
Z08_0188A11: | 消滅すとかや。いふなる事を。ちと。(少)み〻にふ(歷)れ |
Z08_0188A12: | てしやうにてといへば。(一一) |
Z08_0188A13: | 聖のいはく。さる事侍り。この攝取の光明にてらさる |
Z08_0188A14: | るものは。貪瞋癡の三垢。こと〲く消滅すと〻けり。 |
Z08_0188A15: | (一二)そのいはれは。たとへば日のひかりは。火の玉 |
Z08_0188A16: | よりいでたれば。物をかはかし。月のひかりは。水 |
Z08_0188A17: | の玉よりいでたれば。物をうるほす用あるがごとく。 |
Z08_0188A18: | (一三)いまこの光明は。佛の無貪。無瞋。無癡の三善 |
Z08_0188A19: | 根よりいでたれば。衆生の貪欲。瞋恚。愚癡の三毒をけ |
Z08_0188A20: | す德あり。(一四)又いかにふる雪も。かたへ(傍)の空 |
Z08_0188B01: | に日かげたえぬ程は。かつ。(且)傍カツ〱也うちきえて。つも |
Z08_0188B02: | りかねたるやうに。妄念しばしば(數)しげ〻れども。ひ |
Z08_0188B03: | かり不斷にてらせば。罪障かつ〲滅して。さらにし |
Z08_0188B04: | ばしもつもる事なし。(一五)おほよそ(大凡)これらの |
Z08_0188B05: | 利益は。みな阿彌陀佛。造惡の凡夫をあはれみて。そ |
Z08_0188B06: | のつみを滅してたまはんがために。願をたて。行をお |
Z08_0188B07: | こして。か〻る不思議の光をえ給へるゆへなり。(一六) |
Z08_0188B08: | しかるに。この光明は。た▲し念佛のものをのみ攝取 |
Z08_0188B09: | すといへば。われら。すでに名をとなふ。ひかりさだ |
Z08_0188B10: | めて〻らすらん。(一七)名をとなへて。無上の功德を |
Z08_0188B11: | う(得)れば。淨土の業ふそく(不足)あるべからず。ひか |
Z08_0188B12: | りにふれて。無量の罪惡を滅すれば。往生のみち。な |
Z08_0188B13: | にのさはりかあらん。まことに光明名號のちからに |
Z08_0188B14: | あらずは。いかでか。滅罪生善のすみやかなる事をえ |
Z08_0188B15: | ん。(一八)これひとへに。大慈慇懃の方便。他力本願 |
Z08_0188B16: | の御恩なり。しづかにおもへば。よろこびにた(堪)へ |
Z08_0188B17: | たり。などか身をくだきても。むく(酬)ひん心なきや。 |
Z08_0188B18: | (一九) |
Z08_0188B19: | 又おとこのこゑにて云。すべて人の臨終ほどに。物の |
Z08_0188B20: | 大事なるこそ侍らね。あるひは正念もなくなりて。一 |