浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0150A01: | いふ義なれば。しばしば念ずるは。返す〱他力をか |
Z08_0150A02: | こつにてこそあれ。いか程となへなば。自力にはなり |
Z08_0150A03: | 侍らむ。(四四)されば念佛するをば。おさなき子の。 |
Z08_0150A04: | ふかきあなにおちて。父母をさけびよばふにたとへ |
Z08_0150A05: | たり。それいかによばふとも。をのがこゑをちからに |
Z08_0150A06: | てはあがらめや。た▲きこえて。たすけられん事をの |
Z08_0150A07: | みこそおもふらめ。稱名の用意。これになぞらへてし |
Z08_0150A08: | りぬべし。(四五)いか程多念にはげむとも。をのがち |
Z08_0150A09: | からにてはかなふまじければ。た▲いくたびも。佛に |
Z08_0150A10: | うれへきこえて。他力の存生をとげんとなり。(四六) |
Z08_0150A11: | いはんや又。一聲一念をかろしめて。無間。無餘にも |
Z08_0150A12: | となばへこそ。自力の心ともきらはれめ。一念なを往 |
Z08_0150A13: | 生に不足なし。まして多念つとめたらんはと。思ては |
Z08_0150A14: | げまんは。いづくか他力の信心にそむくべき。(四七) |
Z08_0150A15: | されば黑谷の上人の。の給ひけるは。佛すでに。一こゑ |
Z08_0150A16: | もわが名をとなへんものをば。かならずわが國に生 |
Z08_0150A17: | ぜしめんと。ちかはれぬれば。たとひた▲。一遍の念 |
Z08_0150A18: | 佛ばかりにても。なを一度の往生をばとげぬべし。ま |
Z08_0150A19: | して一期の念佛をとりあつめて。などか。一度の往生 |
Z08_0150A20: | をせざらんとこそ侍りけれ。(四八) |
Z08_0150B01: | 又おとこのこゑにて問ていはく。さすが。ひたすら念 |
Z08_0150B02: | 佛に信なき身とはおぼえぬが。しかも本願のたうと |
Z08_0150B03: | き事なンどの。つねにも思ひいでられぬは。いか▲し |
Z08_0150B04: | 侍るべき。(四九) |
Z08_0150B05: | 答云。まことに信心は。たえずす〻むべきものになん |
Z08_0150B06: | 侍り。すべて野のかせき(鹿)つなぎがたく。家のいぬ |
Z08_0150B07: | つねになれたれば。惡念はいとへどもおこりやすく。 |
Z08_0150B08: | 善心はねがへどもしりぞきやすきゆへに。いかにも。 |
Z08_0150B09: | さでうちをかば。やがて思ひとをざかる事侍るべし。 |
Z08_0150B10: | (五〇)しかるに。信心をもよをすはし(端)。ひとつに |
Z08_0150B11: | あらざれども。ことにたよりをえたる緣に五あり。 |
Z08_0150B12: | (五一)一には。師にしたがひて。たうとき事をき〻。 |
Z08_0150B13: | (五二)二には。聖敎にむかひて。そのことはりをおも |
Z08_0150B14: | ふ。(五三)三には。心あるともにそひて。つねに後世 |
Z08_0150B15: | 物がたりする。(五四)四には。こゑをたて〻。しづかに |
Z08_0150B16: | 念佛申す。(五五)五には。わが身のありさまに。心を |
Z08_0150B17: | かけてなすわざの。みな。つみなる事をおもひしれば。 |
Z08_0150B18: | か〻るをもすて給はぬふしぎさよと。いよ〱本願 |
Z08_0150B19: | に信心がす〻むなり。(五六)これらはいづれも。みな |
Z08_0150B20: | 詮要なりといへども。大かた行は信によりて成じ。信 |