浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0151A01: | は行によりてす〻む物なれば。かまへて。た▲念佛を |
Z08_0151A02: | もて。心をもよをすべきなり。閑窻無爲にして。專心に |
Z08_0151A03: | 念佛するに。稱名こゑすみぬれば。いかにも信心うご |
Z08_0151A04: | かずといふ事なし。信心もよをされたちぬれば。又稱 |
Z08_0151A05: | 名かへりていさまし。さる程に。信を行とたがひにた |
Z08_0151A06: | すけられて。往生の業。いよ〱す〻むゆへに。かたが |
Z08_0151A07: | た〻くみなる故實にて侍るなり。(五七) |
Z08_0151A08: | 諺註 |
Z08_0151A09: | ●(一)わが身念佛は申せども。死をおそる〻心ある |
Z08_0151A10: | は。いまだ信心の決定せぬゆへかとの問なり。●(二) |
Z08_0151A11: | 生あるものはかならず死ぬる事。たれとてものがれ |
Z08_0151A12: | ぬ道なれば。われひとりのがればやとは。おもひもよ |
Z08_0151A13: | らぬなり。○いはけなくとは。俗に若輩がましき。わら |
Z08_0151A14: | べしきなどいふ語也。○智論ニ云ク。生心ハ望ム二安穩不 |
Z08_0151A15: | 死ヲ一。是ノ心癡人ノ所ナリレ生スル。已上身觀經ニ曰ク。生アル者ハ皆 |
Z08_0151A16: | 歸スレ死ニ。容顏ハ盡ク變衰ス。强力ハ病ニ所レ侵サ。無二能ク |
Z08_0151A17: | 免ルレ斯ヲ者一。已上●(三)今はのきはといふは。臨終の事 |
Z08_0151B01: | なり。○けうとくは。おそろしき心なり匠材。花鳥餘情 |
Z08_0151B02: | に。氣疎なり。おそ〱しき心也とあり。夕顏の卷に |
Z08_0151B03: | この詞あり。○すまはしきは。斟酌する義なり。伊勢物語の註 |
Z08_0151B04: | に有。○しなでもせぬ往生ならぬとは。現身往生をねが |
Z08_0151B05: | ふ詞なり。往生は本望なれども。臨終の苦痛がおそろ |
Z08_0151B06: | しさに。此身ながらしなずして。往生せばやとおもは |
Z08_0151B07: | る〻なり。○あさはかは。あさくはかなきなり。八雲御抄 |
Z08_0151B08: | ○あらそめのあさらの衣あさはかに。思ひていもに |
Z08_0151B09: | あはんものかも。萬葉十二。●(四)これまさしくたづぬ |
Z08_0151B10: | る詞なり。○因に。現身往生の事をいは▲。まづ天竺往 |
Z08_0151B11: | 生記。三寶感應錄にあり。勝尾の善仲。善算。信濃の藥 |
Z08_0151B12: | 連みなその人なり。拾遺往生傳。日本往生極樂記に見 |
Z08_0151B13: | ゆ。●(五)此返答の心は。たとひ心ざしふかく。信心 |
Z08_0151B14: | ある人も。なを死をおそ〻心ねはあるなり。それはあ |
Z08_0151B15: | ながちに。命をおしむにはあらねども。生々世々。身を |
Z08_0151B16: | 愛しなれたる餘執にて。物におどろき。死をおそる〻 |
Z08_0151B17: | なり。その心にても念佛すれば。本願におさめられて。 |
Z08_0151B18: | 往生をとぐるなり。此事傳通記にあり。ゆきてみるべ |
Z08_0151B19: | し。○おそりは。おそれなり。孝子經ニ云ク。民不レ畏レ死ヲ。 |
Z08_0151B20: | 奈何カ以テレ死ヲ懼サンレ之ヲ。已上●(六)南無阿彌陀佛のこゑ |