浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0159A01: | 命ニ一。故ニ謂フ二之ヲ仁ト一。已上說文ニ云ク。忠ハ敬也。增韻ニ云ク。 |
Z08_0159A02: | 內盡M(シテ)二其ノ心ヲ一。而不ルレ欺カ也。已上●(三二)かの忠臣の君 |
Z08_0159A03: | につかふるに。ものうき事なきがごとく。いかほど |
Z08_0159A04: | 數遍をかさぬべきことはりなれども。あさましき |
Z08_0159A05: | 下機の癖にて。ある時は。心ざしありながら。ものう |
Z08_0159A06: | くてをこたり。ある時は外の緣にさえられて。うち |
Z08_0159A07: | わする〻事あり。すべて心と身と。かたちがひにて。 |
Z08_0159A08: | 心にはつとめばやとおもへども。などやらん。口に |
Z08_0159A09: | はとなふることすくなし。かならず數遍にかぎり |
Z08_0159A10: | ある往生ならば。いか▲はせん。多念といへども。 |
Z08_0159A11: | 人々隨分の多念こそたのもしけれ。●(三三)おちた |
Z08_0159A12: | ちてとは。おちつくところといふ詞なるべし。○我 |
Z08_0159A13: | も人も。數遍を本意とはしながら。何となくをこ |
Z08_0159A14: | たりがちなれば。往生も心もとなけれども。一念十念 |
Z08_0159A15: | の御ちかひむなしからず。一こゑに一度の往生を。あ |
Z08_0159A16: | てをき給へりとおもへばこそ。臨終もたのもしけれ |
Z08_0159A17: | との義なり。しかるに一念をかろしめて。多念にゆづ |
Z08_0159A18: | るはさかさまなり。○詮句とは。肝要の義なり。○入 |
Z08_0159A19: | 眼とは。畢竟成就の義なり。爰をよく〱見わけて料 |
Z08_0159A20: | 簡すべし。一念義にまぎる〻なり。本願抄諺註中の末 |
Z08_0159B01: | を見るべし。○下學集ニ云ク。入眼ハ日本ノ世俗。成就之 |
Z08_0159B02: | 義也。已上淨名ノ疏ニ云ク。身分雖レ多ト。所レ貴ブ者首ナリ。首 |
Z08_0159B03: | 分又多シ。其ノ要ハ者目ナリ。已上案ずるに。おちたちてと |
Z08_0159B04: | は。おりたちてといふ詞にて。ちの字はうつしあやま |
Z08_0159B05: | りなるべし。その事に身をなしたる樣の詞なり。源抄 |
Z08_0159B06: | 眞木柱に。おりたちてくみは見ねともわたり川。人の |
Z08_0159B07: | 瀨とはたちきらさりしを。●(三四)これすなはち多念 |
Z08_0159B08: | 義のす〻めなり。たとひ口にはをこたるとも。心には |
Z08_0159B09: | いかにもして。おほくとなえんとおもふべし。しから |
Z08_0159B10: | ば。佛の一念の者をもすてじとおぼしめす御心に相 |
Z08_0159B11: | かなひて。往生せんこと。たとへば水のすめる時。月の |
Z08_0159B12: | かげのうかぶがごとし。感とは牽召の義なり。行者の心。應 |
Z08_0159B13: | とは赴接の義なり。佛の心。○そらとは。をしはかる詞な |
Z08_0159B14: | り。月にかけてそらといふ。○妙玄ニ云ク。水モ不二上リ昇ラ一。 |
Z08_0159B15: | 月モ不二下リ降ラ一。一月一時ニ。普ク現ス二衆水ニ一。諸佛モ不レ來ラ。 |
Z08_0159B16: | 衆生モ不レ往。慈善根ノカ。見二如ノレ此事ヲ一。故ニ名二感應妙ト一。 |
Z08_0159B17: | (末)水ヲ譬フレ感ニ。月ヲ譬レ應ニ。不レ昇ラ不レ降ラ。感應道交ス。已上 |
Z08_0159B18: | ●(三五)その住處は。千萬里をへだて〻とをくとも。 |
Z08_0159B19: | その心ざしだにおなじければ。兄弟のごどく相した |
Z08_0159B20: | しむとの義なり。胡は北の國なり。越は南の國なり。昆 |