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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0187A01: たれと申人侍りけるを。又しづかにひとつづ〻こそ。
Z08_0187A02: 申べけれと申人侍りければ。いづれか。まことに。よき
Z08_0187A03: ならんとおぼつかなく。おもひてねたる夢に。かく見
Z08_0187A04: えけるとなん。○大利讚。一稱一念の名號の功德
Z08_0187A05: をいへば。恆河沙の金銀瑠璃の妙塔を成滿するにも。
Z08_0187A06: すぐれたり云云。
Z08_0187A07: 西要鈔下末諺註
Z08_0187A08: 又さきの老らかなりつる女のをとにて。念佛申もの
Z08_0187A09: をば。阿彌陀ほとけのひかりをもて(以)攝取して。すて
Z08_0187A10: 給はぬとかや。うけ給はる。その攝取不捨とは。いかな
Z08_0187A11: るいはれにてか侍る。物のひし(必至)とも心をえぬは。
Z08_0187A12: たうとさも。いますこしをろそかにてといへば。(一)
Z08_0187A13: 答云。この法門は。經釋のなかにも。いみじき事に申て
Z08_0187A14: 侍り。まことによく。きこしめし〻り給ふべし。(二)ま
Z08_0187A15: づ攝取不捨とは。阿彌陀佛。光明をもて。はるかに念佛
Z08_0187A16: のものをてらして。ひかりの中にを(お)さめと(攝取)
Z08_0187A17: りて。すて給はずといふ事なり。(三)ちかごろ。〓あるひ
Z08_0187B01: じり。これをいぶかしき事にして。いかなるいひ(謂)な
Z08_0187B02: らんと。佛にいのり申たりければ。ゆめのうちに。本尊
Z08_0187B03: みて(御手)をのべて。かのひじりのうでをとらへて。や
Z08_0187B04: 〻しばしも(持)て。攝取不捨とは。か〻るをいふなり
Z08_0187B05: と。しめされたりけるとなんき〻つたへ侍る。それに
Z08_0187B06: て。げにもよく心えられたり。たとへば。光明のみてを
Z08_0187B07: のべて。行者の身をか〻へも(抱持)て。ながくすて給は
Z08_0187B08: ぬいはれなるべし。(四)これも又。例の御慈悲のふかさ
Z08_0187B09: は。こまやか(子細)にこそ。おもひかまへられたれ。(五)
Z08_0187B10: すでに平生のあひだは。本願をもて。かならずうまれ
Z08_0187B11: よとまほり。臨終の時は。みづからきたりてむかへと
Z08_0187B12: り給ふうへは。かた〲往生のみちの。あやうかるべ
Z08_0187B13: きにあらねども。さすが。なを。こなた(此方)のきし(岸)
Z08_0187B14: にあるを。心やすからずと〓見給ひて。はるかに光のな
Z08_0187B15: かにさしこめて。時のま(間)もて(手)をはなた(放)じと
Z08_0187B16: し給ふなり。(六)されば一たび。光明のなかにおさめ
Z08_0187B17: と(攝取)られなんに。ながくすてらる〻事はあるまじ
Z08_0187B18: ければ。往生こそいと▲うちかためておぼゆれ。(七)い
Z08_0187B19: け(生)らむ程は。光のなかにこもりゐて。いのちをは
Z08_0187B20: らば。花のうへにうつろ(移遷)ひなんず。すべて平生

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