浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0184A01: | 淵ハ水深之處。美玉ノ所ナリレ出ル也。尸子ニ曰ク。龍淵生ス二玉 |
Z08_0184A02: | 英ヲ一。莊子ニ曰ク。千金之珠ハ。在二九重之淵。驪龍頷下一。 |
Z08_0184A03: | 故ニ曰。不レ窺二玉淵一者。不レ知二驪龍之蟠ヲ一也。已上●(四十)と |
Z08_0184A04: | をく過去を。をして無始といふ。○六塵の境。人の善 |
Z08_0184A05: | 法をかすむるを六賊といふ。○かすむるとは。あらは |
Z08_0184A06: | に。むばひとる事なり。○身にいかなる苦行をなして |
Z08_0184A07: | も。此御恩は。むくふべきやうなきを難酬といふ。口に |
Z08_0184A08: | いかなることばをはきても。このかたじけなさは。い |
Z08_0184A09: | ひつくしがたきを難謝といふなり。ほねをくだきて |
Z08_0184A10: | も。報じつくさんやといふは。難酬の義なり。となへ |
Z08_0184A11: | てむくひたてまつるべしとあるは。難謝の義なり。と |
Z08_0184A12: | てもこのかたじけなさを。ことばにはいひつくしが |
Z08_0184A13: | たければ。た▲名號をとなへて。謝したてまつるべし |
Z08_0184A14: | となり。○篇海類編ニ云ク。以テレ辭ヲ相吿ルヲ曰レ謝ト。已上歸 |
Z08_0184A15: | 命本願鈔ニ云ク。されば我等は。しどけなくとなへたれ |
Z08_0184A16: | ども。佛は一こゑもきこしめしすごさす。みな若不生 |
Z08_0184A17: | 者。不取正覺といふ。本願のなかにうけとり給ひて。佛 |
Z08_0184A18: | 力守護すれば。六塵のぬす人にもかすめられず。三毒 |
Z08_0184A19: | の火にもやかれずして。一念より一形にいたるまで。 |
Z08_0184A20: | みな決定往生の業となる也。已上○(四十一)これ念佛に |
Z08_0184B01: | 勝易の二義ある事をしめすなり。たとひ大善根なり |
Z08_0184B02: | とも。行じがたくば下機にかなふべからず。たとひた |
Z08_0184B03: | もちやすくとも。少善根ならば。大乘善根の國にはむ |
Z08_0184B04: | まれがたかるべし。しかるに行じやすくして。功德の |
Z08_0184B05: | すぐれたるが。佛願の善巧なり。これ。はからずしてた |
Z08_0184B06: | からの山にいれるがごとし。往生の業。またなにの不 |
Z08_0184B07: | 足かあらん。又雜善は行じがたくして。しかも功德す |
Z08_0184B08: | くなし。かの難劣と。この勝易とたくらべて信をます |
Z08_0184B09: | べし○。念佛鏡ニ云ク。行門省略ニM(シテ)。功德甚深シ。已上宋ノ |
Z08_0184B10: | 張揄カ普勸ノ文ニ云ク。假使。難クレ知リ難𪜈レ辨シ。猶當二勉力M(シテ) |
Z08_0184B11: | 精勤ス一。況ヤ佛號甚易レ持。淨土甚易レ往キ。八萬四千ノ法門。 |
Z08_0184B12: | 無二如レ是之捷徑一。已上妙經信解品ニ云ク。無上ノ寶聚。 |
Z08_0184B13: | 不ルニレ求自得タリ。已上十因ニ云ク。我等有テ二何ノ宿善一。幸ニ今 |
Z08_0184B14: | 値ヘル二此ノ佛號ニ一。無上ノ功德。不ニレ求メ自ラ得タリ。淨土之 |
Z08_0184B15: | 業。便以爲レ足レリト。已上●(四十二)功德いみじくして。と |
Z08_0184B16: | なへやすき事をわが身にひきうけて。佛恩をおもひ |
Z08_0184B17: | しるべし。しかるに。問者はじめのことばに。南無阿彌 |
Z08_0184B18: | 陀と申ばかりは。かろ〲しくして。いかほどの功德 |
Z08_0184B19: | なるべしとも。おぼゑぬといへるは。なにもしらぬう |
Z08_0184B20: | たがひなり。○せめてとは。切角の心なり。あふひの |