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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0173A01: なへしかば。炎々たる鑊湯。變じて淸凉の池となりし
Z08_0173A02: ためしいくらもあり。法苑珠林百丈淸規には。亡僧を荼毘
Z08_0173A03: する時。別の所爲なし。た〻維那をして。十たび彌陀
Z08_0173A04: の名號をとなへしめて。大衆十たひ和す。是を十念と
Z08_0173A05: いふ。終に廻向して。上來稱揚十念。資助往生と誦ず
Z08_0173A06: 百丈淸規。集維那。他の念佛に依て淨土に往生せり樂邦文類。
Z08_0173A07: 妙雲といひし尼は。いときなくして。父母にをくれた
Z08_0173A08: りけるが。二十年ばかり念佛して。おやの菩提をいの
Z08_0173A09: りしかは。ともに地獄のくるしみをのがれて。極樂に
Z08_0173A10: 往生せり語燈。中比の高僧は。六道講をこなひ給へる
Z08_0173A11: 一段ごとに。彌陀の名號をとなへて廻向まし〱き。
Z08_0173A12: その式を見るべし。今も住々に。をこなはる〻事な
Z08_0173A13: り。又藤原經綱の母。身まかりて後。夢に六字名號を
Z08_0173A14: 上にをきて。歌をよみてとふらへと侍りけるとて。人
Z08_0173A15: 人にす〻めてよませけるより。名號の六字をたて。よ
Z08_0173A16: こにをきて歌をよみて。追善にする事となれり。續千載哀傷部
Z08_0173A17: まことに追福は。遠人にかれいゐするがごとく。亡者
Z08_0173A18: に益ある事なり。○しかれば孝子。順孫は。先祖をたす
Z08_0173A19: けんためにも申べき念佛なり。かならずしも塔をた
Z08_0173A20: て佛像をつくりてのみ。幽魂をたすくる事ならば。いか
Z08_0173B01: ▲はせん。た▲此念佛のこゑにて。その三途のくる
Z08_0173B02: しみのやすむらんこそ。いとうれしきわざなれ。い
Z08_0173B03: かほども高聲にとなふべし。かの竹谷の乘願房の事
Z08_0173B04: は。練磨本宗の情ならし。●(十)これ前にくわしくあ
Z08_0173B05: りし事なり。寶王論。猶如淸珠セハ於濁水。濁
Z08_0173B06: 水不ヿヲカラ。念M(シテ)レハ於亂心。亂心不
Z08_0173B07: ヿヲナラ已上妄念に目をかけずして申せとす〻むる
Z08_0173B08: は。本この經說もあるゆへなり。●(十一)遵式は。も
Z08_0173B09: ろこし天台宗の高僧なり。ことに西方の行者にて。往
Z08_0173B10: 生傳にも入たまへり。これを慈雲懺主といひ。法寶大
Z08_0173B11: 師となづく。こ〻には略して。一章の大意をとりてし
Z08_0173B12: るし給へり。六字をあり〱と。きこゆるやうにとな
Z08_0173B13: へてこゑをたかく。はや口に申べし。ゆる〱とは。
Z08_0173B14: となふべからずとあり。心の散亂せぬやうにとの事
Z08_0173B15: なり。これ萬法の心なり。念佛方法。故今普稱佛之
Z08_0173B16: 。必須M(シテ)散亂。念々相續M(シテ)。繫
Z08_0173B17: 。口中聲々。喚阿彌陀佛。以緣歷M(シテ)。字々分
Z08_0173B18: ニM(シテ)。使心口ヲM(シテ)相繫。若百聲。若千聲。若萬聲。若
Z08_0173B19: 一日。若二日。若七日等。但是稱佛名時。無スルヿ
Z08_0173B20: 多少。並一心一意ニM(シテ)。心口相續。如M(シテ)此方

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