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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0157A01: ●(一七)五障の非器を。すて給はざるがひとつの御恩
Z08_0157A02: なり。●(一八)これふたつの御恩なり。●(一九)これ
Z08_0157A03: 三重の御恩なり。●(二〇)まめやかは眞實なり。かつ
Z08_0157A04: はよろこび。かつはかなしむをあひなかばといふ。●
Z08_0157A05: (二一)これなかばのかなしみなり。●(二二)これな
Z08_0157A06: かばのよろこびなり。●(二三)をよそ凡夫の淨土に
Z08_0157A07: うまるる事は。佛の他力によるがゆへなり。た▲十八
Z08_0157A08: 願ばかりをたのむ。男子だにも往生す。まして女人は。
Z08_0157A09: 十八と卅五とのふたつの本願をたのむゆへ。佛の慈
Z08_0157A10: 悲ふたたびか〻りて。他力ます〱つよくなれば。往
Z08_0157A11: 生いよ〱とげやすきなり。何事にも女人こそ。男子
Z08_0157A12: をうらやむならひなるに。念佛往生の道には。女人の
Z08_0157A13: 身こそ中々うらやましけれ。たとひ男子は。往生をと
Z08_0157A14: げはづすとも。女人の往生は決定必定なり。もとより
Z08_0157A15: 阿彌陀如來は。女人往生の本尊なるに。今さらわが身
Z08_0157A16: を卑下する女人は。かつて案內をしらぬ初心の人な
Z08_0157A17: り。●(二四)さるをとは。さやうにある物をなり。○さ
Z08_0157A18: まあしきとは。わがさまに心得たるなり。●(二四)あ
Z08_0157A19: れは人にすぐれて。念佛に信心ふかしと。いはる〻ほ
Z08_0157A20: どの女人も。やう〱十方衆生の言を聞て。男子なみ
Z08_0157B01: に本願をたのむなり。そのうへに。女人はとりわきて。
Z08_0157B02: ふたつの本願に乘ずるいはれを心得ず。佛の御慈悲
Z08_0157B03: のことにをもき事をおもひしるものなし。さしも佛
Z08_0157B04: のこまかに御心を。付られたる甲斐もなく。大悲の本
Z08_0157B05: 意にたがふ事なり。○をのづからとは。たま〱の心。
Z08_0157B06: ○からくしてとは。隨分おもひきりて信ずる事なり。
Z08_0157B07: からくも辛勞なり。○つらは。列の字にて。おとこな
Z08_0157B08: みといふ義なり。○うたてとは。薄情の字にて。心の
Z08_0157B09: うすき事なり。●(二六)摠じて女の心は。財寶の貪欲
Z08_0157B10: にも。色のゆかりの戀の道にも。けやけく物をよろこ
Z08_0157B11: び。ふか〲と人をうらみ。何事にもかたむきに。お
Z08_0157B12: もひいる〻ものなり。その心を本願にうつして。われ
Z08_0157B13: ひとりがための御誓とうちたのみて。餘行に目をか
Z08_0157B14: けず。ただ阿彌陀如來を念じたてまつるべし。○かた
Z08_0157B15: くなとは。かたをちの心ならし。萬葉には。愚癡の字を
Z08_0157B16: よませたり。●(二七)幾生の女人となりし世々の妄
Z08_0157B17: 習。展轉して。たとひ千萬劫を〻くるとも。男子とだに
Z08_0157B18: なりがたき身の。このたび彌陀佛の本願にあひて。臨
Z08_0157B19: 終の一念十念にして。たやすく佛となれば。男相なを
Z08_0157B20: 得べからず。いはんや女相をや。これまことに超世の

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