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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0139A01: ずして。いたづらに。衣食をもとめて。くるしみけん
Z08_0139A02: ためしなるべし。五百弟子授記品。○俱舍根品頌疏。信
Z08_0139A03: 者澄淨也。如水淸珠ムル濁水。心レハ
Z08_0139A04: 。令心澄淨ナラ。有。於四諦三寶善惡業界。忍
Z08_0139A05: スルヲ已上●(二五)是はうたがひの相をしめ
Z08_0139A06: す。○さはいへどとは。さうはいへどもなり。○たは
Z08_0139A07: やすくとは。たやすきなり。僻案抄。たやすくとい
Z08_0139A08: ふ詞に。文字をそへていへるなり。河海同。後撰集よみ人しらず
Z08_0139A09: あられふるみ山のさとのさひしきは。きてたはや
Z08_0139A10: すくとふ人てなき。○かすめうたがふは。澄淨の義な
Z08_0139A11: きなり。○たうとくおもへぬは。忍許の義なきなり。
Z08_0139A12: ●(二六)まことに當世は。淨土宗。天下にひろまりて。
Z08_0139A13: 念佛のをしへ。こ〻かしこにあるゆへ。いかにをろか
Z08_0139A14: なるものも。阿彌陀佛のたのもしき事をばき〻しれ
Z08_0139A15: り。そのたのもしきがすなはち信心なり。されば。世
Z08_0139A16: 間の念佛申ほどの人に信心のなきはなし。たとひ一
Z08_0139A17: こゑなりとも。南無阿彌陀佛と申さる〻が。信心のあ
Z08_0139A18: るしるしなり。千萬人の中に。ひとりなどは。佛のち
Z08_0139A19: からをも〓たがふ。ねぢけ人もあるべし。それはよく
Z08_0139A20: よく。宿業のつたなかりしむくひにて。本願のいはれ
Z08_0139B01: をも。えき〻わけぬもの〻。あら〱しきこ〻ろなる
Z08_0139B02: べし。●(二七)わりなきは。あながちなり。○きくおり
Z08_0139B03: とは。き〻うくる時なり。○心うごくとは。感ずる義
Z08_0139B04: なり。○やはあるとは。なきぞといふ詞なり。○禮記
Z08_0139B05: 。感M(シテ)於物而動。故於聲已上文選卅四。枚
Z08_0139B06: 。動カシカス已上。言フハ
Z08_0139B07: レハ聞見スル也。已上榊の卷に。中々心うご
Z08_0139B08: きて。おぼし見たりと有。●(二八)やがてとは。そ
Z08_0139B09: れすなはちの心なり。○かやすくとは。た▲やすくな
Z08_0139B10: り。匠材集。又たやすきは。合期の義か。やすきは。かろき
Z08_0139B11: 心なり。埃囊抄。○もてなやむとは。うれへもとむる義な
Z08_0139B12: り。○さへとは。副の字なり。すこしの信心までを。
Z08_0139B13: うしなふ義なり。○所詮往生も。一定とおもへば一
Z08_0139B14: 定。不定におもへば不定になるがごとく。信心もを
Z08_0139B15: のづからおこるなり。わが身には。信心なしとかなし
Z08_0139B16: めば。ある信心もさむるものなり。身を卑下するも。事
Z08_0139B17: によるぞかし。た▲おもひ切て念佛すべし。世にもど
Z08_0139B18: かしきわざなり。●(二九)たのもしき心が。すなはち
Z08_0139B19: 信心なりと。しらぬゆへなれば。いさ〻かのおもむき
Z08_0139B20: といふなり。○畢竟その信心を。なげきもとむるが。す

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