ウィンドウを閉じる

Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0152A01: につきたる來迎なれば。その時になりては。をのづか
Z08_0152A02: ら此身を愛する心もなく。命をおしむ氣もなきなり。
Z08_0152A03: 父子相迎。靈儀にめうつりして。穢土のなごりも
Z08_0152A04: 覺へず。花臺に心す〻みて。往生の外は萬をわすれた
Z08_0152A05: り云云。續千載永觀律師世をすて〻あみた佛をたのむ身
Z08_0152A06: は。をはりおもふそうれしかりける。●(七)これ平生
Z08_0152A07: の用意をしめすなり。死はねむるがごとしとは。死を
Z08_0152A08: すこしもをそれぬ事なり。たとへば。ねむりきたらん
Z08_0152A09: 時。枕につくがごとく。心やすくおもへるさまなり。天
Z08_0152A10: 台觀經。王旣。知國非一レ
Z08_0152A11: ルヿ已上○もろこしの嘉祥大師。臨終の時。
Z08_0152A12: みづから筆をとりて。死不怖論を製し給へり。其
Z08_0152A13: 。夫生來。宜於生。吾ンハ
Z08_0152A14: テカ死。見初生。卽終死。宜
Z08_0152A15: 。不已上毘婆沙論。若人不レハ
Z08_0152A16: 。則畏於死。自恐ルカ後世墮スルヲ惡道。多
Z08_0152A17: 福德。死M(シテ)便於勝處。是。不
Z08_0152A18: 。待スルカ。去ルカ大會。多
Z08_0152A19: ルカ福德。捨時無ルヿ已上顯性房云。我は
Z08_0152A20: 遁世の始よりして。とく死なばやといふ事をならひ
Z08_0152B01: しなり。さればこそ。卅餘年が間ならひしゆへに。今は
Z08_0152B02: 片時も忘れず。とく死れにたければ。すこしものびた
Z08_0152B03: る樣なれば。むねがつぶれてわびしきなり。已上又云。死
Z08_0152B04: をいそぐ心ばへは。後世の第一のたすけにてあるな
Z08_0152B05: り。敬佛房云。一生はた▲生をいとへ。聖光上人云。八
Z08_0152B06: 萬の法門は。死の一字をとく。死をわすれたれば。八萬
Z08_0152B07: の法門を。自然に心えたるものなり。已上古德。生
Z08_0152B08: 也猶如ルカ。死也還。不生死
Z08_0152B09: 大變。可知。已上心要。希逸註莊子。死生旦夜也。
Z08_0152B10: レハ生之所居者暫ナルヿヲ。則雖スト而非實死也。
Z08_0152B11: 已上一前問答。鷄鳴安坐M(シテ)。思暑明。朝ニハ
Z08_0152B12: 晡時。如此節スルヿ三五旬。動靜不之。疾
Z08_0152B13: 炙孰。爆火誰驚。已上太田の道灌ときこ
Z08_0152B14: えし武士。戰場にして鎗につらぬかれて死する時。よ
Z08_0152B15: めるとなん。○か〻るときさこそ命のおしからめ。か
Z08_0152B16: ねてなき身とおもひをかすは。又一休禪師の歌とか
Z08_0152B17: や。○過去よりも未來へとをるひとやすみ。雨ふらは
Z08_0152B18: ふれ風ふかはふけ。又蜷川氏。臨終によみたる歌とて。
Z08_0152B19: ○うまれぬるそのあかつきに死にけれは。けふのゆ
Z08_0152B20: ふへは松風そふく。○右用意のためにしるす。なを行

ウィンドウを閉じる