ウィンドウを閉じる

Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0156A01: し。法苑珠林には。衆惡の相をしるし給へり。又女人往
Z08_0156A02: 生章を見るべし。●(一四)さらなる事とは。俗に尤そ
Z08_0156A03: のとをりといふ詞なり。○九品といふは。字對ながら
Z08_0156A04: 底に心あり。女人たとひ往生すとも。下品下生などへ。
Z08_0156A05: やうやくうまる〻事ならんとおもふべければ。その
Z08_0156A06: うたがひを通ぜんために。九品といふなり。いかに女
Z08_0156A07: 人なりとも。その信心ふかく。念佛おほき人は。上品へ
Z08_0156A08: す〻むべし。その次は中品。またその次は。下品にうま
Z08_0156A09: るべし。さればもろこしの淨眞といふ尼は。上品にう
Z08_0156A10: まれ。わが朝の源の忠遠の妻は。中品にうまれたり。又
Z08_0156A11: おなじ女人なりとも。かざりをおろし。尼となりてこ
Z08_0156A12: そ。往生もとげやすかるべけれ。在家ながらは。いか▲
Z08_0156A13: とうたがうべからず。むかしより在家の女人の。往生
Z08_0156A14: したるためし。世におほき事なり。和漢の往生傳に。い
Z08_0156A15: くらものせたり。雪玉集の歌むらさきの雲のかよひちへたてめや。さこそおとめのうき
Z08_0156A16: 身なりとも。此心なり。新千載徽安門院。たのむそよいつ〻のさは
Z08_0156A17: りふかくとも。すてぬほとけのちかひ〻とつを。○十
Z08_0156A18: 勝論。執-持スルハ彌陀覺王之大願業力者。以五障
Z08_0156A19: 之女身。直九品之報土云云。●(一五)第十八願の
Z08_0156A20: 文は。本願抄にあり。すでに十方とあれば。いづかたの
Z08_0156B01: 國をもきらはず。衆生とあれば。いきとしいけるもの。
Z08_0156B02: みなおさまり。鳥けだもの〻雌雄。牝牡までも〻る〻
Z08_0156B03: ものなし。いはんや人間の女身をや。佛の御心は。男女
Z08_0156B04: 一同に。とりおさめて立給へる願なれば。男女〓親疎
Z08_0156B05: はなき事なり。なんぞ往生をうたがはん。〓とへばか
Z08_0156B06: ろき麻がらと。おもき石とをひとつ舟に〓せて。むか
Z08_0156B07: ひの岸にはこばんがごとし。あみだ佛の本願は。かろ
Z08_0156B08: き男子。をもき女人はいだめなく。おさめられて。極樂
Z08_0156B09: の岸につくことも。前後なきなり。もとより男女。おな
Z08_0156B10: じ佛をたのみて。おなじ念佛を申がゆへに。來迎にあ
Z08_0156B11: づかる事も。功德を得ることも。男子なればとてまさ
Z08_0156B12: らず。女人なればとておとらず。おなじ報佛の來迎に
Z08_0156B13: あづかり。ともに無上の功德を得るものなり。●(一六)
Z08_0156B14: これ大經私記の心なり。もと彌陀如來の本願は。四十
Z08_0156B15: 七願なるべきに。かさねて女人のためにとて。ひとつ
Z08_0156B16: の願をそへられたるゆへ。四十八願とはなれるなり。
Z08_0156B17: すなはち第卅五番の願を。女人往生の願といふ。○願
Z08_0156B18: 。設。十方無量不可思議諸佛世界
Z08_0156B19: 女人。聞名字。歡喜信樂シテ。發菩提心
Z08_0156B20: -惡女身。壽終之後。復爲女像者。不正覺已上

ウィンドウを閉じる