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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0150A01: いふ義なれば。しばしば念ずるは。返す〱他力をか
Z08_0150A02: こつにてこそあれ。いか程となへなば。自力にはなり
Z08_0150A03: 侍らむ。(四四)されば念佛するをば。おさなき子の。
Z08_0150A04: ふかきあなにおちて。父母をさけびよばふにたとへ
Z08_0150A05: たり。それいかによばふとも。をのがこゑをちからに
Z08_0150A06: てはあがらめや。た▲きこえて。たすけられん事をの
Z08_0150A07: みこそおもふらめ。稱名の用意。これになぞらへてし
Z08_0150A08: りぬべし。(四五)いか程多念にはげむとも。をのがち
Z08_0150A09: からにてはかなふまじければ。た▲いくたびも。佛に
Z08_0150A10: うれへきこえて。他力の存生をとげんとなり。(四六)
Z08_0150A11: いはんや又。一聲一念をかろしめて。無間。無餘にも
Z08_0150A12: となばへこそ。自力の心ともきらはれめ。一念なを往
Z08_0150A13: 生に不足なし。まして多念つとめたらんはと。思ては
Z08_0150A14: げまんは。いづくか他力の信心にそむくべき。(四七)
Z08_0150A15: されば黑谷の上人の。の給ひけるは。佛すでに。一こゑ
Z08_0150A16: もわが名をとなへんものをば。かならずわが國に生
Z08_0150A17: ぜしめんと。ちかはれぬれば。たとひた▲。一遍の念
Z08_0150A18: 佛ばかりにても。なを一度の往生をばとげぬべし。ま
Z08_0150A19: して一期の念佛をとりあつめて。などか。一度の往生
Z08_0150A20: をせざらんとこそ侍りけれ。(四八)
Z08_0150B01: 又おとこのこゑにて問ていはく。さすが。ひたすら念
Z08_0150B02: 佛に信なき身とはおぼえぬが。しかも本願のたうと
Z08_0150B03: き事などの。つねにも思ひいでられぬは。いか▲し
Z08_0150B04: 侍るべき。(四九)
Z08_0150B05: 答云。まことに信心は。たえずす〻むべきものになん
Z08_0150B06: 侍り。すべて(ソトモ)のかせき(鹿)つなぎがたく。家のいぬ
Z08_0150B07: つねになれたれば。惡念はいとへどもおこりやすく。
Z08_0150B08: 善心はねがへどもしりぞきやすきゆへに。いかにも。
Z08_0150B09: さでうちをかば。やがて思ひとをざかる事侍るべし。
Z08_0150B10: (五〇)しかるに。信心をもよをすはし(端)。ひとつに
Z08_0150B11: あらざれども。ことにたよりをえたる緣に五あり。
Z08_0150B12: (五一)一には。師にしたがひて。たうとき事をき〻。
Z08_0150B13: (五二)二には。聖敎にむかひて。そのことはりをおも
Z08_0150B14: ふ。(五三)三には。心あるともにそひて。つねに後世
Z08_0150B15: 物がたりする。(五四)四には。こゑをたて〻。しづかに
Z08_0150B16: 念佛申す。(五五)五には。わが身のありさまに。心を
Z08_0150B17: かけてなすわざの。みな。つみなる事をおもひしれば。
Z08_0150B18: か〻るをもすて給はぬふしぎさよと。いよ〱本願
Z08_0150B19: に信心がす〻むなり。(五六)これらはいづれも。みな
Z08_0150B20: 詮要なりといへども。(オホ)かた行は信によりて成じ。信

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