浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0128A01: | した▲。三心ざた(沙汰)をさしを(閣)きてうちかたぶ |
Z08_0128A02: | き。阿彌陀ほとけの。たうとき事どもを思ひしり給へ。 |
Z08_0128A03: | さすが人。木石にあらざればみな心あり。げにまこと |
Z08_0128A04: | しく。世にこえたる悲願など。おもひつ▲けむに。たれ |
Z08_0128A05: | かはたのもしとおぼえざらん。たのもしとだにも思 |
Z08_0128A06: | ひし(染)めぬ(畢)れば。往生はしつべくおぼゆるもの |
Z08_0128A07: | ぞ。さてのち心をさぐり見給へ。三心はいとよく(最能) |
Z08_0128A08: | 具足し侍りなん。(四〇)たとへばつかれたりしつは |
Z08_0128A09: | もの(兵)の。梅のすき(酸)事をき〻て。喉うる(潤)ひわた |
Z08_0128A10: | (亘)りしがごとく。佛力のいみじき事をきくより。決 |
Z08_0128A11: | 定往生の安心はす〻むものなり。(四一)さればかまへ |
Z08_0128A12: | ていくたびも。本願のたのもしかるべきいはれを。き |
Z08_0128A13: | (聞)きもし案(思)じもしたまへ。かくてやう〱な(狎) |
Z08_0128A14: | れもてゆかば。自然に心にそ(染)み侍るべし。(四二) |
Z08_0128A15: | かの泰山のした▲りの。石をうが(穿)つは。しかしなが |
Z08_0128A16: | ら漸微のいたす所ぞかし。この願海のなみ(波)に信を |
Z08_0128A17: | すまさん事も。又染習いかでかむなしからん。(四三) |
Z08_0128A18: | た▲物はいさ〻かなれども。つねに功をつむが大切 |
Z08_0128A19: | に侍る也。(四四)すべて人の心のならひとして。なる |
Z08_0128A20: | ればその物になる事は。これのみにしもあらざンめ |
Z08_0128B01: | り。(四五) |
Z08_0128B02: | 又女のこゑにて往生は一期の大事にて。二たびしな |
Z08_0128B03: | をすべき事にもあらねば。かまへてと。(四六)びんぎ |
Z08_0128B04: | (便宜)の聽聞をもすごさず。(四七)心にかけて思ひなれ |
Z08_0128B05: | ぬるしるしに。(四八)いまはだいじ(大事)さりとも |
Z08_0128B06: | と。たのもしくはおぼえながら。さすがはれ〲とは |
Z08_0128B07: | なくて。(四九)又いかなるおり(時)やらんは。さても |
Z08_0128B08: | いか▲と。きものつぶる〻事もあるは。なをうたがひ |
Z08_0128B09: | ののこりたるにや。露も心なをき(勿置)そとこそ侍る |
Z08_0128B10: | なるにといへば。(五〇) |
Z08_0128B11: | 答へていはく。いまだしてみぬ往生の。いか▲おぼつ |
Z08_0128B12: | かなからでもあらむ。(五一)又かまへてと。おぼゆる |
Z08_0128B13: | 事は。心ゆるひず。(不緩)あつかはしきま〻に。ふと。 |
Z08_0128B14: | (不圖)むねつぶ(心潰)る〻事も。思ひいづるならひな |
Z08_0128B15: | り。これはいさ〻かも。きも(氣肝)す(過)ぎておもほ |
Z08_0128B16: | (御念憶)し。とがむべからず。(五二)すべ(摠)ていかなる |
Z08_0128B17: | ものも。すてられずといふを。本願にあて〻あやぶ(危) |
Z08_0128B18: | むこそうるは(善)しきうたがひにては侍れ。(五三)佛 |
Z08_0128B19: | のちかひをば。ひし(必至)とたのみながら。されば往 |
Z08_0128B20: | 生はしなんやと。わが身のうへにあてが(擬)ふおり。 |