浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0129A01: | (時)なをはれ〲(晴々)ともおぼえぬは。うたがひとま |
Z08_0129A02: | で。いはるべき事にあらず。(五四)さしも。かしこ(賢) |
Z08_0129A03: | かりし智者だにも。いは(岩)にも松はとき〻て。おぼ |
Z08_0129A04: | つかなさをはる(霽)け。(五五)むか(迎)へのはちす(蓮) |
Z08_0129A05: | を見てこそと。いぶかし(鬱悒)さを。のこされければ。 |
Z08_0129A06: | (五六)まして。そのほかの人は。佛のつげ(吿)をもえ |
Z08_0129A07: | ず。(不得)(五七)來迎のけしきをも。見ざらんほどは。(五八) |
Z08_0129A08: | さらにいふにもたらず。わづかにき〻て。さてはとお |
Z08_0129A09: | もふ事を見て。(五九)げにもといはむやうには。いか |
Z08_0129A10: | がなぞら(准)へ侍るべき。(六〇) |
Z08_0129A11: | 又傍是ハ願心ノヨハク。妄念ノオホキヲナゲキテトフナリおいらかなる女のこゑに |
Z08_0129A12: | て。としのつもるにしたがひては。さすが世のことは |
Z08_0129A13: | りも。しりはてらる〻け(氣)して。(六一)あだにはか |
Z08_0129A14: | なきならひ。おほくき〻かさぬるかずには。たれとて |
Z08_0129A15: | も。もるまじき身ぞかしと。おもふあぢきなさ(無爲) |
Z08_0129A16: | に。(六二)なにとなく念佛は申よしなれども。つやつ |
Z08_0129A17: | や往生の心ざしは。げに〱しくも侍らず。(六三)た |
Z08_0129A18: | ▲そこはかとなき事のみ。心のうちにはひきは(引延) |
Z08_0129A19: | へて。極樂を思ふ事はたまさかなり。(六四)さればと |
Z08_0129A20: | て。人まねなンどはおぼえねど。(六五)か〻るは。いか |
Z08_0129B01: | にもねがふ心のうすければこそと。あさましくて。 |
Z08_0129B02: | (六六)さりともとおもふも。おほけなき(無應氣)たの |
Z08_0129B03: | みにやと。つねはひげ(卑下)せられ侍るといへば。(六七) |
Z08_0129B04: | 答云。往生のみちは。ひげするこそさはりなれ。(六八) |
Z08_0129B05: | いさ〻かも心ざしのうすきに。と▲こほる事はある |
Z08_0129B06: | べくもなし。そこはかとなき心とは。貪瞋なンどの妄 |
Z08_0129B07: | 念にや。これ又凡夫のくせにて。さらに思ひたゆむ |
Z08_0129B08: | (緩怠)まじくなん侍り。(六九)すべてなにかも。さもあ |
Z08_0129B09: | らばあれ。ゆめ〱めにかくまじき事なり。(七〇)も |
Z08_0129B10: | とより願心の淺深。妄念の多少によりて。す〻みしり |
Z08_0129B11: | ぞくみちならばこそ。た▲本願のちからにてする往 |
Z08_0129B12: | 生なれば。なじか機分にわづらひ給はん。(七一)これ |
Z08_0129B13: | がために善導大師。ひとつのたとへをも(以)てくはし |
Z08_0129B14: | く安心のぶんざい(分齊)を釋せられたり。それをだに |
Z08_0129B15: | も。こまかにきこえなば。いぶかしさは。なごりなくは |
Z08_0129B16: | る(霽)け給ひなん。そのおもむきは。(七二) |
Z08_0129B17: | たとへば人ありて。にしにむかひてゆくさきを見れ |
Z08_0129B18: | ば。(七三) |
Z08_0129B19: | これは。われらが極樂をねがふにたとふ。 |
Z08_0129B20: | みなみに。ひの河もえ。(七四) |