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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0167A01: しみのやむ(息)らんこそ。なのめならず(不斜)うれし
Z08_0167A02: けれ。(九)次には心をして散せざらしむとて。高聲に念
Z08_0167A03: 佛すれば。妄念や(止)みて。心みだれぬ德あり。(一〇)
Z08_0167A04: これによりて。遵式法師の念佛の方法をしるすに
Z08_0167A05: は文字をたしかにとなへて高聲にはやくよばへと
Z08_0167A06: いへり。(一一)又諸佛歡喜すと云ふ德。ことにたうと
Z08_0167A07: し。念佛をば。よろづの佛。みなこぞ(擧)りて。ほい
Z08_0167A08: (本意)とし給ふゆへに。高聲に稱すれば。いよいよき
Z08_0167A09: きて歡喜〓給ふ。さればとなふるたびには。いまいか
Z08_0167A10: によろこび給らんとおもひやられて。ことにたのも
Z08_0167A11: しくおぼゆるなり。(一二)このほか禪林。又(ヒトツ)の德を
Z08_0167A12: くはへて。きくもの滅罪すと釋せり。これげにも。ゆ
Z08_0167A13: ゆしき(忌々敷)利益なるべし。(一三)さしも見る世には
Z08_0167A14: つみふかげなるもの〻みおほくて。あはれ惡道のす
Z08_0167A15: もりやとかはゆきに。(一四)さるは。つや〱後世と
Z08_0167A16: だにもいはねば。いかに罪業も。いと▲心のま〻につ
Z08_0167A17: もるらん。せめて。となへてだにもきかせたらば。す
Z08_0167A18: こしのつみはきえなんかし。これ。はかりなき事にあ
Z08_0167A19: らずや。(一五)そのうへ。わが身のつみを滅するに。又
Z08_0167A20: 重々の益あり。圓悟法師の釋に。自然察玄音之叩一レ心。
Z08_0167B01: 聽則塵累每消。滯情融朗といへる心は。(一六)みつか
Z08_0167B02: ら聲をあげてとなふるこゑ。かへりてわがみ〻にい
Z08_0167B03: れば。心た〻きうごかされて。たうとしときく。きけ
Z08_0167B04: ばすなはち罪業もつねに滅し。むせびたる妄念もう
Z08_0167B05: ちはらはれて。むねもあき。心もゆる〱となりぬと
Z08_0167B06: 釋するなり。げに稱名は。さる物にてこそあめるを。
Z08_0167B07: これまでとなへ心みて(試)念佛のきび(氣味)しりた
Z08_0167B08: る人は。いとまれ(希)なり。(一七)なによりも。身づ
Z08_0167B09: からとなへて。みづからきけば。きくにもき(消)え。
Z08_0167B10: となふるにもき(消)えて。一こゑ佛を稱するに。二た
Z08_0167B11: びつみを滅すらん()(ヤク)こそ。返す〱甘心せられて
Z08_0167B12: おぼゆれ。か〻るを。塵累つねにきゆともかけるな
Z08_0167B13: り。まことに天下の至妙にあらずば。なに物か功。こ
Z08_0167B14: れとひとしきあらむ。(一八)かくのごとくの德おほ
Z08_0167B15: し。かまへてこゑにたて〻念佛し給へ。(一九)た▲し
Z08_0167B16: 機(譏)嫌をはからひて。人のそし(譏)りをば。は
Z08_0167B17: ぶ(省)くべく侍り。(二〇)
Z08_0167B18: 又さきのわかき女のこゑして問て云。世にしたがひ。
Z08_0167B19: 人にまじ(交)らふならひはうちた(打堪)えへ)俗語不改ノ義也
Z08_0167B20: 念珠もつ事もかなはねば。かぎりある數遍をば。あし

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