浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0149A01: | りて一念は。いはればかりか。多念や。まことならむと |
Z08_0149A02: | の給ひつる。返々さかさまなるうたがひなり。(三三) |
Z08_0149A03: | た▲し。たとひはげみえずとも。かまへてとは。なを |
Z08_0149A04: | 存ずべきなり。かくて機の多念にと思ふ心ざし。佛の |
Z08_0149A05: | 一念をもと。おぼしめす御心ざしに相應しなば。感應 |
Z08_0149A06: | 水月にひとしく。往生のみち。そら(暗)に通じ侍りな |
Z08_0149A07: | ん。(三四)すでに心ざしかなふ時は。胡越も昆弟たり |
Z08_0149A08: | といへば。などか又。心ざしかなはんとき。淨穢も親眤 |
Z08_0149A09: | たらざらん。(三五)いはんや。つねにとなへんにいた |
Z08_0149A10: | りては。いよ〱むつびふか〻るべし。これによりて。 |
Z08_0149A11: | 善導大師は。衆生ほとけを念ずれば。佛も衆生を念じ |
Z08_0149A12: | 給ふゆへに。佛と衆生と。したしき緣ありと釋し給へ |
Z08_0149A13: | り。(三六)いはゆる佛の衆生を念じ給ふとは。このと |
Z08_0149A14: | なふるこゑをきこしめすごとに。かならずわが國に |
Z08_0149A15: | うまれよと。還念し給ふなるべし。(三七)さしもをろ |
Z08_0149A16: | かなる凡夫の思ひだにも。念力は。はしたなき(强)物に |
Z08_0149A17: | てこそあンなるに。まいて佛の御心ざし。せちにかまへ |
Z08_0149A18: | てと念じ給はむ。いかでか。むなしく侍るべき。(三八) |
Z08_0149A19: | これをおもふに。いと▲往生はさうゐ(イい)あらじと。 |
Z08_0149A20: | たのもしくこそおぼゆれ。か〻るにつけても。ます |
Z08_0149B01: | ます佛をとなへて。佛にもつねに念ぜられたてまつ |
Z08_0149B02: | るべし。(三九)そのうへ多念をはげむおりこそ。お(イ |
Z08_0149B03: | を)のづから。一念もむなしからずと思ふ信心もおこ |
Z08_0149B04: | れり。十聲一聲もといふに。うちゆる(緩)びて。あまり |
Z08_0149B05: | 懈怠になりぬれば。はて(盡)は。さりとものたのみも。 |
Z08_0149B06: | なくなる事にて侍り。(四〇) |
Z08_0149B07: | 又問ていはく。一念といひ。多念とす〻むるいはれ。あ |
Z08_0149B08: | きらかにうけ給はりひらきぬ。た▲し。かく多念には |
Z08_0149B09: | げまんと思はんは。さて自力の心とはなり侍るまじ |
Z08_0149B10: | きにや。(四一) |
Z08_0149B11: | 答云。自力他力の法門は。こ〻ろ。龍樹の論判よりいで |
Z08_0149B12: | て。ことば。鸞師の釋義にあり。そのお(イを)もむきを |
Z08_0149B13: | みるに。穢土にありながら。不退にいたるみちを自力 |
Z08_0149B14: | といひ。淨土にゆきて。無生にかなふ門を他力となづ |
Z08_0149B15: | けたり。(四二)そのほかに。また(全)く聖敎に念佛お |
Z08_0149B16: | ほく申すを。自力ときらひたる文なし。しかるを。をろ |
Z08_0149B17: | かなる學者。經釋にもなき事を。つくりいで〻。みだ |
Z08_0149B18: | りにをのが心を。ほしきま〻にする。これさたのほか。 |
Z08_0149B19: | さらにもちゐるにたらず。(四三)詮ずるところ。南無 |
Z08_0149B20: | 阿彌陀佛と〻なふるは。たすけ給へ。阿彌陀ほとけと |