浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0169A01: | たじけなく。罪惡の衆生にかはりて。身命をおしま |
Z08_0169A02: | ず。難行苦行し。萬善まどかにつとめもて。つゐに佛 |
Z08_0169A03: | になり給ひにしのち。あらゆる因行果德を。こと〲 |
Z08_0169A04: | く名號の中におさめて。のこりなく衆生にゆづり給 |
Z08_0169A05: | ひぬ。(三四)これによりて。その名號をとなふれば。お |
Z08_0169A06: | さまるところの功德。みな衆生のくちのうちになが |
Z08_0169A07: | れいりて。さながらお(イを)のが物となるゆへに。念 |
Z08_0169A08: | 佛の行者の功德は。またく彌陀とひとしくして。こと |
Z08_0169A09: | なることなし。まことに佛。か〻るはかりごとをめぐ |
Z08_0169A10: | らし給はずば。いかでかをろかなるわれら。たやすく |
Z08_0169A11: | 大善をえんや。(三五)抑佛果圓滿の御身には。萬德ひ |
Z08_0169A12: | とつもかけず。(不闕)これを。つかね(束)たる名號な |
Z08_0169A13: | れば。又いづれの善根かおさまらざらむ。一々の諸善 |
Z08_0169A14: | は。た▲わづかに。その中の小分にこそあたりたれ。 |
Z08_0169A15: | 念佛にをよばん事。さらにはし(階)たて〻も。かな |
Z08_0169A16: | ひがたし。(三六)しかれば名號は一念なれども。滅罪 |
Z08_0169A17: | 生善の功おほきに。諸行は。ちからをつくせども。除 |
Z08_0169A18: | 障獲益傍此四字出安樂集上の用すくなし。かるがゆへに阿彌陀 |
Z08_0169A19: | 經には。餘行をば少善根とおとし(貶)めて。かの國に |
Z08_0169A20: | うまれがたしと〻き。名號をば大善根とほめて。往生 |
Z08_0169B01: | する事やすしといへり。(三七)さるを人ごとに。無 |
Z08_0169B02: | 上の名號をばみだりにかろしめ。無下の諸善をばか |
Z08_0169B03: | へりてをもくする。これ返す〱僻案なり。(三八)す |
Z08_0169B04: | でに。土 |
Z08_0169B05: | 磧礫をすて〻玉淵のふかきをうか▲へと思ふ。(三九) |
Z08_0169B06: | さても無始よりこのかた。六賊のためにかすめられ |
Z08_0169B07: | て。一善をだにもたくはへざりつる身の。いかで。か |
Z08_0169B08: | かる超世の本願にあひて。大善の名號をき〻えつら |
Z08_0169B09: | ん。これしかしながら。大慈大悲の善巧。難酬難謝の |
Z08_0169B10: | 佛恩なり。たとひほねをくだきても。たやすく報じつ |
Z08_0169B11: | くさんや。すべからく身のたへん程となへて。むくひ |
Z08_0169B12: | たてまつるべし。(四〇)それ又。いかにいみじくとも。 |
Z08_0169B13: | たもちがたくば。いか▲せましに。萬善をつかねて。 |
Z08_0169B14: | 六字につ▲(縮)めたれば。名號は稱しやすくして。功 |
Z08_0169B15: | 德ははかりがたし。されば無上の寶聚。もとめざるに |
Z08_0169B16: | お(イを)のづからえたり。往生の業因。たやすくして |
Z08_0169B17: | 又たりぬ。あはれ。雜善の功すくなくして。行じがた |
Z08_0169B18: | きにはにぬ物かな。(四一)をろかなるわれらがため |
Z08_0169B19: | には。げにかくこそ。たくみ給ふべけれ。これまでも。 |
Z08_0169B20: | 佛の御心ざしのせめてなれば。おぼしのこす事もな |