浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0141A01: | り。○うちやりてといふ詞は。兩樣には見ゆるなり。す |
Z08_0141A02: | てをく心。後へをくる心。●(三八)いと▲しくは。あま |
Z08_0141A03: | りはやき心なり。初心の時より。まづ三心がそなはる |
Z08_0141A04: | かと。わが心をかへりみるとも。聊爾にはおこるまじ |
Z08_0141A05: | き道理なり。●(三九)そうあるゆへに。いついづれの |
Z08_0141A06: | 心がおこるよと。手ごたへもせず。覺もなければ。い |
Z08_0141A07: | よいよ心もとなくなりて。さま〲の事をおもふな |
Z08_0141A08: | り。●(四〇)以上には非をえらび。以下は正しくしめ |
Z08_0141A09: | す。○これ自然に。三心を發得する故實なり。○たの |
Z08_0141A10: | もしくおもふ心が。すなはち橫の三心なるべし。眞實 |
Z08_0141A11: | にたのもしくおもふは。至誠心なり。ふかくたのみて |
Z08_0141A12: | うたがひなければ。深心なり。くりかへしたのむ心 |
Z08_0141A13: | が。すなはち廻向心なり。眞如堂本尊の御歌に。た〻 |
Z08_0141A14: | たのめよろつのつみはふかくとも。わか本願のあら |
Z08_0141A15: | んかきりは云云。此御示現の五もじが。ことにたうと |
Z08_0141A16: | く侍る。たすけたまへと。たのみをかくる橫の三心な |
Z08_0141A17: | らし。○おもひしむるとは。心にそめつくる義なり。 |
Z08_0141A18: | 染の字なり。しと。そと竪音通ず。○白氏文集四ニ云ク。 |
Z08_0141A19: | 人非二木石ニ一。皆有レ情。已上止觀ノ二ニ云ク。對M(シテ)レ境ニ覺知スルヿ。 |
Z08_0141A20: | 異ナルヲ二乎木石ニ一名テ爲レ心ト。已上●(四一)むかし。魏の武 |
Z08_0141B01: | 帝。軍に出て道にまよひぬ。士卒みな。つかれかはき |
Z08_0141B02: | て。のまんとするに水なし。曹操下知していはく。今 |
Z08_0141B03: | すこしす〻め。さきに大なる梅の林あり。その子あま |
Z08_0141B04: | くして酸し。とりて渴をやむべしといふを聞て。つは |
Z08_0141B05: | ものども。あらそひはしりて。それをのぞむ時。をの |
Z08_0141B06: | ずから口の中に津出たり。魏志。韻瑞五。事苑五。纂要二。うるひは。う |
Z08_0141B07: | るほひなり。惠心の歌にも。ひと時にそ〻きし雨にう |
Z08_0141B08: | るひつ〻とあり。○大佛頂萬行經ニ云ク。談二-說スレハ醋 |
Z08_0141B09: | 梅ヲ一。口中ニ水出ツ。思ハレ蹈ント二懸險ヲ一。足心悛澀ス。修シレ善ヲ |
Z08_0141B10: | 止ヿレ惡ヲ如レ此。又楞嚴十之下。論註ニ云ク。依テ二本ト法藏菩薩ノ四 |
Z08_0141B11: | 十八願ニ一。今日阿彌陀如來ニ自在神力アリ。已上記主上人ノ |
Z08_0141B12: | 云ク。十劫正覺。利益衆生ヲ名テ爲ス二大力ト一。已上●(四二) |
Z08_0141B13: | これかさねてのをしへなり。利根障輕の人は。聞て忽 |
Z08_0141B14: | に信を生ず。根鈍障重の機は。やうやくに信を得べ |
Z08_0141B15: | し。た▲なる〻がよきなり。○遺敎節要ニ云ク。無キハ二聞 |
Z08_0141B16: | 慧一。如シ二覆器ノ不カ一レ能レ受ルヿレ水ヲ。無クハ二思慧一。如シ二漏器ノ |
Z08_0141B17: | 雖モレ受ト而失カ一云云。●(四三)泰山はもろこしの山の |
Z08_0141B18: | 名なり。やはらかなる水のじづくなれども。やう |
Z08_0141B19: | やくにした〻りて。かたき石のくぼむ事は。やむ |
Z08_0141B20: | 事なきゆへなり。これ文選三十九にあり。枚叔が語な |