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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0151A01: は行によりてす〻む物なれば。かまへて。た▲念佛を
Z08_0151A02: もて。心をもよをすべきなり。閑窻無爲にして。專心に
Z08_0151A03: 念佛するに。稱名こゑすみぬれば。いかにも信心うご
Z08_0151A04: かずといふ事なし。信心もよをされたちぬれば。又稱
Z08_0151A05: 名かへりていさまし。さる程に。信を行とたがひにた
Z08_0151A06: すけられて。往生の業。いよ〱す〻むゆへに。かたが
Z08_0151A07: た〻くみなる故實にて侍るなり。(五七)
Z08_0151A08: 諺註
Z08_0151A09: ●(一)わが身念佛は申せども。死をおそる〻心ある
Z08_0151A10: は。いまだ信心の決定せぬゆへかとの問なり。●(二)
Z08_0151A11: 生あるものはかならず死ぬる事。たれとてものがれ
Z08_0151A12: ぬ道なれば。われひとりのがればやとは。おもひもよ
Z08_0151A13: らぬなり。○いはけなくとは。俗に若輩がましき。わら
Z08_0151A14: べしきなどいふ語也。○智論。生心安穩不
Z08_0151A15: 。是心癡人ナリスル已上身觀經。生アル
Z08_0151A16: 。容顏變衰。强力。無
Z08_0151A17: 已上●(三)今はのきはといふは。臨終の事
Z08_0151B01: なり。○けうとくは。おそろしき心なり匠材。花鳥餘情
Z08_0151B02: に。氣疎なり。おそ〱しき心也とあり。夕顏の卷に
Z08_0151B03: この詞あり。○すまはしきは。斟酌する義なり。伊勢物語の註
Z08_0151B04: に有。○しなでもせぬ往生ならぬとは。現身往生をねが
Z08_0151B05: ふ詞なり。往生は本望なれども。臨終の苦痛がおそろ
Z08_0151B06: しさに。此身ながらしなずして。往生せばやとおもは
Z08_0151B07: る〻なり。○あさはかは。あさくはかなきなり。八雲御抄
Z08_0151B08: ○あらそめのあさらの衣あさはかに。思ひていもに
Z08_0151B09: あはんものかも。萬葉十二。●(四)これまさしくたづぬ
Z08_0151B10: る詞なり。○因に。現身往生の事をいは▲。まづ天竺往
Z08_0151B11: 生記。三寶感應錄にあり。勝尾の善仲。善算。信濃の藥
Z08_0151B12: 連みなその人なり。拾遺往生傳。日本往生極樂記に見
Z08_0151B13: ゆ。●(五)此返答の心は。たとひ心ざしふかく。信心
Z08_0151B14: ある人も。なを死をおそ〻心ねはあるなり。それはあ
Z08_0151B15: ながちに。命をおしむにはあらねども。生々世々。身を
Z08_0151B16: 愛しなれたる餘執にて。物におどろき。死をおそる〻
Z08_0151B17: なり。その心にても念佛すれば。本願におさめられて。
Z08_0151B18: 往生をとぐるなり。此事傳通記にあり。ゆきてみるべ
Z08_0151B19: し。○おそりは。おそれなり。孝子經。民不
Z08_0151B20: 奈何サン已上●(六)南無阿彌陀佛のこゑ

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