浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0193A01: | こそかなはずとも。結緣くちず(不朽)して。三生には。 |
Z08_0193A02: | かならず往生し侍るべし。(七〇)つら〱事の心を |
Z08_0193A03: | おもふに。彌陀。ものをあはれむ心ざし。ねんごろに |
Z08_0193A04: | ませば。傍マシマセバナリ。(御座)本願。人をすくふ心ばせ。又こまや |
Z08_0193A05: | か(子細)なり。(七一)機の上下をもらさじと。くらゐ |
Z08_0193A06: | に九品をわかたれたるのみならず(七二)佛智をうた |
Z08_0193A07: | がふとがありて九品に入がたきものをば。邊地をま |
Z08_0193A08: | うけてむかへ。極樂の執心よはくして。邊地までもを |
Z08_0193A09: | よばぬものをば。懈慢をかまへてみちび(導)かる。か |
Z08_0193A10: | やうに。もる〻ものはあらせじと。すきま(入風)傍源語。入風ヲス |
Z08_0193A11: | キマト訓スルハ萬葉なき御方便なれば。さすがなにとすとも。こ |
Z08_0193A12: | のうちにはづる〻事はあるまじきを。(七三)なを又そ |
Z08_0193A13: | れまでも。かなはずして。もし穢土にと▲まる衆生も |
Z08_0193A14: | あらば。とく(疾)して。ほい(本意)をとげさせんとまで |
Z08_0193A15: | ちかはれたる。御悲慈のいたりのふか(深)さこそ。な |
Z08_0193A16: | のめならずおぼゆれ。しかあれば。いまの世に念佛申 |
Z08_0193A17: | あひたる人は。みないづかたにつけても。流轉ひさし |
Z08_0193A18: | かるまじき機となりぬるなり。(七四)さしも生死はる |
Z08_0193A19: | ばる(悠々)として。出離いつとし(助字)もなかりし身の。 |
Z08_0193A20: | わづかに一念傍心念ナリの緣をきざ(萠)して。三生にのぞみ |
Z08_0193B01: | をとげんすら。なほ過分の利益なるべきに。(七五)あ |
Z08_0193B02: | まさへ(剩)來迎を終焉のゆふべにまち。往生を順次の |
Z08_0193B03: | あしたに期する。これ曠劫の大慶。中々いふにもすぎ |
Z08_0193B04: | たり。(七六)まことに願力のふしぎにあらずば。いか |
Z08_0193B05: | でかか〻る。おほけなき(無應氣)たのみをかけん。げ(實) |
Z08_0193B06: | に思ひと(解)けば。悲喜もこもごも(交)になが(流)れ。 |
Z08_0193B07: | いひつ▲くれば。佛恩もいまさら(今更)にこそおぼゆ |
Z08_0193B08: | れ。(七七)た▲し。か〻る悲願にあまへて。(甘苦甘辛)心ざし |
Z08_0193B09: | ゆるらか(緩)にはあるべからず。くらゐ(位)を上品に |
Z08_0193B10: | あてが(擬)ひて。心行を急にすべきものなり。(七八) |
Z08_0193B11: | かやうに。群疑はし(端)おほ(多)くして。數篇事をつく |
Z08_0193B12: | さる〻程に。東窻あかつき(曉)いた(到)りて。西戶に月 |
Z08_0193B13: | のこれり。さらば。やう〱(漸々)まかりいで(退出)侍 |
Z08_0193B14: | りなん。いと(最)興にの(乘)りぬべきみちなりといは |
Z08_0193B15: | るれば。面々に。げにもさのみはいか▲と。なごりおほ |
Z08_0193B16: | くてやみぬ。(七九)凡はからざる兩度聞法の得益は。 |
Z08_0193B17: | これしかしながら。二尊遣迎の方便なり。すでに化風 |
Z08_0193B18: | あふぎ(扇)て。たびかさなりぬ。いまは蒙霧はれてのこ |
Z08_0193B19: | る事なし。(八〇)されども。うらむらくは。日にそへて |
Z08_0193B20: | 老の心。ほれ傍耄もてゆけばいかにも程へ(經)んま〻 |