浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0154A01: | ぬれば。こはわれかの心あがりに。うちをく鏡も。なご |
Z08_0154A02: | りをしくおもふ。已上げにも女の子は。幼少の時より。 |
Z08_0154A03: | をのづから色よき衣裝をこのみ。むまれつきて身を |
Z08_0154A04: | かざる心あり。これ生々世々に。女人なりしならひな |
Z08_0154A05: | り。賢愚經ニ云ク。福藏到テ二大海ノ邊ニ一。見二一リノ新死端正ノ |
Z08_0154A06: | 女人ヲ一。見ル下有二一蟲一。從二其ノ口一出ツ。還テ從レ鼻入リ。復從レ |
Z08_0154A07: | 眼出テ。從レ耳而入ヲ上。目連。觀已テ捨テレ之ヲ而去ル。弟子問テ |
Z08_0154A08: | 言ク。是レ何ノ女人ゾ。答テ言ク。此ハ是レ舍衞城ノ中ノ。大薩薄カ |
Z08_0154A09: | 婦ナリ。容貌端正ニM(シテ)。世間ニ少シレ雙。其ノ婦常ニ以二三ノ奇木 |
Z08_0154A10: | 頭ヲ一。摯テレ鏡ヲ照シレ面ヲ。自ラ覩二端正ヲ一。便チ起M(シテ)二憍慢ヲ一。自ラ愛 |
Z08_0154A11: | 著ス。夫甚タ敬愛M(シテ)。將テ共ニ入ルレ海ニ。海惡ク船破レ。沒M(シテ)レ水ニ |
Z08_0154A12: | 而死シ。漂出テ在リレ岸ニ。此ノ薩薄婦。由テ二自ラ愛スルニ一レ身ヲ。死M(シテ) |
Z08_0154A13: | 後還テ生M(シテ)。在テ二故身ノ中ニ一。作レリ二此蟲ト一也。捨テ二蟲身ヲ一 |
Z08_0154A14: | 已テ。墮二大地獄ニ一。受ルヿレ苦ヲ無量ナラン。法苑三十寶王論中。彌勒論ニ |
Z08_0154A15: | 云ク。有二比丘一。雖レ得ト二道果ヲ一。常ニ以レ鏡ヲ照スレ面ヲ。前報ニ |
Z08_0154A16: | 爲リシ二女人ト一習氣在レハ也。義楚六帖第二十二。○これは身の上を |
Z08_0154A17: | いひ。下は。心の內をいふ。●(一二)つれ〲草にいは |
Z08_0154A18: | く。女の性は。みなひがめり。人我の相ふかく。貪欲は |
Z08_0154A19: | なはだしく。物のことはりをしらず。た▲まよひのか |
Z08_0154A20: | たに心もはやくうつり。こと葉もたくみに。くるしか |
Z08_0154B01: | らぬ事をも。とふ時はいはず。用意あるかとみれば。又 |
Z08_0154B02: | あさましき事まで。とはずがたりにいひいだす。ふか |
Z08_0154B03: | くたばかりかざれることは。男の智慧にもまさりた |
Z08_0154B04: | るかとおもへば。そのこと。あとよりあらはる〻をし |
Z08_0154B05: | らず。すなをならずして。つたなきものは女なり云云。 |
Z08_0154B06: | 摠じて女人は。たかきもいやしきも。よしなきねがひ |
Z08_0154B07: | つねに心にたへせず。くりかへし。かなはぬ事をくや |
Z08_0154B08: | む。人のまへをはづるかとおもへば。わが身をたかぶ |
Z08_0154B09: | りして。や〻もすれば。世の人をあなどる。智慧あさ |
Z08_0154B10: | くして。うたがうまじき事をうたがひ。心せばくして |
Z08_0154B11: | うらむまじき人をうらむ。色の道には心もとろけ。寶 |
Z08_0154B12: | を見ては欲をふかうす。夫をねたみ人をそねみ。と |
Z08_0154B13: | ほざかる人をばうらみくねり。したしむものをばな |
Z08_0154B14: | れあなどり。人にまじはりては物をあらそひ。したし |
Z08_0154B15: | き中をもいひさまたぐ。たくみに人の惡を察するは。 |
Z08_0154B16: | 女人の智なりと智論にも見へたり。親類の中のたが |
Z08_0154B17: | ふも。女人のこと葉よりおこり。寶をうしなひ。家の |
Z08_0154B18: | みだる〻事も。おほくは女人による。いさ〻かの事も |
Z08_0154B19: | 心にたがへば。かほをあかめていかる色。たちまちに |
Z08_0154B20: | 見ゆ。その時の心を繪にうつさば。くちなはのごとく。 |