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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0162A01: みつとむとも。ひとへに願力をたのみ。他力をあふぎ
Z08_0162A02: たらん人の念佛は。聲々念々。しかしながら他力の念
Z08_0162A03: 佛にてあるべし。されば三心をおこしたる人の念佛
Z08_0162A04: は。日々夜々。時々尅々にとなふれども。しかしながら
Z08_0162A05: 願力をあふぎ。他力をたのみたる心にて。となへゐた
Z08_0162A06: れば。かけてもふれても。自力の念佛とはいふべから
Z08_0162A07: ず。已上●(四五)大智律師彌陀經義疏。自。此
Z08_0162A08: 身久苦海。漂-流生死。孤露ニM(シテ)依。譬嬰兒
Z08_0162A09: -在M(シテ)坑穽。叫-呼スルニ父母。急危忙。一志依投M(シテ)
Z08_0162A10: 解免。聲々相續。念々不レハ移。雖理事行
Z08_0162A11: 定散異ナリト。皆成M(シテ)淨業。盡徃生已上●(四六)
Z08_0162A12: たとへにあはせて見るべし。●(四七)一聲とは。こゑ
Z08_0162A13: をいだしてとなふるなり。一念とは。こゑなくして心
Z08_0162A14: に念ずるなり。無間とは。たえずとなふる事なり。無
Z08_0162A15: 餘とは。餘行をまじえぬ事なり。良忠上人。他
Z08_0162A16: 者佛力也。佛力者願力也。而本願。至心信樂
Z08_0162A17: 欲生我國。乃至十念。已上乃至之言。顯盡形。憑
Z08_0162A18: 願力。常念佛也。此スヤ他力之行
Z08_0162A19: 哉。若M(シテ)念佛徃生。還自力也。何ニカ
Z08_0162A20: 雖不修行來迎ント已上●(四八)これは法然
Z08_0162B01: 上人の。禪勝房にしめし給へる御詞なり。繪詞傳第廿
Z08_0162B02: 一。語燈錄第四にのせられたり。○然阿上人の用意問
Z08_0162B03: 答に云。先師上人。故上人の御義を傳へていはく。自
Z08_0162B04: 力といふは。聖道門なり。自の三學のちからをたのみ
Z08_0162B05: て。出離をもとむるゆへなり。他力といふは。淨土門
Z08_0162B06: なり。淨土をもとむる人は。みな自の機分は。出離す
Z08_0162B07: るにあたはずとしりて。佛の他力をたのむゆへなり。
Z08_0162B08: しかるに近代の末學。淨土の行に。自力他力といふこ
Z08_0162B09: とをたて〻。念佛にも又。自力他力を分別しあるひは。
Z08_0162B10: 定散二善を自力とし。念佛を他力とすといへり。故上
Z08_0162B11: 人は仰られざりし義なり。いはんや自力の念佛は。邊
Z08_0162B12: 地の業となると云ふこと。またくきかざりし事なり
Z08_0162B13: 云云。この相傳をもて。かの新義をば心得べし。た▲し
Z08_0162B14: 義を以てくはしく論ずる時は。たとひ念佛を申すと
Z08_0162B15: も。あるひは念の心をさとらずば。徃生かなふまじと
Z08_0162B16: おもひ。あるひは。わが申す念佛は。功つもり德かさ
Z08_0162B17: なりたれば。目出たき念佛なり。さだめて人の念佛に
Z08_0162B18: は。まさりたるらんとおもひて。佛力の不思義をば。信
Z08_0162B19: ぜぬ心になりたらんは。まことに本願にたがふべし
Z08_0162B20: とおもふべし。となふるたびごとに。佛の御ちからを

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