浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0157A01: | ●(一七)五障の非器を。すて給はざるがひとつの御恩 |
Z08_0157A02: | なり。●(一八)これふたつの御恩なり。●(一九)これ |
Z08_0157A03: | 三重の御恩なり。●(二〇)まめやかは眞實なり。かつ |
Z08_0157A04: | はよろこび。かつはかなしむをあひなかばといふ。● |
Z08_0157A05: | (二一)これなかばのかなしみなり。●(二二)これな |
Z08_0157A06: | かばのよろこびなり。●(二三)をよそ凡夫の淨土に |
Z08_0157A07: | うまるる事は。佛の他力によるがゆへなり。た▲十八 |
Z08_0157A08: | 願ばかりをたのむ。男子だにも往生す。まして女人は。 |
Z08_0157A09: | 十八と卅五とのふたつの本願をたのむゆへ。佛の慈 |
Z08_0157A10: | 悲ふたたびか〻りて。他力ます〱つよくなれば。往 |
Z08_0157A11: | 生いよ〱とげやすきなり。何事にも女人こそ。男子 |
Z08_0157A12: | をうらやむならひなるに。念佛往生の道には。女人の |
Z08_0157A13: | 身こそ中々うらやましけれ。たとひ男子は。往生をと |
Z08_0157A14: | げはづすとも。女人の往生は決定必定なり。もとより |
Z08_0157A15: | 阿彌陀如來は。女人往生の本尊なるに。今さらわが身 |
Z08_0157A16: | を卑下する女人は。かつて案內をしらぬ初心の人な |
Z08_0157A17: | り。●(二四)さるをとは。さやうにある物をなり。○さ |
Z08_0157A18: | まあしきとは。わがさまに心得たるなり。●(二四)あ |
Z08_0157A19: | れは人にすぐれて。念佛に信心ふかしと。いはる〻ほ |
Z08_0157A20: | どの女人も。やう〱十方衆生の言を聞て。男子なみ |
Z08_0157B01: | に本願をたのむなり。そのうへに。女人はとりわきて。 |
Z08_0157B02: | ふたつの本願に乘ずるいはれを心得ず。佛の御慈悲 |
Z08_0157B03: | のことにをもき事をおもひしるものなし。さしも佛 |
Z08_0157B04: | のこまかに御心を。付られたる甲斐もなく。大悲の本 |
Z08_0157B05: | 意にたがふ事なり。○をのづからとは。たま〱の心。 |
Z08_0157B06: | ○からくしてとは。隨分おもひきりて信ずる事なり。 |
Z08_0157B07: | からくも辛勞なり。○つらは。列の字にて。おとこな |
Z08_0157B08: | みといふ義なり。○うたてとは。薄情の字にて。心の |
Z08_0157B09: | うすき事なり。●(二六)摠じて女の心は。財寶の貪欲 |
Z08_0157B10: | にも。色のゆかりの戀の道にも。けやけく物をよろこ |
Z08_0157B11: | び。ふか〲と人をうらみ。何事にもかたむきに。お |
Z08_0157B12: | もひいる〻ものなり。その心を本願にうつして。われ |
Z08_0157B13: | ひとりがための御誓とうちたのみて。餘行に目をか |
Z08_0157B14: | けず。ただ阿彌陀如來を念じたてまつるべし。○かた |
Z08_0157B15: | くなとは。かたをちの心ならし。萬葉には。愚癡の字を |
Z08_0157B16: | よませたり。●(二七)幾生の女人となりし世々の妄 |
Z08_0157B17: | 習。展轉して。たとひ千萬劫を〻くるとも。男子とだに |
Z08_0157B18: | なりがたき身の。このたび彌陀佛の本願にあひて。臨 |
Z08_0157B19: | 終の一念十念にして。たやすく佛となれば。男相なを |
Z08_0157B20: | 得べからず。いはんや女相をや。これまことに超世の |