浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0173A01: | なへしかば。炎々たる鑊湯。變じて淸凉の池となりし |
Z08_0173A02: | ためしいくらもあり。法苑珠林百丈淸規には。亡僧を荼毘 |
Z08_0173A03: | する時。別の所爲なし。た〻維那をして。十たび彌陀 |
Z08_0173A04: | の名號をとなへしめて。大衆十たひ和す。是を十念と |
Z08_0173A05: | いふ。終に廻向して。上來稱揚十念。資助往生と誦ず |
Z08_0173A06: | 百丈淸規。集維那。他の念佛に依て淨土に往生せり樂邦文類。又 |
Z08_0173A07: | 妙雲といひし尼は。いときなくして。父母にをくれた |
Z08_0173A08: | りけるが。二十年ばかり念佛して。おやの菩提をいの |
Z08_0173A09: | りしかは。ともに地獄のくるしみをのがれて。極樂に |
Z08_0173A10: | 往生せり語燈。中比の高僧は。六道講をこなひ給へる |
Z08_0173A11: | 一段ごとに。彌陀の名號をとなへて廻向まし〱き。 |
Z08_0173A12: | その式を見るべし。今も住々に。をこなはる〻事な |
Z08_0173A13: | り。又藤原經綱の母。身まかりて後。夢に六字名號を |
Z08_0173A14: | 上にをきて。歌をよみてとふらへと侍りけるとて。人 |
Z08_0173A15: | 人にす〻めてよませけるより。名號の六字をたて。よ |
Z08_0173A16: | こにをきて歌をよみて。追善にする事となれり。續千載哀傷部 |
Z08_0173A17: | まことに追福は。遠人にかれいゐするがごとく。亡者 |
Z08_0173A18: | に益ある事なり。○しかれば孝子。順孫は。先祖をたす |
Z08_0173A19: | けんためにも申べき念佛なり。かならずしも塔をた |
Z08_0173A20: | て佛像をつくりてのみ。幽魂をたすくる事ならば。いか |
Z08_0173B01: | ▲はせん。た▲此念佛のこゑにて。その三途のくる |
Z08_0173B02: | しみのやすむらんこそ。いとうれしきわざなれ。い |
Z08_0173B03: | かほども高聲にとなふべし。かの竹谷の乘願房の事 |
Z08_0173B04: | は。練磨本宗の情ならし。●(十)これ前にくわしくあ |
Z08_0173B05: | りし事なり。寶王論ニ云ク。猶如下淸珠ヲ下セハ二於濁水ニ一。濁 |
Z08_0173B06: | 水不カレ得レ不ヿヲレ淸カラ。念M(シテ)レ佛ヲ投レハ二於亂心ニ一。亂心不レ得レ |
Z08_0173B07: | 不ヿヲレ佛ナラ。已上妄念に目をかけずして申せとす〻むる |
Z08_0173B08: | は。本この經說もあるゆへなり。●(十一)遵式は。も |
Z08_0173B09: | ろこし天台宗の高僧なり。ことに西方の行者にて。往 |
Z08_0173B10: | 生傳にも入たまへり。これを慈雲懺主といひ。法寶大 |
Z08_0173B11: | 師となづく。こ〻には略して。一章の大意をとりてし |
Z08_0173B12: | るし給へり。六字をあり〱と。きこゆるやうにとな |
Z08_0173B13: | へてこゑをたかく。はや口に申べし。ゆる〱とは。 |
Z08_0173B14: | となふべからずとあり。心の散亂せぬやうにとの事 |
Z08_0173B15: | なり。これ萬法の心なり。念佛方法ニ云ク。故ニ今普ク示ス二稱佛之 |
Z08_0173B16: | 法ヲ一。必須ク下制M(シテ)レ心ヲ不レ令二散亂セ一。念々相續M(シテ)。繫二緣ヲ名 |
Z08_0173B17: | 號ニ一。口中聲々。喚ヒ二阿彌陀佛ヲ一。以レ心ヲ緣歷M(シテ)。字々分 |
Z08_0173B18: | 明ニM(シテ)。使中心口ヲM(シテ)相繫上。若ハ百聲。若ハ千聲。若ハ萬聲。若ハ |
Z08_0173B19: | 一日。若ハ二日。若ハ七日等。但是稱ル二佛名ヲ一時。無レ管スルヿ二 |
Z08_0173B20: | 多少ヲ一。並ニ須二一心一意ニM(シテ)。心口相續ス一。如M(シテ)レ此方ニ得三一 |