浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0162A01: | みつとむとも。ひとへに願力をたのみ。他力をあふぎ |
Z08_0162A02: | たらん人の念佛は。聲々念々。しかしながら他力の念 |
Z08_0162A03: | 佛にてあるべし。されば三心をおこしたる人の念佛 |
Z08_0162A04: | は。日々夜々。時々尅々にとなふれども。しかしながら |
Z08_0162A05: | 願力をあふぎ。他力をたのみたる心にて。となへゐた |
Z08_0162A06: | れば。かけてもふれても。自力の念佛とはいふべから |
Z08_0162A07: | ず。已上●(四五)大智律師彌陀經義疏ニ云ク。自ラ慨ク。此ノ |
Z08_0162A08: | 身久ク沈ミ二苦海ニ一。漂二-流シ生死ニ一。孤露ニM(シテ)無レ依。譬ハ如下嬰兒 |
Z08_0162A09: | 墮二-在M(シテ)坑穽ニ一。叫二-呼スルニ父母ヲ一。急ニ救カ中危忙ヲ上。一志ニ依投M(シテ) |
Z08_0162A10: | 懇ニ求ヨ二解免ヲ一。聲々相續シ。念々不レハレ移。雖二復タ理事行 |
Z08_0162A11: | 殊ニ定散異ナリト一。皆成M(シテ)二淨業ヲ一。盡ク得二徃生ヲ一。已上●(四六) |
Z08_0162A12: | たとへにあはせて見るべし。●(四七)一聲とは。こゑ |
Z08_0162A13: | をいだしてとなふるなり。一念とは。こゑなくして心 |
Z08_0162A14: | に念ずるなり。無間とは。たえずとなふる事なり。無 |
Z08_0162A15: | 餘とは。餘行をまじえぬ事なり。良忠上人ノ云ク。他 |
Z08_0162A16: | 力ト者佛力也。佛力ト者願力也。而ニ本願ニ云ク。至心信樂 |
Z08_0162A17: | 欲生我國。乃至十念。已上乃至之言ハ。顯ス二盡形ヲ一。憑カ二此ノ |
Z08_0162A18: | 願力ヲ一故ニ。常ニ行ス二念佛ヲ一也。此レ豈ニ非スヤ二他力之行ニ一 |
Z08_0162A19: | 哉。若シ不M(シテ)二念佛一求ハ二徃生ヲ一。還テ是レ自力也。何ノ處ニカ佛 |
Z08_0162A20: | 願下雖不ト二修行セ一來迎ント上給ヤ。已上●(四八)これは法然 |
Z08_0162B01: | 上人の。禪勝房にしめし給へる御詞なり。繪詞傳第廿 |
Z08_0162B02: | 一。語燈錄第四にのせられたり。○然阿上人の用意問 |
Z08_0162B03: | 答に云。先師上人。故上人の御義を傳へていはく。自 |
Z08_0162B04: | 力といふは。聖道門なり。自の三學のちからをたのみ |
Z08_0162B05: | て。出離をもとむるゆへなり。他力といふは。淨土門 |
Z08_0162B06: | なり。淨土をもとむる人は。みな自の機分は。出離す |
Z08_0162B07: | るにあたはずとしりて。佛の他力をたのむゆへなり。 |
Z08_0162B08: | しかるに近代の末學。淨土の行に。自力他力といふこ |
Z08_0162B09: | とをたて〻。念佛にも又。自力他力を分別しあるひは。 |
Z08_0162B10: | 定散二善を自力とし。念佛を他力とすといへり。故上 |
Z08_0162B11: | 人は仰られざりし義なり。いはんや自力の念佛は。邊 |
Z08_0162B12: | 地の業となると云ふこと。またくきかざりし事なり |
Z08_0162B13: | 云云。この相傳をもて。かの新義をば心得べし。た▲し |
Z08_0162B14: | 義を以てくはしく論ずる時は。たとひ念佛を申すと |
Z08_0162B15: | も。あるひは念の心をさとらずば。徃生かなふまじと |
Z08_0162B16: | おもひ。あるひは。わが申す念佛は。功つもり德かさ |
Z08_0162B17: | なりたれば。目出たき念佛なり。さだめて人の念佛に |
Z08_0162B18: | は。まさりたるらんとおもひて。佛力の不思義をば。信 |
Z08_0162B19: | ぜぬ心になりたらんは。まことに本願にたがふべし |
Z08_0162B20: | とおもふべし。となふるたびごとに。佛の御ちからを |