浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0152A01: | につきたる來迎なれば。その時になりては。をのづか |
Z08_0152A02: | ら此身を愛する心もなく。命をおしむ氣もなきなり。 |
Z08_0152A03: | 父子相迎ニ云ク。靈儀にめうつりして。穢土のなごりも |
Z08_0152A04: | 覺へず。花臺に心す〻みて。往生の外は萬をわすれた |
Z08_0152A05: | り云云。續千載永觀律師世をすて〻あみた佛をたのむ身 |
Z08_0152A06: | は。をはりおもふそうれしかりける。●(七)これ平生 |
Z08_0152A07: | の用意をしめすなり。死はねむるがごとしとは。死を |
Z08_0152A08: | すこしもをそれぬ事なり。たとへば。ねむりきたらん |
Z08_0152A09: | 時。枕につくがごとく。心やすくおもへるさまなり。天 |
Z08_0152A10: | 台觀經ノ疏ニ云ク。王旣ニ覩テレ光ヲ增シレ道ヲ。知テ二國非ト一レ實ニ。 |
Z08_0152A11: | 視ルヿレ死ヲ如レ眠カ。已上○もろこしの嘉祥大師。臨終の時。 |
Z08_0152A12: | みづから筆をとりて。死不怖論を製し給へり。其ノ畧ニ |
Z08_0152A13: | 云ク。夫レ死ハ由リレ生來ル。宜クレ畏ル二於生ヲ一。吾レ若シ不ンハレ生セ。 |
Z08_0152A14: | 何ニ由テカ有ンレ死。見テ二其ノ初生ヲ一。卽チ知ル二終死ヲ一。宜ク應レ泣レ |
Z08_0152A15: | 生ニ。不レ應レ怖ルレ死ヲ。已上毘婆沙論ニ云ク。若シ人不レハレ修セ二福 |
Z08_0152A16: | 德ヲ一。則畏ル二於死ヲ一。自恐ルカ三後世墮スルヲ二惡道ニ一故ニ。多ク |
Z08_0152A17: | 集テ二福德ヲ一。死M(シテ)便チ生ス二於勝處ニ一。是ノ故ニ。不レ應ラレ畏ルレ死ヲ。 |
Z08_0152A18: | 頌ニ曰ク。待ヿレ死ヲ如クレ愛スルカレ客ヲ。去テ如シレ至ルカ二大會ニ一。多ク |
Z08_0152A19: | 集ルカ二福德ヲ一故ニ。捨ルレ命ヲ時無シレ畏ルヿ。已上顯性房云。我は |
Z08_0152A20: | 遁世の始よりして。とく死なばやといふ事をならひ |
Z08_0152B01: | しなり。さればこそ。卅餘年が間ならひしゆへに。今は |
Z08_0152B02: | 片時も忘れず。とく死れにたければ。すこしものびた |
Z08_0152B03: | る樣なれば。むねがつぶれてわびしきなり。已上又云。死 |
Z08_0152B04: | をいそぐ心ばへは。後世の第一のたすけにてあるな |
Z08_0152B05: | り。敬佛房云。一生はた▲生をいとへ。聖光上人云。八 |
Z08_0152B06: | 萬の法門は。死の一字をとく。死をわすれたれば。八萬 |
Z08_0152B07: | の法門を。自然に心えたるものなり。已上古德ノ云ク。生 |
Z08_0152B08: | 也猶如クレ著ルカレ衫ヲ。死也還テ同シレ脫ニレ袴ヲ。不下以二生死ヲ一 |
Z08_0152B09: | 爲中大變ト上。可レ知。已上心要。希逸カ註莊子ニ云ク。死生ハ旦夜也。 |
Z08_0152B10: | 知レハ二生之所ノレ居者暫ナルヿヲ一。則雖レ死スト而非二實死ニ一也。 |
Z08_0152B11: | 已上一前問答ニ云ク。鷄鳴ニ安坐M(シテ)。思ヘ二暑明ノ無ヲ一。朝ニハ思ヘ二 |
Z08_0152B12: | 晡時ノ無ヲ一。如レ此節スルヿ覃ハ二三五旬ニ一。動靜不レ有レ忘レ之。疾 |
Z08_0152B13: | 炙孰カ驚クレ之ニ。爆火誰カ不ンレ驚。已上太田の道灌ときこ |
Z08_0152B14: | えし武士。戰場にして鎗につらぬかれて死する時。よ |
Z08_0152B15: | めるとなん。○か〻るときさこそ命のおしからめ。か |
Z08_0152B16: | ねてなき身とおもひをかすは。又一休禪師の歌とか |
Z08_0152B17: | や。○過去よりも未來へとをるひとやすみ。雨ふらは |
Z08_0152B18: | ふれ風ふかはふけ。又蜷川氏。臨終によみたる歌とて。 |
Z08_0152B19: | ○うまれぬるそのあかつきに死にけれは。けふのゆ |
Z08_0152B20: | ふへは松風そふく。○右用意のためにしるす。なを行 |