ウィンドウを閉じる

Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0161A01: こり。稱名をやめつれば。信心はいつとなくかくる
Z08_0161A02: 〻ものなり。●(四一)一念義をひろむる人の語に。
Z08_0161A03: 念佛をおほく申さんとて。日々に數遍をつむは。他
Z08_0161A04: 力をうたがふなり。みづからはげみて徃生せんと
Z08_0161A05: するは。自力の念佛なり。徃生の道には信心を先とす。
Z08_0161A06: 信心だに決定せば。あながちに稱念をば要とせず。た
Z08_0161A07: だ一念となへて後。わが身を佛にうちまかすは。他力
Z08_0161A08: の念佛なりとす〻む。此男の問は。その說をきけるよ
Z08_0161A09: りおこるなり。これ元祖上人の。御在世よりありし事
Z08_0161A10: なり。のせて繪詞傳にあり。又聖覺法印の唯信抄にも
Z08_0161A11: 此事あり。捨子問答にもくはしくしるせり。●(四二)
Z08_0161A12: まづ自力。他力といふ根源をしるべし。念佛の多少に
Z08_0161A13: よりて。自力他力となつくる事にはあらず。源は龍樹
Z08_0161A14: 菩薩の十住毘婆娑論に。難易二道を判じ給へり。是す
Z08_0161A15: なはち自力他力の心なり。されどもまさしく自力他
Z08_0161A16: 力といふ詞は。曇鸞大師の淨土論註に。はじめて出た
Z08_0161A17: る名目なり。穢土とは此世界のごとく。凡夫のすむ處
Z08_0161A18: なり。不退とは菩薩の位を退轉せざる義なり。無生と
Z08_0161A19: は不生不滅の理なり。○十住毘婆娑論。佛法有
Z08_0161A20: 。如世間。有難有一レ易。陸道步行則苦
Z08_0161A21: 水道乘船則樂。菩薩亦如。或勤行精
Z08_0161B01: ナル。或方便。易行ニM(シテ)阿惟越致地已上
Z08_0161B02: 記主禪師。難易二道之文。自他二力之義。源出
Z08_0161B03: 。斯文者。正スルニ不退。有ルヿヲ難易
Z08_0161B04: 二道。非徃生。有リト難易二道。自力他力
Z08_0161B05: 亦附スルニ不退。以分-別。又云。就淨土門
Z08_0161B06: ルハ自他二力者。亦違論文。又難易之名。正
Z08_0161B07: 論文。自他二力。人師義立也。已上論註。唯
Z08_0161B08: 是自力ニM(シテ)地力已上彌勒問論。自分堅固ナルヲ
Z08_0161B09: 不退。勝進M(シテ)不轉已上法事讚。不
Z08_0161B10: 生死。故無生已上妙經文句。門三義
Z08_0161B11: 義。出義。別義。已上●(四三)聖光上人。自力
Z08_0161B12: 他力。聖道淨土。相對M(シテ)スル也。聖道。修三學
Z08_0161B13: 多劫。故自力。淨土。信M(シテ)佛願順次
Z08_0161B14: 徃生。故他力已上●(四四)わが行のちからにて。
Z08_0161B15: 徃生すべしとはおもはず。佛のちからのいみじくま
Z08_0161B16: し〱て。うまるまじきわが身も。うまる〻とおもひ
Z08_0161B17: てとなふなり。かこつは。あまへか〻る心なり。法然上
Z08_0161B18: 人云。念佛の數をおほく申ものをば。自力をはげむと
Z08_0161B19: いふ事。これ又。ものも覺ぬあさましき僻事なり。ただ
Z08_0161B20: 一念二念を唱とも。自力の心ならん人を。自力の念佛
Z08_0161B21: とすべし。千返萬返をとなへ。百日千日。よるひるはげ

ウィンドウを閉じる