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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0193A01: こそかなはずとも。結緣くちず(不朽)して。三生には。
Z08_0193A02: かならず往生し侍るべし。(七〇)つら〱事の心を
Z08_0193A03: おもふに。彌陀。ものをあはれむ心ざし。ねんごろに
Z08_0193A04: ませば。マシマセバナリ。(御座)本願。人をすくふ心ばせ。又こまや
Z08_0193A05: か(子細)なり。(七一)機の上下をもらさじと。くらゐ
Z08_0193A06: に九品をわかたれたるのみならず(七二)佛智をうた
Z08_0193A07: がふとがありて九品に入がたきものをば。邊地をま
Z08_0193A08: うけてむかへ。極樂の執心よはくして。邊地までもを
Z08_0193A09: よばぬものをば。懈慢をかまへてみちび(導)かる。か
Z08_0193A10: やうに。もる〻ものはあらせじと。すきま(入風)源語。入風ヲス
Z08_0193A11: キマト訓スルハ萬葉なき御方便なれば。さすがなにとすとも。こ
Z08_0193A12: のうちにはづる〻事はあるまじきを。(七三)なを又そ
Z08_0193A13: れまでも。かなはずして。もし穢土にと▲まる衆生も
Z08_0193A14: あらば。とく(疾)して。ほい(本意)をとげさせんとまで
Z08_0193A15: ちかはれたる。御悲慈のいたりのふか(深)さこそ。な
Z08_0193A16: のめならずおぼゆれ。しかあれば。いまの世に念佛申
Z08_0193A17: あひたる人は。みないづかたにつけても。流轉ひさし
Z08_0193A18: かるまじき機となりぬるなり。(七四)さしも生死はる
Z08_0193A19: ばる(悠々)として。出離いつとし(助字)もなかりし身の。
Z08_0193A20: わづかに一念心念ナリの緣をきざ(萠)して。三生にのぞみ
Z08_0193B01: をとげんすら。なほ過分の利益なるべきに。(七五)あ
Z08_0193B02: まさへ(剩)來迎を終焉のゆふべにまち。往生を順次の
Z08_0193B03: あしたに期する。これ曠劫の大慶。中々いふにもすぎ
Z08_0193B04: たり。(七六)まことに願力のふしぎにあらずば。いか
Z08_0193B05: でかか〻る。おほけなき(無應氣)たのみをかけん。げ(實)
Z08_0193B06: に思ひと(解)けば。悲喜もこもごも(交)になが(流)れ。
Z08_0193B07: いひつ▲くれば。佛恩もいまさら(今更)にこそおぼゆ
Z08_0193B08: れ。(七七)た▲し。か〻る悲願にあまへて。(甘苦甘辛)心ざし
Z08_0193B09: ゆるらか(緩)にはあるべからず。くらゐ(位)を上品に
Z08_0193B10: あてが(擬)ひて。心行を急にすべきものなり。(七八)
Z08_0193B11: かやうに。群疑はし(端)おほ(多)くして。數篇事をつく
Z08_0193B12: さる〻程に。東窻あかつき(曉)いた(到)りて。西戶に月
Z08_0193B13: のこれり。さらば。やう〱(漸々)まかりいで(退出)侍
Z08_0193B14: りなん。いと(最)興にの(乘)りぬべきみちなりといは
Z08_0193B15: るれば。面々に。げにもさのみはいか▲と。なごりおほ
Z08_0193B16: くてやみぬ。(七九)凡はからざる兩度聞法の得益は。
Z08_0193B17: これしかしながら。二尊遣迎の方便なり。すでに化風
Z08_0193B18: あふぎ(扇)て。たびかさなりぬ。いまは蒙霧はれてのこ
Z08_0193B19: る事なし。(八〇)されども。うらむらくは。日にそへて
Z08_0193B20: 老の心。ほれ耄もてゆけばいかにも程へ(經)んま〻

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