浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0148A01: | は。かなしけれども。(二一)又往生のやすき事は。本願 |
Z08_0148A02: | に乘ずるゆへなれば。いくたびもちかはれたらむこ |
Z08_0148A03: | そ。よろこびにてはあるべけれ。(二二)すでに男子は。 |
Z08_0148A04: | 一の願に乘ずるを。女人はかさねて二の願に乘じぬ |
Z08_0148A05: | れば。他力いよ〱つよくなりぬ。往生なにのあやぶ |
Z08_0148A06: | みかあらん。中々女の身こそ。そねましきまでうら |
Z08_0148A07: | やましけれ。(二三)さるを女人なればと。ひげ(卑下)せ |
Z08_0148A08: | んやは。むげにさまあしきうたがひなるべし。(二四) |
Z08_0148A09: | たとひ又。お(イを)のづから信をとりたるよしなるも。 |
Z08_0148A10: | からくして。男子のつら(列)にたのみをかけて。さし |
Z08_0148A11: | も。とりわき。いまひときは(今一限)と。たて給へるちか |
Z08_0148A12: | ひまでをば。つや〱さらに思ひもしらず。これうた |
Z08_0148A13: | て。ほいなき事になん侍り。(二五)かまへてをんな心 |
Z08_0148A14: | は。かたくなに。わが身ひとつの本願ぞかしと思ひい |
Z08_0148A15: | れて。そばめも見ず。ふか〲とたのみたてまつるべ |
Z08_0148A16: | きなり(二六)さても。千劫萬劫をふ(經)とも。あらた |
Z08_0148A17: | めがたき女の身の。わづかなる一念十念によりて。た |
Z08_0148A18: | やすく往生をとげんきざみ。すみやかに男子となら |
Z08_0148A19: | ん事。それいくばくのよろこびぞや。まめやかに。本願 |
Z08_0148A20: | の世にこえたる程は。これにてことにあらはれたり。 |
Z08_0148B01: | (二七)さる御慈悲は又。なに〻むけてもと。いと▲ |
Z08_0148B02: | 男子の往生さへ。心やすくなぞら(准)へしられぬ。 |
Z08_0148B03: | (二八) |
Z08_0148B04: | 又男のこゑにて問て云。一念もまめやかに不足なき |
Z08_0148B05: | 事ならば。なじかはさのみ。多念にとなへよとはいは |
Z08_0148B06: | む。これをおもふに。いかにも一念もといふは。た▲ |
Z08_0148B07: | ことはりばかりにて。げには多念にはげみてすべき |
Z08_0148B08: | 往生なるにや。(二九) |
Z08_0148B09: | 答ていはく。かやうにゆる〱お(イを)しへ。急にす〻 |
Z08_0148B10: | むる。みなそのいはれ侍り。(三〇)たとへば。きみ臣を |
Z08_0148B11: | 愛するに。仁をもて(以)し。臣きみにつかふるには。忠 |
Z08_0148B12: | をもてするがごとく。佛はいつくし(仁寵)み。ふかくま |
Z08_0148B13: | せ(在)ば。一念をもすてじとちかはれたり。機は忠ある |
Z08_0148B14: | べければ。多念にはげめとす〻むるぞかし。(三一)し |
Z08_0148B15: | かれども。つみふかき身のならひは。物うく(惰)て。を |
Z08_0148B16: | こたるおりあり。まぎれてわす〻る時あり。わづかに |
Z08_0148B17: | 心にははげまばやと。おもむけたれども。うるはしく |
Z08_0148B18: | (眞)身につとめうる事はかたし。(三二)されば。おち |
Z08_0148B19: | たち(イおりたち)ては。た▲乃至十念の本願が。たのむとこ |
Z08_0148B20: | ろの詮句となりて。往生の入眼をばする物を。あやま |